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59、モフモフが大好きなため イベント二日目

 休憩を良く取ったメアリーたちはハウスから出ると軽快な日光を全身に浴びる。


「よーし!今日も張り切って頑張ってくださいね!」

「「「「「ウオォォォ〈なのじゃ〉!」」」」」


 そう言いながら、メアリーたちが和やかな朝の光に包まれ、他のプレイヤーと一緒に転移される。

 目が覚めた時。

 足を踏み付けたのは、見渡す限り果てしがない海に囲まれた小島であった。


「ここは…タワーの中?」


 メアリーたちが躊躇している際、空にアナウンスが響く。


『これより今日のルールを説明します。昨日と違い、各階層のクリア条件がありません。代わりに、塔の11階から19階には各パーティーが二人しか参加できません。そして、参加者の二人はボス戦に参加できないので、ご了承ください。参加者が決まったら、中央の転移魔法陣に入ってください』

 アナウンスが終わると、島の真ん中に青い光り輝く魔法陣が現れた。







「二人しかか…つまり参加者責任重大ってことよね」

「そして、参加者はボス戦に出場できないか……」


 ネフェは周りの海を眺めると、考えを口から出す。


「周りの様子を見ると、今日のボスは水属性と思う…」

「あたしの出番なのじゃ!」

「うん、アヤメちゃんを除いて五人の中に二人を選出ってことだ。メアリーの空飛ぶ能力が決して欠かせないと思って、もう一人は……」


 ネフェは分析しながら、困ったように唇を噛む。

 レオラはそれを目すると、声を掛ける。


「つまり、スピードの勝負だよね~ おいらが出るよ!」

「あらまぁ~ レオラちゃんが積極的だわ」

「レオラ…か、あたしはいいと思うぜ!」

「それなら、決まり!私とレオラに任せてくれ!」


 メアリーとレオラは皆の応援を受けながら魔法陣に足を踏み入れると光となり、その場から消えていった。






「ん…着いたかしら?」

「着いたようだね!」


 二人がいたのは昨日とほぼ同じ迷宮であった。

 唯一違ったのは地面と壁、そして天井が水色のレンガで作られたのだ。

 目の前には分岐がいくつかある通路が伸びてある。


「うん……わかった!出でよ、フェル!アンドっ幻獣化!」


 メアリーは自慢の目で前を眺めるとまるで何かを見つけたように即座に巨大化したフェルを呼び出す。


「メアリー、まさか…もう道を見つけたの?」

「うん、転移魔法陣かどうかが分からないけど、デカいモンスターを見つけたよ。ん…ボスかしら……さぁ、早く出発するよ!」

「流石メアリー!」


 メアリーたちはフェルに乗って、左から二番目の通路に駆け出す。

 

「レオラの装備見たことのないね」


 性別が女に戻ってきたレオラは、赤いマントの下に着ているのはいつものゆったりした神官服でなく、青空のように鮮やかな青を基調として白い十字架の柄を入れた服であった。

 一言で言うと、女性的な曲線美をきっちりと表現できるようになる装備であった。


「へ――っ!これ…?いつものローブよ?あっ!わかった!性別が変わったら、同じ装備の見た目も変わったよ!」

「うむうむ、なるほど。やっぱり女の子のレオラは一番いいと思うよ~どうして男のキャラを作ったかしら、もう!」


 レオラはなくなった1万円を思いつくと、顔に苦しい微笑が凝っていた。


「アハハ……もう反省したよ……」






 道中に出ていたのは完全的な水属性のモンスターではなかったので、メアリーはスズを呼び出して、火炎弾で次々と現れた敵を易々と倒した。




「もうすぐ着くよ!あっ、ゴーレムだ!」


 メアリーたちの前に現れたのは、青水晶(ブルークォーツ)のように輝いて鉱石に作られた石の巨人であった。

 ボスかどうかがまだ分からないけど、メアリーたちはその物凄いプレッシャーをはっきりと感じていた。


 メアリーたちはゴーレムの攻撃が届かない場所で足を止める。

 戦闘準備のため、フェルが幻獣化を解除していた。

 レオラはメイスを取り出し、まじまじとゴーレムを観察する。


「ゴーレムの様子から見ると、魔法も出来たそうだ。メアリー、あいつの動きを止められないか?」

「うん、できるよ。フェルの鮮血の咆哮(ブラッディハウリング)というスキルで。ただし、10秒しかないよ」

「10秒……か。わかった!それじゃ、おいらはゴーレムの前に来たタイミングで使ってくれ!」

「うん、任せて!」


「女神の施し!そして、速度上昇(スピードアップ)!」


 レオラは二重のオーラに覆われて、物凄いスピードでゴーレムに突進する。

 動き鈍いはずのゴーレムはレオラの動きを気付いたように、直ちに両手をあげ、水流をレオラに狙い撃つ。

 このような攻撃はレオラのスピードにとって、体を捻じると難なく躱されるだろう。

 しかし、避けられた水流が不意に曲がってレオラに勢いよく襲い掛かる。

 レオラは避ける時間さえなかったので、背中が直撃されてしまった。

 幸いにしても、[緊急テレポーテーション]が自動発動したため、無事にゴーレムの後ろに辿り着いた。


「あぶねー!死ぬかと思った……うわぁ!」


 ゴーレムは昨日戦っていたグリフォンと同じ知恵を持つように、即座に攻撃パターンを変更し、地面を踏み鳴らすと全身の鉱石が輝く。

 メアリーはゴーレムの変化に気付いて、それはきっとあるとんでもない魔法の詠唱だと信じると、即座にフェルに命令を下す。


「フェル、鮮血の咆哮(ブラッディハウリング)!」


 フェルが吼えると地面に暗赤色の怨霊が現れ、瞬きの間にゴーレムの手足を縛っていた。

 動きが封じられたため、ゴーレムの体が元の色に戻ってきた。


「やった!レオラ、早くあいつを倒して!」

「任せて!くらえ!」


 レオラは地面を全力で踏み込んで、メイスを振り回して超高速で叩き始める。

 レオラのメイスはコンポ数が増えると共にダメージが高くなる武器であったため、反撃も避けることもできずボスを待っているのは死あるのみだった。

 僅かな10秒で間、ゴーレムのHPバーが3割まで減ってきた。


「これで最後だ!くらえ!」


 怨霊が間もなく消えてしまう際、レオラは力を込めてメイスをゴーレムの頭に叩きつけた。

 HPバーが空になったゴーレムが直ちに光となって始末されていた。

 続いて、地面に青い転移魔法陣が現れた。


「おいらの勝!ふん~ 見かけ倒しだよね!」

「出た!レオラの勝セリフ!」

「アハハ~!でも、いきなりこれほどのボスが現れたなんて、ここ本当に11階なの?」

「私もそう思うよ!きっとジャングルの時と同じ隠し通路よね!」

「おおお!それじゃ早く中に入ろう!一気に19階に転移したら大当たり!」

「うん、それなら今日はきっと一番になれるよ!」


 二人はこれが絶対に近道だと信じて、ウキウキして魔法陣に足を踏み入れる。


お読みいただきありがとうございます。


この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。

『面白い』『続きが気になる』と思われましたら、是非ブックマークの登録をお願いします。

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