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42、モフモフが大好きなため 第一回イベントが始まった

 メアリーたちは他のプレイヤーと一緒に一階の広場に転移していた。


「おおお!ひろい!!」

「そうじゃ!何で何処でも緑色なのじゃ?」


 メアリーは周りを見渡す。

 地面や壁、そして天井まで草色のれんがで作ったものである。広場の周りにおよそ200体のクモみたいなモンスターがうろうろしている。

 メアリーは周りにいるプレイヤーの数は先ほどの2割しかなかったことを気付いた。


「なんか…人は先より少なかったと思わない?」

「これはよくあることだぜ、最初から全てを同じ場所に転移されたら、混雑し過ぎで何もできなかったよ。故に、皆がいくつのところに転移された」


 ネフェが答えを口から出したとたん、ある声が直接的に六人の脳に流れ込む。


『一階クリア条件:モンスターを50体討伐すること』


「50体」の言葉だけ聞くと、ネフェは興奮して目がクラクラする。


「やった、当たり!予定通りにやれ!!!」

「ラジャー!轟け!神の雷よ!我に歯向かう敵に下せ!雷皇!」


 ネフェの命令を聞くと、アヤメは既に詠唱を終えて、無数の白き雷をモンスターに撃ち込み。

 一撃だけで沢山のモンスターを倒していた。


「了解!出でよ、スズちゃん!大文字よ!」


 それと同時に、呼び出されたスズは鳴き出すと地面で「大」の文字みたいな魔法が輝き、五つの炎が飛び出してモンスターたちを焼き尽くした。


『クリア条件達成します!ただいま次の階層に転移します!』


「やったぜ!」


 他のプレイヤーがまた反応していないうちに、メアリーたちは既に条件をクリアした。

 ネフェの狂喜の声を上げると共に、メアリーたちは二階に上がったのだ。

 これはネフェが事前に考えてきた作戦であった。

 このようなイベントでは、討伐数やダメージをある数値を越えるなどのクリア条件が既に定番のものであったのだ。

 よって、一階に転送された瞬間、アヤメは直ちに詠唱を始めたのだ。その結果は予想の通り、メアリーたちが速やかに二階に上がってきた。







『二階クリア条件:スライムを10体討伐すること』


 二階はさっきとそっくりした場合だった。

 周りにぷよぷよと這っている色とりどりのスライムなのだ。


「赤、白、緑、黒……もうダメじゃ!普通のスライムはないのじゃ!!!」

「やっぱり、そう簡単にクリアさせてくれないぜ!」


 皆が悩んでいる時、メアリーは方法を考えてきたように、アヤメに声を掛ける。


「アヤメちゃん、今回はあなたの番よ!」

「任せてくれ!でも、スライムはないのじゃよ!」

「もうすぐいるよ!ごめんね、スライム君たち、これは皆のためにだもの、許してくれ!」


 メアリーは捨て駒石を投げると、ぷよぷよとする青いスライムが現れた。


「メアリーちゃん、このスライムたちは仲間のじゃ!仲間に攻撃できないのじゃ!!」


 隣に立っているライナーがメアリーの意図を分かったように、叫び出す。


「わかった、流石メアリーだ。アヤメ、あの無差別魔法だぞ!!!」

「おおお!そういう方法があったか?皆がちょっと離れて、すぐやるのじゃ!」


 アヤメはスライムの群れに行き着いた。呪文を唱える。


「我の身よ!雷の如く轟け!雷花火(トニトルスシンティラ)!」


 アヤメは呪文を唱えると体が紫電をスライムに撃ち込む。

 10体のスライムは一撃で倒された。


『クリア条件達成します!ただいま次の階層に転移します!』







「おおお!迷宮なのじゃ!!!」


 三階に転移されたメアリーたちの目に映ったのは広場ではなく、迷宮のような場所に三本の曲がりくねった道であった。


『三階クリア条件:迷宮にいる巨大ゴーレムを探して討伐すること』


「今回は迷宮か……メアリー、何を見つけるか?」


 メアリーは自慢の視力で三本の道に見渡したが、困り果てたように眉を寄せて答える。


「ごめん、三本の道は全てあるところで曲がっちゃったよ」

「そう…か、曲がったらいくらメアリーでも無理か……じゃ、三組で分けて探そう!」

「おいらもそう思う。ターゲットを見つけったら、メッセージで連絡しよう!」

「「「「「わかった〈のじゃ〉!」」」」」



 メアリーとメルラはフェルに乗って、中央に道に駆け出す。

 スズはいつものようにメアリーの肩に座って、火炎弾で次々と現れた敵を撃ち倒した。




 10分掛かって、苔だらけの緑色の巨大な岩壁が二人の目に入る。


「へ――っ!進む道がないかしら……やっぱり外れですか」


 メアリーが道の間違いに落ち込んでいる際、メルアは何かを気付いたように声を掛ける。


「メアリーちゃん、この壁はちょっとおかしくない?」


 メアリーは話を聞くと、両側のれんがで造った顔を見回って、相違点を見つけた。


「そういえば、確か他の壁とは違っていますね。ひょっとして、壊される壁ですか?」

「あたしもそう思ったわ」

「ちょっと確かめて行きます、よいしょっと~」


 メアリーはフェルから降りる。岩壁の前にやってきて、壁をそっと手で叩と「コーンコーンっ!」と重く響く音が聞こえてきた。


「本当だ!とっても薄いよ!なら、出でよ、クマさんたち!クマハンマーであの壁を壊しなさい!」


 召喚されたレッドクマが命令を聞くと、拳で岩壁に叩いた。

 しかし、まるでハンマーのような攻撃を受けた岩壁には亀裂が一つも現れていなかったのだ。


「やっぱり軽やかに通させてくれないよね!フェル、元に戻って。あの岩を粉々にしてくれ!」


お読みいただきありがとうございます。


この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。

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