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38、モフモフが大好きなため ネコちゃんを探そう

 時間を再び遡る。


「ここは……何で花畑に戻ったかしら?」


 メアリーの目に入ったのは先ほどとそっくりした花畑なのだ。

 しかし、そこは女神像のある神殿ではない。

 周りにあるのは果てがない花の海しかなかったのだ。


「ライナーとアヤメちゃんはいない、どうやら別々に違う場所に送られてしまうようだ。うん……どこに行けばいいかしら?」


 メアリーは自慢の目で周りに見渡す。

 陽光が真綿を薄く引き延ばしたような雲に透き通って、色とりどりの鮮やかな花を光らせる。その光に沿って、花畑の彼方にガゼボを目に入る。


「ちょっぴり遠いね……それなら、出でよ、フェル!」


 フェルは魔法陣から出ると、直ちにメアリーの胸に飛び込んだ。


「アハハ~ くすぐったい。いい子いい子~」


 メアリーは花畑に座って、フェルのあごを乗せてくる。

 フェルも満足のように頬をくっつける。


「あっ、そうだ。新し仲間を紹介するよ~ 出でよ、スズちゃん!」


 魔法陣から炎が飛び出して、空に集まる。「リンリン」と響くと、可愛いキツネがメアリーの肩に落ちる。


「フェル、この子は妹のスズちゃんよ~ 一緒に仲良くしてね」

「スズちゃん、お兄ちゃんのフェルよ~」


 キツネが犬を怖がるという話があるが、スズは全然恐れていないように、フェルに近づき、仲良くとして頬をくっつける。


「ウフフ~! フェルとスズちゃんは可愛すぎ!さすがうちの子だ!」


 メアリーはフェルとスズを抱き締めて、一緒に花畑で戯れる。

 透き通った少女の笑い声が花畑に木霊する。

 楽しい雰囲気が流れていた間。

 魅力がある女性の声が響く。


『神々の庭へようこそ。妾の力を受け入れる人間よ』


 声が響くに伴って、キラキラと輝く金髪をしている大人の女性が現れる。


『妾は神々の王妃、ヘラだわ』

「はいじめまして、私はメアリーです~」

『人間よ、トロイ戦争は始めるから既に十年を経っていたわ。アテナは既にギリシャ人に希望を与えに行ったわ。それは、木馬奇襲だわ』

「これは有名な木馬戦争ですよね。小さい頃椿姉ちゃんがこの話をしてくれましたよ」

『しかし、妾の息子、戦いの神アレースは敵対トロイ人の守護神だわ。彼は妾とアテナの計画を知る今、下界の戦争に加勢しようとするわ』

「それは大変ですね…… どうしてお母さんと向き合ってするの?反抗期かしら?」


 ある意味で、メアリーはアヤメより天罰を受ける地雷発言をしてしまっただろう。


『妾はどうしても彼に手を出せないわ。そのために、妾の力を受け入れる人間よ、妾を代わり、アレースを足纏いなさい!さぁ、彼はあそこの神殿いるわ』


 メアリーはヘラの指した方向に辿って眺めると、先まで何もないはずの花畑に荘厳な雰囲気を漂わせる神殿が目に入る。

 しかし、それはさっき見っていた洞窟の真っ逆の方向であったのだ。


「あの?」


 メアリーは再び尋ねようとしたところに、ヘラが光を放って消えていた。


『クエスト:[戦神を阻止する]木馬作戦が成功する前に、アレースを足纏い』



「あっちゃ…女神様が行っちゃった。どうしょう…ネコちゃんについて何も教えられなかったよ」


 メアリーが言ったネコでは、ヘラがアレースを混乱させるため、召喚した可愛いネコであった。勿論、これは本物の神話でなく、姉の新井椿は妹の好みに合わせて作ったオリジナルバージョンであった。しかし、メアリーはずっとこれは本物の神話だと信じているのだ。

 メアリーは悩んでいる最中に、ある考えが頭をよぎる。


「まさかネコさんはあそこのガゼボに待ってるかしら?よーし!フェル、幻獣化よ!」


 メアリーはスズを肩に置いて、フェルに乗ってガゼボへと駆け出す。







「到着!」


 壮観である岬の上に石の柱で立てられ八角形のガゼボが建っている。

 真ん中にある石の台座に雪より明るい毛皮に覆われた猫が座っている。可愛い顔を見せながら「ニャーニャー」と鳴く。


「ぎゃ――っ、かわいい――――っ!」


 メアリーはネコに近づこうとしたところに、地面がぐらぐらしてから割れてしまう。

 中から3メートル高さがある単眼の巨人が飛び出して、メアリーに襲い掛かる。


「フェル、あいつを止めてくれ!!!」


 メアリーが命ずるとフェルは巨人に飛んで、地面に押し倒した。


「ウフフ~ うちのフェルを舐めるなよ!フェル、このままあいつを押して!スズちゃん、出番よ、火炎弾!!」


 スズは空に飛んで、口で巨人に火の玉を吹く。一撃だけでHPバーを3割減ってきた。


「どうだ!これがうちのスズちゃんの実力だ!スズちゃん、続けよ、火炎弾三連射!!」


 スズはメアリーの指示に従い、また三つの火玉を撃ち込むと巨人のHPバーが空になって消えていた。

 メアリーはスズを抱き上がって、頭を撫でる。


「よくやったね、スズちゃん!」


 スズは満足のように顔を舐める。隣のフェルはまるで嫉妬のように「ワンワン」と吠えてきた。

 メアリーは直ちにフェルのところに着いて、あごを乗せてくる。


「あっ、フェルちゃんごめんね。フェルのお陰でスズちゃんが軽くて敵を倒すのよ!二人ともいい子いい子~」


 メアリーはモフモフたちを慰めてから、ガゼボに足を踏み入れる。


「ネコちゃん、おいで~」


 ネコは色違い瞳でメアリーをじーっと見って、「ニャー」と鳴くとメアリーの胸に飛び込む。

 おかしいのは、先ほどメアリーにヤキモチを妬いたフェルとスズはメアリーとネコが仲良くなるのを全く無関心であったのだ。

 これは召喚獣としての余裕であるだろう。確かいつもメアリーの側にいられる召喚獣はクエストにしか登場できないネコと同じ考えをする必要はないよね。


「それでは、アレースの神殿へ、出発!」


 こうして、準備万端したメアリーはフェルに乗ってアレースの神殿へ駆け出す。


お読みいただきありがとうございます。


この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。

『面白い』『続きが気になる』と思われましたら、是非ブックマークの登録をお願いします。

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