37、モフモフが大好きなため トロイ王を護衛する
『わたくしは愛の女神アフロディーテよ。人間の子よ!そこにいるのはトロイの王——パリスだ。彼はわたくしを一番美しい女神に選んだ。約束を守るため、彼は地上で最も美しい絶世の美女——ヘレネと恋に落ちさせた。今は故郷トロイに帰る途中だ』
『しかし、彼に選べられなかったヘラとアテナが復讐するため。ポセイドーンにこの海で彼らを殺すのを頼んだ。わたくしは彼らを守りたいだが、神々は地上のことに手を出しすげてはいけないだ。あなたはわたくしに代わり、彼らを守ってくれ!』
アフロディーテは話が終わると姿を消していた。
『クエスト:[トロイ王護衛]船が着陸まで来襲する敵を倒して、パリスとヘレネを守る』
アヤメは胸を張って、自信の笑みが浮かべる。
「おばちゃん、任せて!ポセイドーンか誰かが知らねぇけど、海のモンスターはみんなあたしの相手じゃないのじゃ!!」
船体が波を切る豪快な水音が響くに伴って、風を帆に孕ませて船は勢いよく進でいる。
透き通るような青みを帯びた空が不意に墨のような黒雲が一面にあたりを閉ざす。
海がいたるところ白い波頭にささくれ立つ。
「トン!」と音が響くと共に、上半身は人間の男性、下半身は青い鱗に覆われた魚の尻尾をしているモンスターは次々と甲板に飛び移ると、鋭い槍を持ってパリスたちに襲い掛かる。
「敵襲だ!半魚人だぞ!みんな気を付けてくれ!!!」
「敵を貫けぇ!雷神槍!!」
パリスの護衛たちが即座に剣を抜き、敵を迎撃しようとする際、アヤメに投げされた稲妻の槍が疾うに敵を突き刺してきた。
「派生マジック、雷龍ノ舞!!」
アヤメは唸ると雷の槍が輝き、即刻に数メートル長さがある金色の龍となった。
雷龍が天を仰いで吼えると体を覆う鱗がピカピカと光ってから、打ち上げ花火が咲くような電流を放って、敵に飛ばした。敵が撃たれたら、直ちに麻痺状態に陥った。
「これで最後なのじゃ!雷皇!!」
アヤメは白きサンダーを呼び出して敵を撃ち込む。一撃で麻痺された敵をまとめて始末していた。
「やった!あたしの勝なのじゃ!」
雷専攻の領域に置いて、アヤメは確実にトップクラスに入り込んだのだ。
アヤメの実力ならば、どんな水属性のモンスターも蹂躙出来るだろう。
こうして、アヤメは次々と現れたモンスターを難なく倒したお陰で、船が順風満帆に進んできた。
「パリス様、我々の国を見えました!!」
船の前方に豊かな大陸が皆の目に入る。
しかし、間もなく故郷に戻って来る際、海がいたるところ白い波頭にささくれ立つ。静かな海面に螺旋状の渦巻きが現れる。ある重厚な男性の声が空まで響き渡る。
『我が名はポセイドーン、海の主宰者である。愚かなトロイの王よ!お前のしたことは大地に災難をもたらすことになる!今はまだ間に合う、あの女を元の場所に帰せる!』
「偉大なる海皇ポセイドーン様、私はトロイの王――パリスと申します。アフロディーテ様に導かれて、愛するヘレネを我が国へ戻ります。恐れ入りますが、あなた様のご命に従いかねます」
『ならば、お前らここはお前らの葬る場所だ!!』
ポセイドーンの声が響くとまるで海の咆哮のように耳をつんざくような轟音が鳴りはためく。続いて大きな白い泡が次々と海面に浮かぶ。
大きな轟きに伴って、巨大なタコが水面を突き破って、にゅろにゅろの触手でパリスたちに襲い掛かる。
「おおお!デッカイタコなのじゃ!いっけい!雷皇!」
パリスと護衛たちがまだ反応しないうちに、アヤメは既に凝縮詠唱を完了させ、魔法を撃ち込む。
いくらボスモンスターでも、フルパワーの雷皇に直撃されるとHPバーが半分に減っているのも当然であった。
「イヒヒ~ どうじゃ!これがあたしの実力なのじゃ!うっぎゃ!何で動きが止まらないのじゃ!?」
タコは凄まじい雷撃を受けたが、動きが全く止まられなかった。
アヤメは一つの触手に締め込まれて、空中に引っ張られてしまった。
「オノレ―!あたしを怒らせたのじゃ!雷花火!」
雷花火では、アヤメが持つ最強のスキルである。しかし、無差別攻撃という最大な欠点があるため、使いチャンスがあまりなかったのだ。今は守るべきNPCたちから引っ張られる時こそ、必殺技の封印を解けるチャンスなのだ。
アヤメの体から星々のように燦然と輝く紫色の花火を放ち続けて、タコに紫電の花火を浴びさせる。
あっという間に、タコのHPバーは空になって、黒いコークスとなって消えていた。
「うわぁぁぁあ!!!」
ボスが消えると、空中にいるアヤメは海へと落ちていく。
幸い、アヤメは帆に受け止められてきた。
「ほほほ~ 助かったのじゃ……」
この際に、船はとうとう接岸してきた。パリスとヘレネ一行がトロイに戻ってきた。
『クエスト[トロイ王護衛]完了しました。10秒後に女神の神殿に転送します』
「終わったのじゃ!?意外に面白い、後でライナーとメアリーちゃんに教えよう~ そいえば、あのおばちゃんって誰なのじゃ?」
アヤメが眩しい光に包まれる。
元の神殿に転移させる。
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