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21、モフモフが大好きなため 少女たちが無双をしている

 時間をメアリーが敵陣に突入する時に遡る。

 フェルの姿にビックリされたプレイヤーたちはやっと正気を取り戻してきた。


「あんな小娘に全てのモンスターを奪われるか!我々も行くぞ!」


「「「ウオォォォ――っ!!!」」」


 プレイヤーたちは怒号しながら、凄い勢いで敵陣へと走り出す。

 しかし、彼はがやっと敵陣に近づいた時、目に映ったのは山ほどのモンスターではなく、荒れ狂う大波であったのだ。


「何!つっ、津波だとう!早く逃げろ!」


 彼らは直ちに逃げようとしたが、もう遅くなってしまった。一人残らず大波に呑み込まれてしまった。

 勿論、ウンディーネの洪水はプレイヤーに対し何の効果もなかったのだ。

 しかし、服さえも濡れなかった彼らは皆ぬれねずみのように呆然してしまった。

 ちなみに、僅か数秒が経ってから第二波、そして第三波の波が次々と打ち寄せてしまった。


 ほぼ同時に、広場の観客席。


「やってるやってる、やっぱ一位は疾風の女武神(ワルキューレ)アイビス様か?数分だけですぐ200を超えてきたよ!」

「今回は雑魚戦だから、深淵の堕天使(ルシファー)が出場でないから、さもないと、一位はきっとエルザ様だよ!」

「お前ら、争う必要はないよ、あの二人はとっても仲良しだよ」

「そうだそうだ。アイビス様は草原エリアで、他のエリアはどうだろう?」


 この時、メイン画面はメアリーがフェルに乗って、敵陣に突入することを映している。


「早く見ろ!!あの黒い巨大な狼はなんだ!!!ラスボス!!?」

「見たことのないモンスターだ、今回はボスがないと言ったはずが」

「見ろ!狼が背中に……女の子がいたぞ!!もう敵陣に入ってる!」

「アレはプレイヤーかよ!ボスを駆使する職業があったけぇ?」

「まさか……召喚術士かよ?!!」

「バカ言うな!召喚術は一番弱いぞ、あんなチート見たいなもんじゃねぇ!!」

「早く見ろ!あの子が何を呼び出したよ!アレは……精霊!洪水だ!!!」

「スピリットサモナーがあるが、精霊の場所が未開放だろう!きっと高位水魔法だ!!!」

「そんな反則な魔法が聞いたことがないよ!あの嬢ちゃん、既にエルザ様に次500ポイントを超えたよ!」


 プレイヤーたちの話を聞き、後ろに座るネフェがまるで自分が褒められるように目をキラキラさせ、メアリーを応援する。


「メアリー、ファイト!一位まであと少しだぜ!頑張って!」

「ネフェちゃんは盛り上がってるわよね~ 本当にメアリーと仲良いわね~」

「アハハ……ごめんなさい。ちょっとやりすぎちゃいました」

「いいわ~ メアリーちゃんの顔を見て、彼女はとっても楽しんでるわね~」

「あぁぁ、ところで、メアリー言った友達はどのエリアで戦いますか?」

「うん……わかんないわ。ネフェちゃん、見て見て、あれは何!!?」


 この時、メイン画面は森エリアに切り替えていた。

 プレイヤーたちは暗い森の中で黒いコウモリなどのモンスターを次々と倒している。


「何で低レベルの雑魚だけだったよ!これでポイントが全然上がらんぞ!」

「そうだそうだ!中級レベルのガーゴイルなどがないかよ!運営のバグかよ!」

「ガーゴイルがいたぞ!」


 森の奥から、十数体の全身黒い毛皮に覆われた小悪魔のようなモンスターが翼を振って、飛んで来る。


「よし!皆!行こう!」


 プレイヤーたちは武器を持って、迎え撃つのを準備していた。

 しかし、素早いスピードで飛んでいるガーゴイルの地面や木に映る影の中に、斬り味の鋭い気刃が次々と敵に襲い掛かっていく。


「ザクシュ!ザクシュ!……」


 斬撃の音が響くと、敵が一体残らずに斬られて、光となって消えていた。


 不思議な光景を見ると、プレイヤーたちは皆愕然してしまった。


 空から青く澄んで絹のような光は木の影を映し出す。

 二本の短剣を持ち盗賊の身なりをしている凛々しい少女の姿が影から現れっていた。


「やったぞ!影作戦大成功!」


 そう、この少女はライナーなのだ。

 さっきの攻撃は[影の小太刀]のスキル[(シャドウ)斬り]とキャラスキル[シャドウムーブ]の連携効果であった。

 [シャドウムーブ]の効果は自由自在にものことの影に移動出来るようになるのである。

 [影斬り]は影の中に隠蔽する状態のままに高威力の近距離闇属性斬撃である。

 さらに[水精霊の短剣]の攻撃距離増加と加えてから、先ほどの不思議な光景が実現できるようになってきた。


「流石僕思いついた作戦だぞ!ん?敵がまだ来たか、それじゃ続けるぞ!」


 ライナーはそう言うと、影で体を包み込んでから姿を消していた。

 

「ザクシュ!ザクシュ!……」

 

 透き通った斬り音がまた森に木霊する。


 観客席――


「まだ不測品が増えたな……」

「影の中から攻撃するなんて、そんなスキルもあるかよ!」

「オイ!!あれが何なんだ!魔法使いって接近戦だとう!」

「あの嬢ちゃん、正気かよ!!!」


 メイン画面は海エリアに切り替えていた。

 まばゆい陽光は海面をキラキラと光らせている。激しい勢いで白く翻る波が砂浜に打ち寄せる。

 全身が輝く鱗に覆われた半魚人が鋭い槍や三叉戟などの武器を持って、砂浜にいるプレイヤーたちに襲い掛かる。


「近接職は敵を食い止め!遠距離職は早く攻撃準備を!!!」

「「「ウオォォォ!!!!!!!」」」

「魔法使いの嬢ちゃん、何をするつもりだ!早く戻れ!!危険すぎるぞ!!!」


 長い金髪をピカピカする魔法使いの身なりをしている少女は無邪気な笑みを見せて、杖を持って数え切れないほどある敵陣へと向かう。


「あんなぬるい戦い方はあたしを満足させないのじゃ!あたしの力をよく見るがいい!イッツショータイムなのじゃ!!!」


お読みいただきありがとうございます。


この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。

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