表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/70

19、モフモフが大好きなため 第一回イベント説明を聴く

「何なのよ!この人混みは!」


 広場にいるプレイヤーが普段より何倍も増えていた。

 プレイヤーたちはまるで何かを待っているように噴水の前に集まっている。


「メアリー、こっち!」


 ネフェは広場の外周で手を振りながら呼び掛ける。

 メアリーは人混みを擦り抜けて行き着いた。


「やっと抜けた。死ぬかと思ったよ!おおお!それは見せたいものかしら!」

「フンフン~ これがあたしの水鏡シリーズだぜ!」


 ネフェが着ているのは明るく照り輝く雪のように白を基調として、形違い六つの紋章が付くローブである。

 そして、絹のような陽光で眩しい光が輝いている鏡のように銀色のブーツ。

 更に縁にキラキラしている小さなダイヤを嵌めた片眼鏡。

 一言でいうと、頭から足までまばゆく光っているのだ。


「おおお!ネフェがピカピカになっちゃった。強いスキルが付いてる装備だよね?」

「当たり~ 攻撃反射、魔法吸収、魔法無効化という三種の付加(エンチャント)スキルが付いてる。一日一回使えだけどね」

「えええ!そんなスキルもあるか?やっぱりネフェはただ者じゃないよね」

「ほほ~ やっと分かったか?もっと褒め称え~」

「はいはい~ 宇宙ミラクルのネフェ様~」


 そんな茶番もそこそこに、二人は広場に集まっている人混みについて話し始めた。


「ところで、どうしてここがこんなに沢山のプレイヤーさんが集まってるかしら?」

「うん、インベンドとか、アップデートとかの説明かな?ちょっと調べよ」

「正解だわ~ こんにちは、メアリーちゃん。そちらの方は?」


 二人が考えている際に、後ろから女性の声が聞こえてきた。

 道具屋さんのメルラが後ろから来て、二人に声を掛ける。


「あっ、こんにちは、メルラさん。紹介します、友達のネフェです」

「初めまして、ネフェです。メアリーがいろいろお世話になりました。ありがとうございます」

「ウフフ~ ネフェちゃんは礼儀正しい子だわ。あら、そろそろ始まったみたいわ」


 空に慣れてアナウンスが響く。


『お待たせしました。それでは、アップデートと第一回イベントの説明会、始まるよ~』


 「「「ウオォォォ!!!!!!!」」」


 広場がたちまちプレイヤーたちの歓呼の声に満たされた。


「まずは、来週のアップデートについて説明します~ 皆さんが楽しんでいる新大陸、砂漠の国・オールゲスタを追加しますよ~ ベルディナ村外にある海底トンネルをクリアしたら、すぐオールゲスタに辿り着きますよ。そして、様々な新たなダンジョンとクエストを追加しますよ~」

「次は、二週間後、【New Fantasy World】の初イベント[決戦!六曜のタワー]が開催しますよ~ パーティーメンバーと力を合わせて、合計61階のタワーをクリアしましょう!」

「イベントの詳しい説明はアップデート後にお知らせしますよ~ それでは、今日の本番[緊急クエスト:魔王軍襲来]が30分以後で始まりますよ~ 1時間内に、できるだけモンスターを討伐してポイントを稼ぎます。ランキング10位以内のプレイヤーたちに全ステータスを3%アップさせるという特別ボーナスをもらえますよ。それでは、皆さん、頑張ってくださいね~!」


 説明はここまで、広場に再び更なる怒号の声が響く。メアリーも手を付き上げてから一緒に「うおおおおお」と叫んでおいた。


 説明が終わり、三人がメルラの店に行き着いて、クエストについて話し合う。


「緊急クエストか、ワクワクするよ~ 三人で頑張ろう!」

「あたしは生産職だから、パスするわよ」

「えええ!そんな…… なら、ネフェと二人頑張るしかないよね」

「ごめん、メアリー、あたしもパス」

「何で!!!」

「あたしはボス戦と対人戦以外に何もできないだから、生中継を見るだけでいいよ。一人でも頑張ってくれよ、応援するから」

「しょうがないね、フェルと一緒に頑張るしかないよね。二人とも、私の雄姿を楽しんでください!」


 メアリーは自信満々の笑顔を見せるが、何かまずいことを思い出したように驚き叫ぶ。


「不味いよ!フェルはもう使い切っちゃったよ!!!」

「心配いらなぇ。スキルの使用回数をリセットらしいぜ!」

「良かった~ フェルがいないと一撃で殺されちゃうよ……」


 頭痛の種がなくなったため、メアリーは顔に自信の笑みが浮かぶとステータスとスキルをチェックする。

 側に座るネフェは緊急クエストの説明を見ると、急に眉間にしわを寄せてメアリーに尋ねる。


「メアリー、ちょっとごめんよ。水を差すつもりはないだが、今回のクエストは雑魚戦なので、いくらフェルが強いだが、上位を目指すためなら広範囲攻撃がいないとやはり無理だ」


 メアリーの攻撃手段は黄金の林檎とレッドクマ、そしてフェルの3つであった。

 林檎は固定ダメージ、そして移動できないため、完全に役ただない。クマは範囲攻撃できるが、MPは二発しか使えない。倒されないと次の召喚ができなくなる。

 切り札のフェルは単体攻撃しかできないのは最大の欠点であったのだ。

 現在の状況から見ると、ネフェの言ったように、上位を目指すのは極困難であったのだ。

 しかし、メアリーはネフェの分析を聞いて、更なる誇らしい顔が露になった。


「いい分析よね。流石ネフェ~ でも、新しい切り札があるんだよ~」

「メアリー、まさかアレ?」

「そのまさかだ!ウフフ~」





 30分があっという間に過ごした。緊急クエストがもうすぐ始まる。

 念の為、メアリーは最後のステータス確認のためパネルを呼び出す。

 ——————

 名前:メアリー

 LV21

 職業:スピリットサモナー

 称号:スピリットサモナー

 HP190/190

 MP125/125


 [STR0]

 [AGI0]

 [INT0]

 [DEX180(+429)]

 [VIT0]


 装備

 頭 [争いの女神(エリス)の冠]

 体 [深淵ノマント]

 武器 [空欄]

 腕 [深淵ノ手袋]

 靴 [深淵ノブーツ]

 装飾品 [神々の女王(ヘラ)のネックレス]

 [空欄]


 スキル

 ジョブスキル

 [召喚Ⅳ][召喚モンスター強化Ⅳ][召喚術の素質Ⅲ][鷹の目Ⅴ][複製Ⅴ][精霊の契約Ⅰ]

 キャラスキル

 [狩りの女神(アルテミス)の目][ポーションスロー][看破][ウンディーネ][カレンの祝福]

 装備スキル

 [黄金の林檎][ケルベロス召喚][死霊召喚][精神転換]

 ——————

「[DEX]はちょうど600を超えたよね、これでウンディーネも連続発動できるようになるよ!それなら、目指すは上位入賞~!」


お読みいただきありがとうございます。


この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。

『面白い』『続きが気になる』と思われましたら、是非ブックマークの登録をお願いします。

拙作を評価していただけるととても励みになりますので、大変嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ