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14、モフモフが大好きなため ウンディーネと戦う 3

総合評価100ポイント達成!ありがとうございます!

 ボスは槍を構えると穂先が輝き、水流が激しい勢いで三人に襲い掛かる。


「二人とも避けろ!電光石火!」


 ライナーが注意を呼び掛け、物凄いスピードでボスの後ろに着いて、連続斬りを繰り出す。


「いっけい!スライムたち、攻撃を食い止めろ!」


 スライムたちが水流と接触すると直ちに消えてしいたが、水流が勢いのままに背後にいるメアリーに襲い掛かる。

 そう、ボスの水流攻撃は貫通攻撃であったのだ。

 予想以上の急変でメアリーは反応の時間さえもない。


「メアリーちゃん!!」


 あと僅かで命中するというタイミングで、アヤメが飛び出してメアリーを押し出した。


「ありがとう!アヤメちゃん」

「いいのじゃ、アレをやられたら、あたしも耐えないのじゃ」

「早く反撃しましょう!攻撃を遮られないなら、私は回復しかできないよ!」

「分かったのじゃ!即断即決なのじゃな!ライナー、今すぐ超スゲーの一発を準備するのじゃ!それまで何としても我慢してくれ!」

「了解!」


 ボスが槍を構え、ライナーに刺突の雨を浴びせる。


「うわっ!はやっ、あぶねー!」


 ライナーは自慢のスピードで驟雨のような攻撃を躱したが、回避するだけでもう精一杯なので、反撃のチャンスが全く掴めないのだ。

 ボスのスピードがだんだんと速くなった。ライナーのスピードさえ全ての攻撃を避けられないのだ。

 僅かな数秒の間はライナーにとって、まるで数時間のようだ。

 間もなく槍に刺されてしまう際に、スライムがライナーとボスの間に現れて攻撃を遮って消えていた。


「サンキュー、メアリー!」


 アヤメは詠唱し始める時から、メアリーはずっとライナーに目を凝らした。

 繋吹き雨のような攻撃はメアリーにとって、まるでスローモーションのようだ。

 次々と捨て駒石を投げて危機を解いていた。


「アヤメ!まだか!!」

「お待たせなのじゃ!ライナー、早くそこから離れるのじゃ!」

「了解」

「轟け!神の雷よ!我に歯向かう敵に下せ!雷皇!」


 先ほどの[雷皇]と違い。無数の雷がボスの上に高速旋回して一つに集まる。

 稲光が閃いたとたん、「ゴロゴロ!」と雷鳴が響くと、白い稲妻がボスに直撃する。

 眩しい光が部屋を満たすように輝いている。

 ボスのHPバーが一気に二割まで減ってきた。


 同じスキルの威力はどうして雲泥の差があるか。

 その原因は、魔法使いの職業スキル[コンデンセイションマジックⅤ]であった。詠唱時間を十倍に伸ばす代償で威力を五倍まで上昇するスキルである。つまり、魔法の威力を凝縮するスキルであるのだ。

 物凄い雷撃によって、ボスのHPバーが一気に一割弱まで減ってきた。


「よし!あと一撃でボスを倒せるのじゃ!」


 やっと勝利の兆しが見えてきた時、ボスが水流となって激しい勢いで三人へと襲って来る。


「伏せろ!!」


 攻撃を気付いたライナーが即座に二人を地面に押さえつけた。

 水流が三人の頭の上を飛んで行って、フルフル回ってまた三人へと狙い来る。


「僕はおとりになる!二人はなんとかして!」


 ライナーは立ち上がってボスに向かおうとした時、アヤメに腕を掴まえた。


「アヤメ、何するつもっ!」

「おっりゃーー!なのじゃ!」


 疑問はまだ終わらない際に、既にメアリーと一緒にアヤメに水の中へ投げ込まれていた。


「アヤメちゃん!何を?」

「二人とも、もう説明の時間がないのじゃ!早く水に潜れ!」


「あんなに真剣なあいつのこと、初めて見た。あいつを信じてくれ!」

「分かった!気を付けて、アヤメちゃん!」


 アヤメは頬に自信ある笑いが浮かぶ。


「ウフフ~ このスキルを使うチャンスがやっと来た。我の身よ!雷の如く轟け!雷花火(トニトルスシンティラ)!」


 アヤメは叫ぶと足元に魔法陣が輝き、体の中から紫色の電気の花火が周りへ広がる。

 このような無差別型雷撃の前、いくらボスの動きがどれほど速くても避けられないだろう。

 まるでクモの巣に捕らわれた虫のように、ボスのHPバーは空になった。水となって消滅した。


「やったのじゃ!」


 アヤメは放電を止めて二人に声を掛ける。


「ライナー、メアリーちゃん、もういいのじゃ!早く上がってくれ」


 びしょびしょになった二人が水の中から立ち上がる。

 アヤメはそれを見ると、即座に太った腿を叩きながら爆笑する。


「ふっ、ウフフ~ アハハ~~!ぬれねずみなのじゃ!」

「それは誰のせいだ!お前もこっちに来いよ!」


 ライナーがアヤメの手を引っ張って、「トン!」と水に引き込まれた。


「やったな!ほれ!」

「お前もな!くらえ!」

「メアリーちゃんも一緒に遊ぶのじゃ!ほれ!」

「もう!私を舐めるなよ!いっけい!くらえ!」


 約30分経過。

 水遊びに疲れた三人は地面に仰向けに寝転がった。


「アヤメちゃん!さっきの魔法って何?」

[雷花火トニトルスシンティラ]なのじゃ!無差別攻撃なので、二人を水に投げちゃった。ごめんなのじゃ!」

「まぁ、アヤメのお陰で、ボスをやっと倒したぞ!」

「そうよ!でも、こんな強い魔法がどうして最初から使わないかしら?」

「使わないじゃなく、使えないのじゃ!」

「えっ!どうして?」

「それは……」


 [雷花火トニトルスシンティラ]では、スキル使用者を中心として半径3メートル以内の範囲の中で雷を引き続き放って無差別攻撃の魔法なのだ。普通の魔法と一番違い点では、MPを消費しないと代わり、1秒で一割のHPを消費することである。


「っていう訳で、勝手に使えるとあたしは直ちに死んじゃったのじゃ!」

「分かった、確かに諸刃の剣だな。そう言えば、魔法ダメージでHP回復の装備の噂が聞いたよ、それがあれば」

「いつでもあれを使えるのじゃ!欲しいのじゃ!何処に手に入れるのじゃ?」

「さあ、どうせ噂だから、何処かのボスのMVPアイテムかもな」

「そんな……」

「まぁ、いつかきっと貰えるよ。二人どもそろそろ行くよ。ウンディーネさんはもうあそこに待っているよ!」


 分身を倒した時から、ウンディーネは既に三人のところに降りていた。でも、水遊びを楽しんでいた三人に徹底的に無視されていた。

 ある意味で、NPCのウンディーネは可哀想だったよね。


「見事だ!妾の試練をすべて乗り越えだ!汝らは名実相伴う伝説の勇者だ!受けよ!妾の力を……」


 ウンディーネは言うと三つの光が別々に三人の体に飛び込み、眩しい光が部屋を充満するように広がる。システムの効果音が同時に三人の耳元に流れ込む。


『[ウンディーネの涙]を取得しました』


 再び目を開けた時。

 三人は既にシノン川の向こう側に身を置けた。


「アレ?ここは……」

「川の向こう側らしいな」

「おおお!二人ども、このアイテムが使えるのじゃ!」


 そう言ったアヤメは即刻に[YES]のボダンを押した。

 涙が光り輝くと雫の模様な髪飾りに変わった。


「[ウンディーネの髪飾り]のじゃ?効果は……おおおおおおおお!!!」


 アヤメは説明を読むと、まるで宝物を見つけたように興奮して叫ぶ。


「アヤメちゃん!大丈夫かしら?」

「大丈夫なのじゃ!これはさっき言った装備なのじゃ!早くこれを見て見て!」


 アヤメは嬉しくて装備の説明を二人に見せる。

 ——————

 [ウンディーネの髪飾り]

 [INT+5、MP+30]魔法で与ダメージの1%分、自身のHPを回復する、破壊不可、譲渡不可

 ——————

「アハハ~ これは最高じゃない!」

「アヤメちゃん、おめでとう~!」

「感謝するのじゃ!ウフフ~ これであたしが偉大なる魔法使いに一歩近づいたのじゃ!」

「それじゃ、次は僕の番だ!」


 ライナーはアイテムを使うと、剣身が蒼い水晶のような短剣に変貌した。白いほどに冴え返った太陽光は短剣をキラキラと光らせている。


「いいものゲット!僕とピッタリぞ!ほら、見ろ」


 ライナーは悦ばして装備のパネルを呼び出す。

 ——————

「水精霊の短剣」

 [STR+5、AGI+25]物理攻撃は水属性を付与する、攻撃距離が増える

 ——————

「ほほ~ ライナーもいいものゲットだしね。でも、あたしの方がましなのじゃ!」

「ライナー、距離が増えるってどれくらいかしら?」

「うん…… 僕もわかんねぇな、よし! 試して見よ」


 ライナーが構えを取ると軽やかに短剣を振る。

 短剣の刃に覆われた青いオーラが気刃となって前へ飛ばした。

 約1メートルのところに消えていた。


「やった!これで、短剣の攻撃範囲は片手剣より広くなった!」

「むむむ……あたしの方が強いなのじゃ!メアリーちゃん、早く使ってみて!」

「うむ、何が出るかしら? へいい!」


 メアリーは使うボダンを押すと、涙が即座に消えていた。水色のオーラに覆われてから冴えた女性の声が聞こえてきた。


『精霊の力よ!今こそ解き放て!スキル:[ウンディーネ]を習得しました』


「えっと、私のは装備じゃなくて、スキルだよ!」

「もしかして、さっきのボスを召喚か? 早く使ってみよう!」

「わっ、わかった」


 メアリーが胸を張って詠唱を始める。


「水の精霊ウンディーネよ!我の命ずるに従いここに降臨せよ!」


 自慢な呪文を唱えると …… 何も起こらなかったのだ。


「どうして?ウンディーネさんが私の詠唱嫌いかしら?」

「メアリー、説明を読んで、きっと方法があるぞ!」

「あぁ、そうよね、わかった」


 メアリーは悩んで、スキルの説明を確かめる。

 ——————

 [ウンディーネ]

 水の精霊を特殊召喚する、激しい大津波で全ての敵を攻撃する。スキル威力はスピリットサモナーの職業スキル[精霊の契約]のレベルに決めること。クールタイムはレベルAの召喚獣と同じ。消費MP80

 スピリットサモナーしか使えない、召喚術士が習得可能

 ——————

「嘘……そうな……」

「まぁ、スピリットサモナーは二次職だから、次のクエストをクリアしたらすぐ転職できるぞ!その前に我慢して」

「まぁ、そうしかないよね」

「それじゃ、早く村に向かうのじゃ!まだまだ遠いなのじゃよ!」


 シノン川を渡ったし、ベルディナ村まで30分の道程がある。例えメアリーの目でも村を見えないのだ。


「どうやら今日も徹夜か……明日学校があるのに」


 学校という言葉が耳に入れると、メアリーは何かを覚え出したように慌てた。


「出でよ、フェル!アンド幻獣化!」


 召喚されたフェルが一気に大きくなる。

 勿論、ライナーは「ぎゃー!」と叫んで木の上に逃げたのだ。


「ライナー!早く降りて!慰めの時間がないよ!私の宿題がまだいっぱい残ったのに!!」

「えええええ!!?」

「アハハハハ~!メアリーちゃんはドジっ子なのじゃ!あたしはもう、っ!!」


 メアリーを笑っているアヤメも何かを思い出したように顔色が急に変わった。


「あたしも忘れちゃったのじゃ!ライナー!ログアウトしたらすぐ来て助けてくれ!!!」

「お前ら!!!!」


 こうして、三人はフェルに乗って最速スピードでベルディナ村に行き着いて、ログアウトしていた。

 その後、三人の少女は徹夜で宿題というダンジョンをクリアのため頑張っていたのだ。


お読みいただきありがとうございます。

今日は最後村ベルディナについて紹介します。 


辺境の村 ベルディナ

シノン川の向こう側に位置するインスシュライター王国の最後の村である。村の東側に山脈が雲上に聳える。

神話の時代から、神獣クリエニルに守られているため、村の西側の森林に神獣クリエニルを祀る神殿が立っている。

次の大陸に繋がるダンジョン、ベルディナ海底トンネルもここにあるが、まだ未開放である。



この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。

『面白い』『続きが気になる』と思われましたら、是非ブックマークの登録をお願いします。

拙作を評価していただけるととても励みになりますので、大変嬉しいです。

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