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13、モフモフが大好きなため ウンディーネと戦う 2

一日で1000PV達成!ありがとうございます!

「スキルのレベルがアップした! やった!」


 [召喚]の効果について、メアリーは既に調べていた。スキルレベルが4に上がると、四体のモンスターを召喚できるようになる。さらに[神々の女王(ヘラ)のネックレス]の効果を加えると、最大8体を召喚できるようになる。

 つまり、敵の攻撃を完全に防ぐことができるようになってきた。


「出でよ、スライム君たち!」


「攻撃を受け止め!ゴーストスライムたち!」


 [召喚Ⅳ]のお陰で、全滅のピンチを乗り越えたが、大事な問題はまだ解決しなかった。

 それはどうやってHP自動回復できるボスを倒す方法なのだ。

 このままでは、やられるのは時間の問題なのだ。


 メアリーはできるだけ自分を落ち着かせて、敵の動きを見する。

 確かに、極限の[DEX]と視力範囲は大きな役割を果たした。

 しかし、今までの危機を乗り越えた最も重要な一因では、その冷静的な洞察力であるのだ。


「あっ、あれは!」


 水に覆われた敵の中に、先ほどに集まった核の破片で組み合わせる白い核が素早く動いている。攻撃する前に、核がきっと拳のところに停まる。

 今までずっと躱すのを集中していたため、全然気付かなかったのだ。

 核を破壊すると敵を倒すことができるが、三人の攻撃がどうしても水に覆われた体の中に届かないのも問題である。


『水に雷で攻撃するなんで!全員が電撃で町に戻りたいか!!』


 肝心な時、メアリーは先ほどにライナーの言葉を覚え出した。

 緊張していた顔にやっと喜色を浮かべる。


「ボスを倒す方法を見つけた!アヤメちゃん!ボスが攻めてくる時に水面へ雷の魔法を撃って!ライナー、早くボスから離れろ!」

「えええ!何じゃ?」

「アヤメ!メアリーの言う通りにやろう!今はメアリーの方法に賭けるしかない!」

「らっ、ラジャー!くらえ!」


 アヤメが無詠唱で魔法を撃つ。

 光り輝いている雷が空から水面に撃ち込み、無数な電流がまるで電気ウナギのように水面に広がって行く。

 勿論、全身が水に覆われた敵も例外ではないのだ。


「おおお!ボスの動きが停まったのじゃ!流石メアリーちゃん!」

「感心する場合じゃない!ボスはまだ動いたぞ!」


 水面の電流がだんだんと消えていく。

 敵は自由を取り戻したように再び拳で攻めてくるが、動きが先ほどより少し遅くなってきた。

 そう、敵が電流による麻痺状態に陥ったのだ。


「よし!アヤメちゃん、雷でボスの動きを完全に封じてくれ!」

「ラジャー!サンダーボルト!いっけい!……」


 怒涛の雷撃をしたあげく、敵の動きがやっと完全に止まっていたが、全身が電流に満たされている敵のHPバーが全く減っていなかった。


「よし!勝ったのじゃ!って、どうしてボスが死んでいないのじゃ?」

「やっぽり、核を壊さないと、ボスを倒せないよね……」

「それじゃ、あたしに任せるのじゃ!雷よ!我が槍となれ敵を貫け!雷神槍!!」


 アヤメが詠唱すると魔法陣が輝き、雷が紫色の槍となって核へ突きつける。

 敵の拳に刺し込んで、核まであと僅かな距離で停まって消えてしまった。


「もうダメだのじゃ!あたしの切り札もダメなのじゃ……」


 このような局面になったのは既にメアリーの予想を超えてしまった。

 埒が明かない局面に立つ際に、さっきからずっと側に立っているライナーが尋ねる。


「メアリー、あの核を壊せば、本当に倒せるか」

「100%で倒せるとは言えないが、考えが間違いなら、アレを壊す以外の方法がない」

「そうっか……僕はできるかもしれない」


 ライナーの話を聞いた二人はビックリした。


「ライナー!まさかあなたはボスの中に入って核を壊すか?それは危険すぎだ!」

「そうじゃよ!あのボスの中にはあたしの魔法がまだ残っているのじゃ!ダメなのじゃ!」


 ライナーは心配を掛けている二人を見ると自信に満ちた笑顔を見せる。


「バーカ~僕はそんな脳天気の人と見えるか?ちゃんと方法を考えたぞ!僕の新しいスキルができるかも」

「えええ?スキルって、ひょっとしてライナーが凄い遠距離攻撃ができるのか?」

「そんなもんできるわけないじゃっ![疾風迅雷]っていうスピードを上がるスキルだ」


 意味が全く理解できないアヤメがリスのようににらめっこする。


「わけわからないのじゃ!早く説明してくれよ!」

「あぁ、[疾風迅雷]ってスキルはね……」


 [疾風迅雷]では、スピードを最大限までアップさせ、三秒間に完全無敵な効果を付与するスキルである。その代償では、無敵状態を解除から10秒間に[HP]の上限が1になること。所謂諸刃の剣なのだ。

 つまり、核を破壊すると敵を倒せないなら、ライナーは直ちに電撃にやられてしまうリスクがあるのだ。


「っていう訳で、僕たちは賭けるしかない!」


 ライナーは話しながら、爽やかな笑顔を見せる。


「ほほ~ ライナーがカッコイイのじゃ!」

「でも、それは私の推測に過ぎないだもの、やはり危険すぎ……」

「案ずるな!僕はメアリーの判断を信じるぞ!行って来るぞ!」


「疾風迅雷!」


 ライナーが黄色い稲妻のようなオーラに覆われて目に見えるスピードで敵へと突進する。

 黄色い閃光の如く、敵の拳に刺し込んだが、水の抵抗力による後僅かなところに停まってしまった。

 無敵の解除まであと1秒である。


「負けてたまるか!いっけい――っ!!!」


 ライナーは叫びながら、渾身の力で短剣を核へと投げ出す。

「ツンッ!」と核に突き刺していた。

 核が裂けると青い光を放つ。巨人が直ちに水となって池に帰する。


「やったぞ!!わあああ!」


 巨人が消えたので、ライナーが地面に落ちてしまう。


「「ライナー!」」


 二人は呼び掛けながら、前へ走ってからライナーを受け止めた。


「大丈夫?さっきはビックリしたよ!あんな風に武器を投げる何て……」

「そうじゃよ!さっきはもうダメだと思ったのじゃ。さっきはスキルなのじゃ?」

「いやっ、スキルじゃっ」


 ライナーが返事する時、システムの効果音が耳に流れ込む。


『スキル:[アームズスロー]を習得しました』


「アハハハ~ そうだ、スキルだぞ!」

「そういうスキルがあったら、何で中に入り込むのじゃ?ライナーはバカなのじゃ?」

「お前に言われたくない!」

「「「ウフフ~ アハハハ~!」」」


 三人は勝利の喜びに笑う際に、滝の上に三人を俯瞰しているウンディーネが声を掛ける。


「見事だ!次々と試練を乗り越えた勇者たちよ!これは最後だ!」


 ウンディーネは唸ると水面に覆われた電流が一気になくなり、鏡のような水面に戻ってきた。

 続いて水面が輝き、無数な光が三人の前に集まると、ウンディーネとそっくりした女性が現れた。


「さぁ!妾の分身を倒せ、汝らの力を証明せよ!弱者はこの場を去れ!」


「やはりそう簡単にクリアできないよね。二人とも、これは最後だ!」

「ここまで頑張ってきたのに、僕はそう簡単に諦めじゃないぞう!」

「そうじゃ!あたしの必殺技はまだ使ってないのじゃ!」


お読みいただきありがとうございます。


[アームズスロー]

杖と弓以外の武器を飛ぶ道具として敵に投げすこと。

攻撃力は[STR]と[AGI]に依存する、消費MP10。

習得条件

[AGI180]以上、杖と弓以外の武器を投げてボスモンスターを倒すこと。



この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。


『面白い』『続きが気になる』と思われましたら、是非ブックマークの登録をお願いします。


拙作を評価していただけるととても励みになりますので、大変嬉しいです。

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