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01、モフモフが大好きなため ゲームを始める

初めてのVRMMO系小説です。

2年前に、夕蜜柑先生の『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』を拝読したから、VRMMO小説を夢中になりました

「メイプルちゃんと全く別タープの少女の冒険が行けるかな~」と思いました。

ついに、VRMMOのオリジナル小説をチャレンジしました。

まだまだ新人ですから、誤字脱字があった際には遠慮なく言ってください。

では、よろしくお願いいたします。

「アレ、やったの?」

「アー、超ヤバイぜ」

「初期スキルは?」

「オレは戦士系だ」


 クラスの、男子生徒たちは昨日発売のVRMMO RPG【New Fantasy World】について話し合う。

 窓際の席に座る新井美咲あらいみさきは全く気付かなかった。


「はーぁ…… また逃げられちゃった。どうしてネコちゃんに嫌われるのかしら」


 モフモフの猫に逃げられたことを思い出し、美咲は溜息を吐く。


「また逃げられたのか?美咲は本っ当に動物たちに嫌われてるな」

「酷いよ!瑠衣!私の親友なら、こういう時は慰めるべきじゃない?」


 親友の野々原瑠衣(ののはらるい)を睨んで、美咲はリスのようににらめっこする。


「ごめん、ところで、放課後は一緒に帰っていい?美咲の家まで」

「いいよ、瑠衣も久しぶりに来たいよね。明日からは三連休だしね、一緒にパジャマパーティーしよっ」

「ごめん、そういう意味じゃ……」

「えっ?」

「ゲーム屋のこと……」

「あぁ……そう」


 学校からの帰り道。

二人の女子高生は小さな町に唯一のゲーム屋へ向かう。


「ごめんなさい、美咲、あたしわざとじゃ……」

「もう平気よ。ところで、瑠衣はどんなゲームを買うの?」

「アレだよ!昨日から発売の【NFW】よ」

「【NFW】?」

「VRMMO RPGの【New Fantasy World】よ!あたしはβ版からやっていたよ。もう!美咲は本当にゲーム屋の娘なの?」

「残念、私はゲームに興味が無いよ」


 美咲の家はこの町に唯一のゲーム屋『新井堂』である。両親と二人の姉は皆ゲーマーであった。

 美咲にとって、ゲームは嫌いではないが、あまり興味がないのだ。

 そもそも、美咲の頭は既にモフモフで満たされていた。


「お父さん、ただいま」


 美咲の父が入口にゲームのポスターを張り、二人に声を掛ける。


「おかえり、美咲。今日は瑠衣ちゃんも一緒か、久しぶりだな」

「お邪魔します。おじさん、これが新発売の【New Fantasy World】ですよね!!」

「そうだよ。瑠衣ちゃんはこれをやりたいか」

「はい、今日はこれを買いに来ました!」


 美咲はこの話題に僅かな興味もなく、早く部屋に入ろうとしているところに目がポスターに引かれた。

 剣や杖を持った男女二人と丸々の青いスライム、そして全身が夕陽のように鮮やかな毛皮に覆われた可愛いキツネが描かれている。

 美咲はフワフワのスライムとモフモフのキツネの姿に惹かれた。現実のモフモフがダメなら、ゲームでいいかもと思う。


「っていう訳で、私は帰るよ。今すぐやりたいもの、来週またね」

「うっ、うん、じゃね」


 ◇◆◇◆◇◆◇


 晩御飯の後、美咲はベッドに横になってイヌのぬいぐるみを抱いてゲームのスライムとキツネを思い出す。


「どうしょうかな?ゲームは全くやったことがないんだけど……」

「うん……モフモフと遊ぶだけでもいいかしら?」


 そう考えると、美咲が立ち上がって部屋から飛び出る。


「お父さん、さっきのゲームが欲しい!来月のバイト代で~」


 ゲームのパッケージにはポスターと同じく可愛い雰囲気の絵で描かれている。


「ゲーム機とグローブはどこだっけ?」


 美咲は話ながら、部屋にVR専用のゲーム機を探す。


「あっ、あった!アレ?めちゃくちゃになっちゃった。どうしょうかな?」


 ようやく机の一番下の引き出しで見つけた美咲は、乱れた部屋を見て躊躇している。


「まぁ、明日は休みだしね、まずゲームをやってみましょう!ウフフ~ 待っててよ!モフモフ」


 美咲は気合を入れて説明書の通りにゲーム機をセットして電源を入れる。New Fantasy Worldと鮮やかな文字が目に映る。


「これがVRの世界?真っ白で何もないよ。初期設定って、何?」


 ゲーム歴ゼロの美咲にとって、すべてが聞いたことのない言葉であった。


「プレイヤーネームって、ゲーム内の名前だよね、うーん……」


 美咲はしばらく悩んだ末にメアリーと名前を入力してボタンを押す。

 ちなみに、メアリーという名前は美咲が読んでいる小説に出てくる軽く中二病がある女主人公であった。


「えっと、次は……なんだこれ!」


 浮かぶパネルに映る画面が変わった。30種類以上のスキルが美咲の目に映る。


「ふむふむ、五つのスキルを選ぶのね、モフモフと関係があるスキルは……これだ!」


 美咲がパネルに映るスキルを押す。すると新しいパネルが浮かび上がる。

 ——————

【召喚Ⅰ】

 レベルD以下のモンスター、一体を召喚する、最大三体を召喚できる、召喚石1個を消耗する、MP消費無し。スキルのクールタイムは【DEX】に依存する。

 ——————

 きっちりと説明を読み、メアリーは確定のボタンを押す。


「それなら、全部召喚って付いてるスキルを選びましょう。どれどれ……」

 ——————

【召喚モンスター強化Ⅰ】

 召喚されたモンスターの全ステータスを10%上昇させる。


【召喚術の素質Ⅰ】

 モンスターを倒した時に召喚石が追加ドロップする、ドロップ率5%、ボスモンスターはドロップ無し。

 ——————

「つまり、倒したモンスターが召喚石を落とすのよね。なら、たくさんのモフモフを集めましょう」


 方針を決めたら、美咲は次々とスキルの説明を読みながら、確定のボタンを押す。

 召喚の文字が書かれているスキルをすべて選んだあと、美咲はもう一度スキルをチェックした。そして二つのスキルを押す。

 ——————

【鷹の目Ⅰ】

【DEX、可視範囲、射程】が10%上昇する。


【複製Ⅰ】

 消費アイテムを劣化品にコピーする、劣化品の効果は本来の1%、消費MP1。

 ——————

「さっきは確かクールタイムは【DEX】に依存と書いてあったよね。次は複製で、ふむふむ、召喚石をコピーできたら、モフモフはもっと増えるよね。よーし、決めた」


 本来では、【召喚術】と【複製】はβ版から最も弱いスキルと指摘されていた。唯一の当たりスキルは【鷹の目】であったが、これは弓を使うアーチャーが取得するスキルであった。

 いくら新人プレイヤーにしても情報掲示板又は攻略サイトを読んでいるなら、このようなスキルは選ばないだろう。


 美咲の周りにいろいろな装備が現れる。


「えっと、召喚術は魔法職だよね、でも、杖は【DEX】を上げれないな……」


 悩んでいる美咲が武器を見ながら溜息を吐く。


「あれ?初期武器を無くせば、更に5000ゼニが貰える?よーし、それにしよ」


 美咲はこの5000ゼニがあれば更にいいものを買えると思った。

 そもそも、初期装備を選ばないでゲームを始める非常識な人は美咲しかいないだろう。


「えっと、次は……ステータスポイントか、うん、全部を【DEX】にしよう」


 これは所謂、極振りである。器用値の極振りは弱いとは言わないが、それはさっき言ったアーチャーに当てはまる育成方針なのだ。

 まぁ、美咲はそれ程考えていなかった。彼女が考えているのはモフモフことのみである。


「最後は体の設定……ケチ!何で髪と目しか設定できないのよ」


【NFW】はオリジナルキャラを作りだすのが苦手なプレイヤーのため、VRカメラの技術を利用して全身をスキャンして、髪と瞳の修正のみでいい優しい機能があるのだ。

 隣にオリジナルなる設定のボタンがあるが、美咲は全く気付かなかった。

 まぁ、これは不幸中の幸いだったのかもしれない。美咲は本気でキャラを中二病少女メアリーを模倣するつもりであった。


 美咲は水色の長い髪と神秘感のある銀色の瞳に決めて、最後の確認ボタンを押す。

 美咲が眩しい光に包まれる。

 再び目を開けた時。

 既に賑やかな広場に身を置いていた。


この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。

『面白い』『続きが気になる』と思われましたら、是非ブックマークの登録をお願いします。

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[気になる点] 【改】 きっちりと説明を読みメアリーは、確定のボタンを押す。 → きっちりと説明を読み、メアリーは確定のボタンを押す。 or きっちりと説明を読んだメアリーは、確定のボタンを押す。…
2020/10/24 10:40 退会済み
管理
[気になる点] 「ごめんなさい、美咲、あたしわざとじゃ……」 →瑠衣の一人称の統一を。下では「私」となっています。 「おかえり、瑠衣ちゃんが来たか。久しぶりだな」 →例えば「おかえり、美咲。今日は瑠…
2020/10/24 09:07 退会済み
管理
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