プロローグ
『プロローグ』
本当の僕は今、どこにいるのだろうか。あたりは真っ暗でわからない。
本当の僕は今、何をしたいのだろうか。今、目覚めたのだ。わかるはずもない。
本当の僕は今、何を思っているのだろうか。何もわからない、わからない、、、
わからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないーーー・・・
「わからない」という言葉だけが、ひたすらに頭を反芻している。
わかるのは、たくさんの時空、世界を旅してきたという事実と、使命だけだ。
「次はどこに行こうか」そう僕は呟く。
「次は何をしようか」そう僕は考える。
「次はーーー・・・」そう僕は決意した。
僕は次の時空に飛ぶべく出口を目指す。
まっすぐ暗闇を歩き続けた。
カツン、カツン、と僕の靴が鳴らすリズムだけが響く中、前から光がやってきた。
「次の時空だ・・・」
僕はハッと息を止め、固唾を飲んで次の時空に続く扉に手をかけた。
厳かな抵抗と共に、少しずつ光がその隙間から漏れ出す。
扉から風が、勢いよく入り込んできて身につけている栗色のローブが強くなびく。
扉は完全に開き、いっそう多くの光と風が僕を撃った。
目を細め、まっすぐに光の先を睨むが、光が強すぎて白しか僕の目には写してくれない。
光の中に足を踏み入れ、自分を「僕」と呼称する青年はある決意と共に光りの中へと消えた。
「次は、この時空を壊さなくてはーーー」