2.神のミスとお詫びの加護
ーーレベルが上がりましたーー
お、レベルが上がったな。プランクトンにも経験値あるんだな。
ステータス見てみるか。
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〈ステータス〉
種族:小魚
Lv2/5
HP:4
MP:0
攻撃力:3
防御力:1
魔法力:5
素早さ:10
〈特殊スキル〉
【神の声Lv1】
〈通常スキル〉
【体当たりLv 1】【吸い込むLv 1】【鑑定Lv3】
〈称号〉
【異世界から迷い込んだ者】【異世界からやってきた不運な者】
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なるほど、ステータスが上がってるな。ん? 素早さすごく上がってんじゃん。
どうしてだ? 俺は称号を鑑定してみた。
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【異世界から迷い込んだ者】
異世界から迷い込んだ者に与えられる称号。
異世界人は用心深いと言われるため、神はこの称号の保有者に【鑑定Lv3】を与えると言われる。
しかし、本当のことは神しか知らない。
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【異世界からやってきた不運な者】
神の手違いにより、小魚に転生したものに与えられる称号。
急遽、神が作って与えた称号で、世界に一つしかない。
神はお詫びにと、【最大ステータス値倍増】スキルを付与して与えた。
この【最大ステータス値倍増】はこの世界に一つしかない。
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……マジかよ。え? 俺って神の手違いでこうなったわけ?
ふざけんなよ…人間ならならまだしも小魚って何だ小魚って…
いい加減にしろよ……
『人間にならなかったから手違いなんでしょうが。そんなのもわからないわけ?
何よ偉そうに、お詫びに称号あげた私に感謝してほしくらいだわ!』
神の声から、機械みたいではなく、女の人の声が聞こえた。
もしかして女神か? けどこんな偉そうな女神はいるはずない。
新しいスキルとか?
ステータスを確認したが、変化はない。
『私は女神よ!何が偉そうよ、あなたの方が偉そうじゃない!
わざわざ他の神から隠れて称号を与えてやったのよ? 結構苦労したんだから。
私に感謝しなさい!』
その時、俺の中の何かが切れた。
ああ?偉そうなのはおめぇじゃねぇか。それで偉そうじゃないんだったら、
お前この世界ガキ以下だぞ? それに感謝しろ? お前が原因なんだからお前が謝罪するのが普通じゃないんか?
『ひっ、な、なによ、あ、謝ればいいんでしょ。はい、ごめんなさい。』
その時ポリポリとスナック菓子を食べている音がした。
こいつ…まともに謝ってねぇ…
おい、クソ女神。菓子食ってんじゃねぇよ。
それが人に謝る態度か?
『な、何よ。それに人じゃなくて小魚じゃない!』
あ?人に転生するはずがどこかのクソ女神のせいでこうなったんだが?
それと、何回も言ってっけど、菓子食ってんじゃねぇよ。
『わ、私じゃないわよ? 他の神よ。他の神。』
【神の声】って神が喋ってるから【神の声】って言ってるんだろ? 現に菓子食ってるの聞こえたし。
それにさっき、他の神から隠れて〜って言ってたとこから周りは誰もいねぇんだろ?
『くっ(鋭いわね…)そんなこボゲェ!?』
ん? どうしたんだ?殴られたのか?
『へ〜、そうだったんだね? リリシアちゃん? 』
***
『グスッ、うっ、痛いよぉ〜』
よほど痛かったのか、女神は泣いているようだった。
『君が小魚くんか〜まさか間違いだったなんてね〜』
お前は誰だ?
『僕は愛を司る神、セフリーラだよ〜』
なんだと……
か、神さまでしたか。生意気なこと言ってすいません…
『いや、いいよ〜ところでリリシアちゃん? 小魚くんにごめんなさいは? 』
『グスッ、ごめんな、グスッ、さい…』
女神は意外にも簡単に謝った。ほんとに痛かったんだな……
『君が小魚くんか〜面白いね〜』
あの…
『ん?どうしたの?』
小魚くんって呼ぶのはやめてくれませんか?
『でも君名前ないよね。うーん…そうだ!僕がつけてあげるよ!』
「『え? 』」
ていうか今頃女神出てきたな…
『何よ!?』
冗談だ冗談。
ていうかまz…ほんとですか? お願いします。
『敬語使わなくていいよ〜』
わかりま……わかった。これでいいか?
『うん! ところで名前だけど…うーん…コアラなんてどうだい?』
コアラか…おい【神の声】コアラってなんだ?
『解、地球にいるコアラのようなものです。』
答えてくれたのは、機械的な声だった。
うーん…別のがいいな…
『嫌だっ「嫌だ」』
『っちょ、かぶせてこないでよ!?』
悪い悪い。まあ別のがいいな。
『そう? うーん…ぽ○ょ!』
あ?
『あ、あはは、冗談だよ〜(怒らせたら死ぬ…)』
そうか。本気だったら呪い殺してたわ。
『ひっ、そ、そんなわけないじゃないか〜あはは。
……うーん…ユーリなんてどうだい? この世界の意味で愛を意味してるんだ。僕の愛からとって見たけど…』
ユーリかいい名前だ
ーー名前を【なし】から【ユーリ】に変更しますか? Y,Nーー
もちろんYesだ。
ーー名前を変更しました。なお、もう名前は変更することができません。ーー
ーー神から名前をもらったことにより〈称号〉【セフリーラの加護】を獲得しました。ーー
なんだ…これ……
***
加護? セフリーラ? なにこれ?
『あ〜それね。神から名前をもらったり、認めることでその神の【加護】が与えられるんだよ。
僕の場合、気性の荒い魔物以外だったら、信頼されやすくなるんだよ。』
なるほど、強いな。食べ物がない時でも、もらえるかもだし。
ちなみに女神…リリシアはどうなんだ?
『え? あたし? あたしは魔法を司る神、リリシア。加護は保有者に【魔法創造】を与えるわ。』
結構強いな…
『リリシアちゃん。迷惑かけたんだし、お詫びに【加護】あげたら? 』
『えっ? でも……』
『ね? 』
なんかセフリーラってこわいな…
『ん? 何か言った? ユーリ。』
嫌なんでもないです。
『うう…わかったわよ…』
ーー神から【リリシアの加護】を授かりました。ーー
『特別なんだからね。ありがたく思いなさい! 』
早速使ってみるか。【魔法創造】!
ーーMPが足りません。ーー
なん、だと…
『MP1000にならないと使えないわよ? 』
くそっ、はかったなリリシア〜
『まあまあ、加護のおかげでレベルアップ毎に10増えるから…』
そうなのか、ならいつかできるな。
『それにリリシアちゃん、わざわざ【吸い込む】って言うスキル渡してたし…
簡単にレベルアップできるよ! 』
ん? 他の小魚にもあったぞ?
『『え? 』』
***
『まさか、広範囲にしてしまうなんて…』
どうやら俺だけに渡すはずだったのに、近くの小魚にも渡されてたようだ。
しょうがないなぁ〜俺が駆除してくる。
『ほんと!? ありがとう!』
リリシアが喜んで言っている
けどなんでいけないんだ?
大してやばく…
『あれレベル10にしたら一瞬で吸い込むの。国も人もお腹いっぱいになるまで…』
え? やばいやつだわこれ…
しょうがない…行ってくるか……
俺はヒレを動かして、他の小魚を探しに行った
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今回は長めにできました!
嬉しいです!