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無線局業務日誌。8

町から自動貨車で乗りつけたおじさんたちは。

懸命に火を消している。

磯貝さんの話では”機体の燃料が引火して燃えている”と言う話。

放送局は窓ガラスが割れて破片が壁に当たり傷が付いてる。

でも、そんなに損傷が無いみたい。

針金が切れて垂れ下がっている。

電信柱が燃えている。

電波兵器は破片を受けたが問題が無いみたい。音がうるさく成ってるけど…。いいの?

磯貝さんが歩いて来た。

将校さんは破片を受けて怪我をしている。

女学校時代に挺身教育で応急手当を教えて貰ったのが発揮できた。

本番で傷口を消毒して止血、包帯で結ぶ事ができた。

やった!!

「大尉、商業電源と電信電話の支柱がやられて電気の供給が出来ません。現在、非常用電池に切り替え済み。あと…。空中線の一部が切れて送信が出来ません。アンカーは無事です。」

「復旧にどれだけ掛る?」

「あ~、人足が在れば。かなり簡単に出来ます。但し電信電話の復旧は後回しです。軍用電話は仮設線なので損傷はありません。」

頭を掻きながら話す磯貝さん。

かなり…。困ってる?

「つまり、頑張れば何とか明日放送できるんだな?」

大きく息を吸い込み吐き出しながら答える磯貝さん。

「まあ。但し。知りませんよ?逓信局に怒られても。」

「大丈夫だそうなったら自分も一緒に怒られるよ。」



朝、出勤すると廊下のガラスの破片が全て片付けられていておじさんたちが床に転がっていた。

「ああ、クララちゃん、今日は時間通りに放送開始するから、でも、ぼかーちょっと其れまで寝るから。後のコトよろしく。」

磯貝さんは眠たそうだ。

「は、はい、お疲れ様でした!!」

包帯を巻いた将校さんと元気な局長さん。

局長さんは何故か強気。

まあ、おじさん達を呼んだのも働かせたのも局長さんの骨折りの賜物なのです。

「今日は、”華の歌姫”で行きましょう!!どうせ原稿も無いんです。もう一挙に全話!!通しで!!」

「いや、しかし、機器の調子を確認しないと。」

「今日一日機器の修理修繕で時間が取られるんです。蓄音機の操作ぐらい。ぼくでもできます。イソガイくんは機械の方を見てもらうコトにしましょうよ!蓄音機はぼくに任せて。」

「あ?ああ、そうだな。」

今日は、ずっと蓄音機の曲を流し続けるコトになった。

いいのかなあ…。

鼻歌を歌いながら円盤を並べる局長さん。

外には工兵の人たちが来た。

修繕と防衛強化を行なうらしい。

磯貝さんが指揮を取っている。

偉い人みたい。


時間が来て局長が操作する送信ランプに注目する。

マイクスイッチON。

「こちらは、I4MVE、イズヤ帝国軍、戦時臨時放送局です。試験放送を開始します。今日は。オペラ”華の歌姫”を一挙続けて放送します。では、時間までお楽しみ下さい。」




「入感あり、受信感度良好…。偏差無し!!」

「なに!!どういうコトだ!!」

甲板上で測定器を操作する兵に叫ぶ。

コレではあの兵器は全くの役立たずになってしまう。

『~♪~♪』

「ほう、コレは華の歌姫か…。イイねえ。」

「艦長これは放送禁止曲だ!!」

肩を竦めるが鼻歌を止めない艦長。

「よし!戦果確認完了!!最上甲板員へ通達、艦内へ。潜望鏡深度。進路、西へ、母港に帰る(マインゴーホーム)。」

「艦長!」

「まあ、アレです、中尉殿。歌姫を泣き止ませるには玩具ではダメなんです。愛しい人を待つ心にはね…。」


(´・ω・`)ゞ(ビシッ)こにゃにゃちは、王石です。

今回のお題目は難産でした。

だって、プロパガンダ。

ウキウキな名前ですが。

宣伝、つまり”文系の園”

初めは昭和初期の日本で軍国主義に邁進する地方新聞メディアが広告料目的で主人公がイロイロなキャッチコピーを考えるが宣伝部長にダメ出しされてドンドン可笑しな新聞広告になる話を思いつきました。

”突撃石鹸!!○○社”とか、”電撃攻略!岡持ち配達。うなぎの○安”とか、”うちてしやまむ。うどんの国安!!振るう出刃!!”など考えました。

なお、今の世の中は新聞記事で広告をやっているので笑えません。

オチは、終戦になって新聞紙がGHQ指令で様変わり。

主人公には”明るい未来”や”平和”、”家庭に鯵の元”の広告が奇妙なモノに見え。

”慰問袋に鯵の元”と呟いて終わるオチでした。


書けなかった理由は、当時の新聞広告を調べるのがクソ面倒、話を間違えると映画”笑いの大学”になってしまう。

なんと言っても新聞社は文系の殿堂…。

(´;ω;`)はい、無理ですね。


次に考えたのは二世のスジャータ嬢が母親の母国語でラジヲのプロパガンダ放送を行ないます…。

ラジヲ局の情報将校(主人公)が内容を考えますが。

原稿が全て淫語で恥らうスジャータ嬢を”国家の為”とか言ってムリヤリ強制します。

マイクの前で恥らうスジャータ嬢の声を楽しむ前線の兵達。

勿論怒った敵の潜水艦、女性艦長が”えっちなのはいけないと思います。”の理論で7.5cm砲を夜間に無線局に打ち込みます。

でも、負けない情報将校は、苦難に打ち勝ち。

敵国の少年少女達は淫語を日常会話に使うのでした…。


(´;ω;`)はい。ギャグですね。スーパーセクシャルハラスメントです。

作者の淫語録の引き出しが無いのが解かったので止めました。(タイトルと潜水艦と政治将校だけ生きのこってます。)


(´・ω・`)なお。細かいこと言うと。

>過変調ギミになるからザジズゼゾに雑音ノイズ

はい、FMステレオ放送の性質です。たぶん、1920年代ではAMのはづです。あまり起きません。

>「あ~兵器としては頼りないですね。20kgの破片爆弾に推進と発電の発動機、二つの受信機にアンテナ、差動アナログ計算機。目標に…。いや、電波の発信源に向かって。真直ぐ進んで一番強い所でぐるぐる回ってタイマーで爆弾を落すか、燃料切れで落ちてタイマーで爆発。」

はい、計算したらイロイロ無理でした。でもファンタジーで良いよね?

この兵器の元はイスラエルが開発して中華人民解放軍が使っている兵器が元ネタです。(IAIハーピー)

元はレーダーサイト破壊兵器です。センチ波、ミリ波しか使えません。

なお、登場する”電波兵器”もメーター波の送信ではたぶん上手く行きません。

~短波までで、真面目に作ると大きさが十数m~数十m単位になります。それ以下だと効率が悪いのです。

でも出力100wぐらいなら4kmぐらいは行けるんじゃね?

(´;ω;`)こまけえことは良いんだョの精神でお願いします。(作者はセンチ~マイクロ波しか触ってないので良くわかりません。)



兵器図鑑:誘導爆弾。


セルー人民共和国の新型兵器。


50ccの船舶無線用発電機エンジンを流用した無線飛行機。(と言っておきながら新開発。ノイズの発生源の点火プラグ=>ヒータープラグ化する為。)

セルー人民解放軍の技術将校が趣味で本気で作った力作。

複葉機で高翼機。(下の補助翼は翼形燃料タンク。)

胴体。 :エンジン、発電機、受信機×2、制御回路。サーボモータ。水平器、懸架装置(20Kgまで搭載可能)

主翼。 :鉄骨、木製、布張り

補助翼 :ブリキ製、燃料タンク。


主翼と補助翼の間に左右に開いた配置でループコイルアンテナが付いている。

この受信強度を元に進路と捜索モード(首ふり)を切り替える。

目標に到達すると一旦上空通過し反転。電波発生源の上で旋回。

旋回半径が小さくなり失速墜落して爆発。


中継局は高出力だったため。距離を間違えて燃料が足りないモノが有った。(燃料火災が起きなかった。)

破片爆弾だけで鉄塔の崩壊が起き送信施設の小屋が潰された。


放送局攻撃は比較的近くから発進したため燃料が残っており火災の被害が起きた。

直撃はしなかったが破片と墜落中の一機が空中線に接触。

空中線が切れ送信不能になった。(送信機のヒューズが切れた。)

この機体が一番、施設の近くに着弾して大きな被害がでた(窓ガラスと外装の損傷)

別の一機は木製支柱(送電、電信柱)近くに墜落。

支柱が燃え、線が切れる被害がでた。




兵器図鑑:電波兵器(通称:うなぎ看板)


放送局屋上の自立型タワーに併設された兵器。

切り欠きが入った200Lドラム缶を縦に幾つか繋いで直流モータで回転させる。

中には1/4接地アンテナが入っている。

センター重心の取り方が甘いので回転時”ガラガラ”大きな音が出る。

送信機から貰って送信するので停波時、停電時は使用できない。

誘導爆弾が遠い時は早く回転させて近い時は遅く回転させると効果がある。

送信アンテナに接地板付けて廻して電波強弱を付ける力技兵器です。

磯貝さん曰く「コレなら送信機改造が必要ないので逓信局に怒られない。」

なお。資材(ドラム缶)は軍から新品が供給されたので。

造船所のオッサンは。「勿体ない…。」と言いながら切ってます。

空襲後。局長さんに将校さんが押し切られて。

看板偽装塗装になり。「うなぎの日乃出食堂。旅籠のマスヤ」が付き。

皆から「うなぎ看板」と呼ばれる様になります。


その後、一応秘密兵器なので秘匿名称になり。公式に”うなぎ看板”になった。



登場人物


主人公

棚部・リーナ・クララ。18歳。

”わたし。”

母はアンダリット王国生まれ。なので流暢で丁寧なアンダリット語が話せる。

父はイズヤ帝国の軍人。

母が元アンダリット王国の下級貴族の娘、革命で王国が崩壊した時。

イズヤ帝国に家族で亡命した。

帝都の下町で家族でカフェを経営。母は給仕をしていたが。父に見初められた。

亜麻色の髪。女学校時代は伸ばしていたが流石に軍属になった時に短くした。

軍属扱いなので若草色の婦人軍装を着ている。




磯貝さん。35歳。電波技師。

”ぼかーねえ。”

小太り。職業電波オタク(本職)。

中学卒業後。県立の技術師範学校と帝立大学を出ている。

意外にエリート。

生まれ故郷にラジヲ局が出来るので呼ばれた。

放送局の放送装置のほとんど全ての機材を作っている。

町の人の受信機を作ったり修理もする。

(初めは受信機の販売が放送局収入源でもあった。)

今は一応軍属で技術武官扱い。(准尉待遇)

漁港に家と奥さんと娘が2人居る。

徹夜の時は奥さんが着替えとお弁当を持ってきてくれる。





アナウンサーのさくらさん、女。62歳。持病の腰痛で休業中。

”私。”

(´;ω;`)はい。出てきませんでした。




局長。カイゼル髭。蝶ネクタイ。

脚本も書く。

学生時は舞台演劇にのめり込む、舞台脚本家崩れ。悲恋話好き

一応、漁港では名士のオッサン。

口癖”え?ぼくかい?””おいおいおいたのむよ。”



将校さん。

陸軍情報課大尉。

情報分析と検閲が仕事。

航行する軍艦、徴用船舶。セルー内の反共産団体と連絡をとる為、放送所の指揮を任されている。

”自分”



I4MVE、陸軍戦時臨時放送局 元は地方放送局。100w送信。

陸軍の徴発を受けている。技師とスタッフはそのまま。軍属は将校さんとクララだけ。

鉄筋コンクリート作りで白い色。

屋上に自立型モノタワー(送信タワー)が付いている。

空中線は自立タワーからアンカーへ1/2波長ダイポールアンテナ。




中継局。

半島先の漁港と反対側斜面に立っている。

支持型ダブルタワー、ダイポールアンテナ。

2KW送信。

誘導爆弾でタワーの片方が破壊された。

タワー図面は磯貝さんが引いて送信機を作った。

軍が運用しているが、基本無人。


灯台守。

隠居した漁師。(55歳)

徴兵で陸軍上等兵で有った為、色々駆り出される人生。

徴兵期間(35歳まで)が終わり、退役在郷軍人扱いになるが、戦争で又駆り出される。


相方。(44歳)

退役在郷軍人。元陸軍一等兵。漁協臨時職員兼気象観測員。


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