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8-A 平和なクリスマス(閑話)



さて今回はクリスマス閑話です。

敵対関係は無視して、集まったらどうなるかと書いてあみました。

こんな平和なクリスマスがいつか来ると良いですね。

ふと見上げると漆黒の空から白い塊が無数に降ってきている。その白い塊は掌に落ちると体温を奪い、改めて冬だと実感させるのだった。

微かに積もった白い塊ーー雪は足元を気を付けさせる程、溶けて凍っていた。


そんな中、3人の男ーー青年2人と大人1人は目の前が隠れて見えないぐらいの紙袋を抱えて歩いていた。もちろん足元は見えないので、転ばないようゆっくりとだ。


町中に見える、明かりで装飾されたクリスマスツリーに金髪の青年の視線は目移りしてしまう。

疎かになった足元は当然不安定になり、足を取られてしまう。


「うわっ」


と言う悲鳴と共に金髪の青年の体勢は崩れ、後ろに倒れるーー


「おっと、余所見はいかんぞ」


完全に体勢が崩れる直前、隣に居た長身の金髪の大人は金髪の青年の背中に腕を回し、支える。


何とか堪えた青年は大人にお礼を言う。


「ありがとうございます、ルーカスさん」


ルーカスと呼ばれた男はニヤリと笑う。


「いいか、ユーリ。余所見はアンジェリカの前ではしちゃいけないぞ?」


まるで親子のような会話に黒髪の青年はフフッと笑ってしまう。


「これじゃ親子みたいですね。差し詰め、私はユーリの友達でしょうか?」


皮肉交じりの微笑みにルーカスはわざとらしく肩をすくめる。


「おや、ラインも私の子供では無いのか? ……そうか、お父さんは悲しいなあ」

「いつから私のお父さんに成ったんですか」


とラインの冷静なツッコミに3人は楽しく笑う。


次は足元に気を付けながら歩き続けると家が見えて来る。だがその家前には沢山の丸い雪の塊ーー雪だるまが存在していた。家を出る時には無かったはずだ。

雪だるまの軍団の影には犯人の3人が未だ作業していた。

堪らず、ラインが声を張り上げる。


「グレン!! これはどういう事だ!?」


グレンと呼ばれた赤髪の青年はビクリと体を震わせ、雪だるまの影からラインの様子を伺う。


「お、ライン帰って来たのか。いや、これは遊びでな……」

「遊びにも限度が有るだろうが!!」


家の目の前には50体以上の雪だるまが所狭しと並んでいる。いきなり夜にこの状況に出会ったら恐怖を覚えるのは仕方ない事だろう。


溜息を付くルーカスとユーリに金髪の男と藍色の髪の青年は弁明する。


「ルーカス、これは筋トレの一環で……」

「ライル、お前が唯一の大人なんだから止めなきゃならんだろうが……」


正論に肩を落とすライル。


「ユーリ、これは遊んでたんじゃなくてな。えーと……」

「はいはい、遊んでたんでしょ、 ランス?」


最早隠しようの無い事実に言葉を失うランス。


3人が反省していると玄関が空いて

、中から黒髪を左右に分けた男ーーサイオンが出てくる。


「お、3人共帰って来たか。……ほれ、遊んでた奴ら、手伝え」


サイオンの鋭い視線に遊んでた3人はとぼとぼと家に入って行く。サイオンには素直に従う様子にライン達3人は肩を竦める。


家の中に入ると中は暖かく、むしろ熱いぐらいだ。

コートを脱ごうとするとドタバタと人が正面からやって来る。

先にやってきたのはアンジェリカ。その後ろにはアイリーンが。


「ユーリさん、荷物受け取りますね!!」

「ルーカスさん、コート受け取りますよ」


とそれぞれ出迎えてくれる人が居ることにラインは妬む。


(チクショウ、こいつらはリア充か……)


改めて格の違いに女々しく泣いているとティナが飛んでくる。


(ーーっ!? とうとう俺にも!?)


と感動していると、ティナが目の前で止まる。


「た、ただいま」

「お、待ってたのよ。じゃあ貰うわよ」


と手元の荷物をひったくられ、さっさと台所に戻るティナ。


必要な物があったから来たという事実にラインは膝を付いて、四つん這いになる。


「チクショウ……」


と呟いたのはユーリ達の歓談に消えるのであった。






-----


リビングに戻るとサイオンに飾り付けの為にこき使われているライル、グレン、ランスが居た。

一方クリフは優雅に暖かい紅茶で休んで居た。


飾り付けは白い綿とテープによる壁への装飾とクリスマスツリーを豆電球での飾り付けした物の準備をしていた。


「へえ……本格的じゃないか」


と思わず感嘆の声が漏れてしまう。

後はサンタだけだなと思っているとガラガラと台車を引く音が後ろから聞こえる。


後ろを振り返ると台車を引いたマナンがやって来る。その台車の上には沢山の料理があった。


「ご飯出来たよ。ライン、ありがとね。買い出し助かったよ」


と微笑むマナンにラインは感動する。


(くぅーーマナンはほんと良い奴だよ!!)


マナンの感謝の言葉に癒やされたラインは料理の配膳を手伝う。

台車の上の料理の皿に触れた時、誰かの手と重なる。


「あ、すまん」


謝罪し、見上げるとユーリだった。


「いやいや、遅れてごめんな」


申し訳なさそうな表情で手伝い始めるユーリ。更にその後やって来たルーカスも加わる。


配膳が終わった頃にユーリはふと疑問に思った事を口にした。


「なあ、これってマナンが作ったのか?」


料理を指さしてマナンに視線を向けるユーリ。

するとマナンは頷く。


「うん、これは僕とティナで作ったよ。ティナは盛り付けのみだけど」


苦笑いするマナンに一同は苦笑いするしかない。

男……いや、この家の中では最高の女子力を発揮するマナンに。

頑張れ女子!!


と内心応援しているとクリスマスソングがどこからか聞こえて来る。

一同がキョロキョロと探しているとーー


「メリークリスマス♪」



目の前にサンタ服を着た女性陣が現れる。

白い袋を肩に背負ったミニスカサンタだ。


アンジェリカのまだ幼い肢体から伸びる白い脚は張りのある健康的な脚だった。まだ成長過程の彼女の将来が楽しみだ。


一方アイリーンはやはり完成されたモデル体型の長い脚は程よい筋肉によって引き締まり、大人の魅力は一同の視線を釘付けにさせていた。


そしてティナの意外な事に余り日焼けしてない脚はそこそこの筋肉に包まれ、何とも健康的な脚だった。蹴られたらひとたまりも無い。


三者三様のミニスカサンタだったが勝敗は明らかに見えていた。

大人の女性強し。

他の2人が哀れだが、まあ相手が悪すぎた。


一向に自分の事を見てくれないユーリとラインにそれぞれ抗議に行く。


そんな中、上手く行った2人はイチャイチャしていた。


「ルーカスさん、これおばさんにはきついですかね?」


自分の事をおばさん扱いするアイリーンにルーカスはツッコミを入れる。


「おい、お前がおばさんなら俺はジジイだぞ。まだ若いんだからな!!」


否定してくれた事に頬を緩ませるアイリーン。

確かに十代から見た二十代はおばさn……ゲフンゲフン

価値観何ぞ、その人の置かれた状況で変わるから何とも言えないのだ。


脚を踏まれて抗議されるラインと涙目でしがみつかれるユーリの必死な様子にルーカスとアイリーンはお互いに微笑み合うのだった。




次話は1/13です。

正月閑話を投稿しようと思います。

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