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4-3 試験の結果

今日は間に合いました♪(ホントはもう少し書きたかったけど間に合わない)

なので区切りの良い所で切りました。


改稿もしたいし、小説の勉強もしたいなあ~


その内休み頂くかもしれません。


9/27改稿

 マナンの指は引き金を引こうとしていたーー


 ーーが、ラインの声によって動きが止まる。


「マナン!! お前は良いのか!? この試験のーー言いなりになってもよぉ!!」


「試験の言いなり!?」


 マナンは動きを完全に止め、ラインの次の言葉を待つ。


 ラインはチラッとマナンの動きを確認して、続きを話す。


「まず、この試験の合格条件が可笑しいと思わないか?」

「……確かに」


 試験とはもちろん選別する為に行う物だが、問題の内容が可笑しかったりすると問題になるのは良くある事だ。


「いくら非公式の試験だと言っても、殺人をしろ。それにもし今までこのような試験をして死人が出て来なかったのは可笑しいだろう」


 仮に政府が情報統制しても人の口には戸が立てられない。そんな中こんなに多くの人が受験しているのだ。


「だから俺はこの試験ーー」


 そこまで言いかけた時、ブザーが鳴り、試験終了を知らせる。


 二人の間を何とも言えない雰囲気が漂う。


 そして二人共、力尽きたように膝を付く。


「ああ……僕はもう死ぬんだ……」


 マナンは顔を手で覆い、泣き出す。


 ラインのマナンの様子を見て少し不安になるが、自分の考えを信じ、待つ。


 俺の考えは正しいはずだ……必ずこれが正解なはずだ!!






 -----


 しばらくするとドアが開き、兵士が二人に部屋を出るように促す。

 二人は大人しく着いて行く。


 そして広いホールに到着する。そこには沢山の人が不安な顔で待機していた。最初は何百人も居たが、此処にいるのは百人ぐらいだろうか。


 空いている所を見つけ、二人は座る。

 ライン達が最後の方だったのか、ライン達が座るとゴリラのような軍人が話し始める。


「試験は終了した。此処にいるお前達は合格条件に反し、制限時間越えた者、試験中に銃を機材やドアに向け乱射した者達だ。もはや試験は破棄したと見なしてもいいな?」


 その質問に誰もが俯き、無言で答える。


「ふむ、無言は肯定と受け取ろう。ならばーー」


 軍人は手を挙げ、兵士に指示を出す。


 皆は目を瞑り、死が訪れるのを待つーー


 ーーが何時までも待っても死は訪れない。


 恐る恐る目を開けるとそこには紙を持った兵士達が居た。


 そんなビクビクとした様子に軍人は笑い出す。


「ククク……お前らは死ぬと思ったのか? まさかのその逆だ。お前らが合格だ」


 その言葉に誰もが目を見開く。もちろんラインもそうだ。


 まさか死ぬ事が無いではなく、合格とはな……まったく軍人さんも(いき) な事するな……


 とラインはクスリと笑う。


 笑ったのと同時にふといろいろ疑問が出てくる。その疑問には軍人が答えてくれた。


「さて、いろいろ疑問が有るだろう。一つずつ解説してやろう。


 一つ目、ドアに鍵を掛けた事。

 これは二人だけ、相手の出方次第という極限状態を作る為。


 二つ目、銃は本物だが中身は空砲。撃った時点で失格。壁やモニターなどに撃った者は合格。


 三つ目、モニターで流れた残酷な映像は合成。実際には誰も傷付いて無いし、死んでもいない。傷付けようとした者は逮捕。


 以上が今回の試験の概要だ。

 要するに此処に残ってるのは理不尽な命令には従わない連中ばかりという事だ」


 最初、皆はポカンとしていたが理解出来たのか次第にざわついて来る。


 ラインはしてやられたなあ……と苦笑いしていたが、マナンは喜びの余り泣き出す。


「良かったよぉぉ~~!!」


 顔を伏せて泣き出すが、ふと顔を上げ、顔をしかめる。


「ん? どうした?」


 とラインが尋ねるとマナンが謝って来た。


「ごめんなさい!! 僕は未遂だとしても君を殺そうしたんだ……」


 マナンは申しわけなさすぎてラインの顔が見れなかった。


 そんなマナンに対し、ラインはあっけらかんとしていた。


「ああ、その事か。あれは正直仕方のない事だしね。この試験を出すエルス国が悪い」


 ラインは少し大袈裟に頬を膨らませて怒ってみる。


 するとそれが変だったのかマナンは笑いだす。


「ククク……ライン可笑しいよ……ふふ、ラインありがとう」


 何とも穏やかな笑顔だった。


 それを見てラインは


 コイツ、笑えば良い顔するじゃねえか……


 と思った。







 -----


 説明が終わり、入学手続き書類を記入したライン達は寮に向かっていた。


 アカデミーは全寮制で外から通う事は許されてない。アカデミー生はエルス国の技術、魔法、戦闘術を一身に受ける身であるから、休日に外出するぐらいしか許されてない。


 基本は二人一部屋。ルームメイトは試験の時の二人。上手く男女ペアにならないようになっていた。


 寮に向かう道は木で少し薄暗い。

 そこをライン達が歩いていると目の前にどっかで見た三人が現れる。


「うん? どこかであったかな?」


 ラインはすっとぼけて、スルーしようとする。

 マナンは怯えて、ラインの後ろに隠れる始末だ。


 すると茶髪の頭ツンツンがラインの胸ぐらを掴む。


「お前……馬鹿にしてんのか?」


 茶髪の頭ツンツンは無視されて苛ついているようだ。

 ラインはキッと睨むが、間に金髪のサラサラ頭が入る。


「止せ。コイツは田舎もんで頭が悪いんだ。覚えてる訳ないだろ」


 フフンと金髪野郎が上から目線で見下してくる。


 流石にこれには頭に来たライン。


 胸ぐらでも掴もうとしたラインだったがーー


「何をやってる?」


 という声に思いとどまる。


 五人がそちらを向くと、そこには凛々しい、まさに美男子が居た。


 オレンジ色の短い髪を少し流したイケメンにはキラキラと星が付くのでは無いかと疑うぐらいだ。


 ふと服装に目が行くと軍服を着ていて胸には三年生ーー最上級生の校章があった。


 ラインは慌てて頭を下げるが、他の四人はポカンとラインを見る。


 するとイケメンは笑ってラインに頭を上げるよう促す。


「ふふ……まだ君たちはアカデミー生では無いから、僕はまだ先輩では無いよ。だから畏まる必要は無いよ。

 それにしても君は僕がアカデミー三年生と良く分かったね。まだ初日なのに」


 イケメンは面白そうにラインに尋ねる。


 ラインははっきりと答える。


「さっき貰ったパンフレットに書いて有りました。まだチラッとしか読んでませんが」


 するとイケメンは大きく笑いだす。


「アッハッハッハッハッ……これはこれは……まさかあの人の説明中に読んでいたとは……度胸有るなあ」


 ラインにとってはあの人というのは分からない。だが褒められているみたいなので悪い気はしない。


「さてさて、もう落ち着いたかな? 寮に行きたまえ」


 寮に入るように手をフリフリと振り促す。


 三人はライン達に舌打ちしながら、寮に入って行く。


 それを見送るとイケメンはライン達に振り返る。


「災難だったね。手伝いたいところだけど、これは当事者で解決しなければ遺恨が残ってしまう。じゃ、頑張って」


 イケメンはラインの肩に手を置き、去って行く。


「あの、お名前をお教え頂けませんか?」


 するとイケメンは振り返らず、


「エレット」


 とだけ言い去って行く。


 エレットを見送った二人はポツリと感想を呟く。


「イケメンだったね」

「ああ。アイドルでもやってたんじゃねえか?」


 二人に差し込む夕日が、激動の1日の終わりを告げていた。







 -----


 寮に入ると、直ぐ目の前に食堂。

 食堂を左に行くと大浴場やトイレ。右は階段があり、二階に長い廊下と左右に部屋が沢山ある。


 貰った部屋の鍵と部屋番号を見比べながら歩く。


「203……204……えっと209はもう少し先か」


 ライン達は少し駆け足で209に向かう。


「あった209だ」


 鍵を使い、中に入る。


 すると中からテレビの音が聞こえる。


 マナンと顔を見合わせる。


 あれ? 鍵が掛かってるのに何でテレビが点いてるんだ?


 恐る恐る覗くとテレビの前の机の上のせんべいを食べながら、テレビを見て爆笑している男ーー赤い髪をオールバックにしたーーがライン達に気づいたのか顔をチラッと向けたが、テレビに視線を戻す。


 ラインは最初、驚きと困惑が入り混じっていたが今は怒りに満ちていた。


 ラインは男に向かい飛び出す。

 渾身の力を込め、横面に右ストレートを繰り出す。


 だが男は見もせず後ろに飛び退いて避ける。


 ラインはよけられるとは思ってなく、急な転回は出来ない。


「へえ、良いパンチじゃん。まともに当たったら痛いだろうなあー」


 と男はヘラヘラとちゃらけながらラインを誉める。


 だがラインは皮肉にしか聞こえない。


「クソッ!!」


 なんとか体勢を整えたラインは回し蹴りを放つが男に容易に止められる。


「無駄無駄。……ん? どこかでこの回し蹴り見たこと有るような……」


 男はまじまじとラインの顔を覗く。ラインは抵抗するが足はガッチリとホールドされ動かない。


 男はハッとして尋ねてくる。


「……その黒髪、回し蹴り……まさかお前ライン……か?」


 何故……俺の名前を!?


 とラインの驚いた顔を見て不敵に笑う男だった。


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