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2-6 変革の始まり

今回は短めです。

次話から新章に入るので。


次章からは地球連合軍と火星独立軍の戦いは地上に移ります。


慣れない地上戦と更に戦力を集める地球連合軍に対し、火星独立軍はどうなるのか?


更に盛り上がって行きます( ´艸`)


9/20改稿

 -地球連合軍本部 ルーカスサイド-


 地球連合軍本部は北米大陸、ニューヨーク郊外にある。

 敷地のほとんどが埋め立て地である。そこにはたくさんの建物や滑走路。もはや、そこには大きな島が存在していた。


 本部から少し離れた陸地。

 秘密の抜け道ーー隠し滑走路があるという場所があった。


 そこから飛び立とうとする飛行機を落とした男ーーライル。

 ルーカスはライルを見た時、嬉しさのあまり身体が震えた。


 ルーカスとライルはおもっいきりハグする。優しいハグでは無く2人共力強くである。


 だが先に音を上げるのはルーカスだった。


「ぐ……あ……タンマ……」


 ルーカスはギブアップとバンバンとライルの背中を叩く。

 ライルはニヤニヤとしながら身体を離す。


「また、最近なまってるなぁ?」

「いててて……最近は事務仕事ばかりで運動してない。そういうお前はパトロールか?」

「ああ、世界中をパトロールして来たぜ。全く騒がしいと思ったら戦争とクーデターかよ。だからあんなに治安が悪くなって来ているのか」

「そうか……このまま戦争が続くとあちらこちらで反乱が起きるかもしれんな」


 ふとルーカスがアイリーンを見ると、アイリーンはまだ警戒を解いてなかった。いや、アイリーンだけでは無くルーカス以外の全員が。


 ルーカスは慌てて全員に説明する。


「皆、紹介する。俺の軍人学校同期のライルだ。ライルは信頼出来る。卒業後不正をしてた上官を殴り、退職して、世界中を回って悪人達を懲らしめていたんだ」


 その説明に全員は納得ーーいや、アイリーンだけはまだ警戒していた。


「確かに信頼出来そうな方ですが、敵の敵が味方だという証拠が有りません。それに生き残りの可能性も否定出来ません」

「アイリーン!!」


 アイリーンに怒ろうとするルーカスをライルは遮る。


「いや、確かに嬢ちゃんの言う通りだ。確かに俺がルーカスの味方だとという証拠は無い。俺が生き残りなら危険だろう。なら証明しようじゃないか。軍人なら拳でな?」

「嬢ちゃんじゃ有りません!! 私はアイリーン。良いでしょう、拳で分かりあいましょう!!」


 2人は剣を抜く。

 ルーカスは止めようとするが、ライルに睨まれて諦める。


 先に動いたのはアイリーンだ。


「一刀一閃!!」


 叫びながら、剣を振り切る。

 先ほど撃った技である。三日月の形をして、高速で飛んで行く。


 それを見たライルは魔力を込めた剣で受け止める。

 そして、左に弾く。

 弾かれた技は壁に当たり、大きな穴を空ける。


 技をいなしたライルは微笑む。


「へえ、アイリーンだっけ? やるじゃないか。流石はルーカスの嫁」


 ルーカスの嫁という言葉を聞いたアイリーンは茹でダコのように真っ赤になり、必死に否定する。


「よ、嫁!? ーー嫁じゃないです!! 私は副官です!! それ以上でもそれ以下でも有りません!!」


 それを聞いたルーカスはわざとらしく落ち込む。


「マジかぁ……結構仲良いと思ってたんだけどなあ……ただの上司と部下かあ」


 ルーカスはため息を付く。

 それを見たアイリーンは慌てフォローする。


「あっ……別に仲悪いとかでは無くてですね、特別な関係では無いと言いたかっただけで、あのっーー」


 そんなよそ見をしているアイリーンにライルは攻撃を仕掛ける。


「おいおい、よそ見してて大丈夫かぁ? 余裕なら良いんだけど?」


 次々と剣によるラッシュを掛ける。

 アイリーンは我に返り、防戦する。


 アイリーンの方が不利になる。

 それは不意打ちのせい……では無く、力量の差であった。

 アイリーンも剣を交えている間にだんだん察し始めていく。


 この男はまだ本気を出していない……なのにこの力量……勝てない……でも!!


 アイリーンは大きく跳び去り、距離を取る。

 ライルはあえて追撃しない。


「来いよ。お前の思いをぶちまけろ!!」


 ライルは左手で手招きする。

 そんな余裕な様子に少しイラッと来るアイリーンだったが、チャンスを与えてくれたライルに感謝する。


「ならば、全力で参る!!」


 もはやこの時点まででアイリーンには分かっていた。

 ライルが敵では無い事を。


 敵で有るならば、わざわざ待ちはしない。

 それにこれだけの技量があれば、全員を同時に相手しても勝てるだろう。


 もはやライルが味方なのは明白だ。

 ならば、と。アイリーンはこの戦いを楽しむ事に決めた。


 アイリーンは剣を納める。

 そして腰を落とし、居合いの構えをする。


 2人の間には少しの静寂が訪れる……


 昔から強者同士の戦いは『静』と『動』がはっきりしていると言われている。『静』の間に敵の動きを予想し、『動』の一瞬で勝負が決まると言われている。


 この2人も強者同士だ。一撃必殺を2人共狙っている。




 そして2人は『静』から『動』へ移るーー


 ーーアイリーンは叫びながら、一撃を放つ。


「居合い、一の太刀!!」


 アイリーンの懐から放たれた一撃ーー1の太刀は鋭く、ライルの首を狙うーー


 ライルは剣で防ぐーーがアイリーンには予想内であった。


 防がれた剣は動かさず、左手で魔力で作った剣で切り裂く。


「居合い、二の太刀!!」


 左から袈裟切りする。

 魔力で作った剣はそのまま、ライルに届ーーかなかった。


 ライルも防いだ剣を動かさずに、左手で新しい剣ーー青い剣で防いだ。


 アイリーンは眼を驚愕で大きく見開く。

 ライルは力の抜けたアイリーンの剣を軽く飛ばす。

 飛んでいった剣は地面に当たり、乾いた音を立て、地面に転がる。


 勝敗は決した。

 アイリーンの敗北である

 。

 だがアイリーンの表情は晴れていた。

 久しぶりに全力で戦い、敗れたのである。

 悔しさより、清々しさで満ちていた。


 心地よさに浸っていると、目の前に自分の剣が差し出される。

 顔を上げると、笑顔のライルが居た。


「やるじゃねえか、アイリーン。まさか俺に二本目を抜かせるとは……おめぇは強いよ。これならルーカスを預けられる」


 ライルはアイリーンの肩に手を置き、離れて行く。その足先は外だ。

 その様子にルーカスは呼び止める。


「ーーっ!? ライル? どこに行く!?」

「ん?」


 ライルは首だけ後ろ向き、 


「これから始まるんだろ? お前の戦いがよぉ。なら早速行こうじゃないか」


 ブラブラと行くライルを追いかけるルーカス達だった。


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