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非日常
強くて儚げな彼女のそばにいたかった。
彼女の握ってくれる手が凍った血まみれの世界を、不安を、溶かしてくれる。
これから向かう場所とは不似合いに、心と手は温かかった。
私は空いてる方の手に武器を持つ。
ここは85地区。危険度78。
深呼吸をして、フィールドへと進む。
そう、ここへ入ったら奴らが、観客がいる。
もはや声帯のない私は手を強く握ることで彼女に合図をする。
永遠に続く迷路をさ迷うとしても私は…
要領が悪くて無茶ばかりで一生懸命なクラスのリーダーの凪と、
世間知らずでドジで引っ込み思案で一途な彼女の友達のあざみ。
そんな二人の少女のとある非日常。
