表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オリバーと風の精霊  作者: 問真
第二章 青いタイル
31/40

第31話 風の魔法使いと海賊姫

『これ、あなたが教えたのか』


ミネは、部屋にまるで壁紙のように張り付くボタニカルなイメージの魔方陣をみせた。


『…これは、オリヴィエが?』


シッキムは目を見張った。


『私にも見えるように可視化してくれたんだ。』


『はああ…。うちのこが天才すぎてどうしよう…』


『そうだな。ノックの音だけ聞こえるようにしてほしいんだが、

本人が自分にはできないけど、ぱーぱならできると思うといってた。できるかな。』


『はいはい、ここをこうしてちょちょいのちょい。』


『さすがだな。』


『いえいえ、ところでミネ。』


『なんだ。』


『ミネは女性なのですか?』


『オリヴィエにも同じことを聞かれた。』


『え、ほんとに!』


シッキムは嬉しそうだった。


『…まあ、いい。ところで、わたしは、とある北方の国の近くで難破したことがある。』


『え、なんの自慢ですか。もてそうだけど。』


『…船が壊れて救助されたことがある。』


『ああ。』


『そのときに、ちらりと小耳に挟んだ噂なんだが、

とある貴族に素晴らしい魔法の才能を持った子供が生まれたんだ。』


『はあ』


『子供は男の双子の片割れで、白髪に金の瞳だった。

そういう特徴の子供は、どこの民族にも生まれるが

たまたまその北国では、あまりよくない認識を持たれることが多かった。

だけども、その子の家のものは、なんとかその子が生きていける道をみつけようとした。

その子の祖父は、やはり天才的な魔術師で、国の中枢を担っていたんだが、その子に英才教育を施すために、引退したんだ。

息子に家と仕事を譲ってな。

国で必要とされる人材に育てば、害されることもないと思ったんだろう。

孫は優秀で、二年で祖父の知る全ての魔術を習得したそうだ。

その中には、国をひっくり返すカギとなる魔術もいくつか含まれていたらしい。

その後、その子の祖父はクーデターに巻き込まれ他界した。

その子の家は、新しい国王に再び忠誠を誓い、存続を許された。

しかし、魔術の一つが、その子の祖父の死とともに消滅した。

残念なことに、桁外れな魔力をくうその魔法を、その子の父親は継承したが、使えなかった。

そこで、目をつけられたのが、白い髪に金の瞳のその子供だ。

うまく利用できればよし。できないなら殺してしまえ。ってな。

前国王派にも現国王派にも狙われていたそうだ。』


『それはまた気の毒な。』


『先日、その子は父親と一緒に、事故でなくなったそうだ。

万が一、その子供が生きていることでもあったら、大変な争奪戦になるだろうな。』


『ちなみに、残された家族は?』


『ああ、双子の片割れと奥方は、奥方の実家に身を寄せているらしい。たしか、国でも有数の商家の、看板娘だったはずだから、不自由はしていないだろう。

子供も幸いにして魔術の才はないらしい。』


『ちらりと挟んだわりには、なんとも深刻な噂ばなしですね。』


『そうなんだ。

まあ、どこまでほんとかわからないけどな。

長話をしてすまなかったな。

話は変わるが、オリヴィエも結構な才能があるだろう。

体を鍛えさせた方がいいぞ。』


『うちのムスメもミネのようにムキムキに…?』


『そうだ。人間が、莫大な魔力を持ち続けるのは、大変なことなんだ。器がもろいと育たないぞ。』


『ミネも魔法を使うのですか?』


『私は使えない。筋肉は趣味だ。』


『趣味、筋肉…』


『…。』












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ