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オリバーと風の精霊  作者: 問真
第二章 青いタイル
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第29話 チャーミング王子とプリスセスオブパイレーツ

イルガントの秘宝プリンスチャーミングが目の前にいた。


キラキラと輝く金髪に

エメラルドを陽にかざしたような煌めく瞳

美しい形の目を縁取る極上の金糸のような睫毛


こんなに綺麗な人が本当にこの世にいるんだ。


ミネはくいいるようにエディンをみつめた。


プリンセス・オブ・パイレーツなんて呼ばれて早10年、

様々なお見合いを破断させてきたジルガンサーの特攻隊長ミネは

実はエドワード王子のファンだった。


なんか、初対面からわずか一時間で

いろいろやらかした感はあるけど

なんていったって婚約者だ。

ちょっと想定外の方向には向いているけど大丈夫。


ミネルバは心のなかで小さくガッツポーズをした。




とにかく実践で鍛えたんだろうなという

歴戦の戦士の風格があった。

焼けた肌や意志の強そうな眼差しにいすくめられて

エディンは身が引き締まる思いだった。


強そうだな。

クラーケンなんか酒のつまみにでもしてそう。

きっと、樽みたいなコップでエールとか頭からかぶりながらのむんだろうな。


エドワードからみたミネの第一印象は


海の漢はつよそうだな


である。


ミネにとって、幸か不幸か、エディンの理想の美人はシッキムであった。


そして、間違いなく幸運なことに、ミネはエディンにトラウマを植え付け続けている猛禽女子達には、似ていなかった。




非常に精悍な見た目である

ミネの趣味の一つは


世界イケメン図鑑の製作である。


その中には、プリンスチャーミングことエドワードはもちろん


風の魔法使い、シッキムのことも


そして、先日暗殺された、ミラのウィルフレッド・パンジェンシーのことも含まれていた。


立場を利用して集められる限りのイケメンの情報を集めてきた。


西の海にイケメンがいると聞けば、疾風の如く駆け付け

イケメンの海賊がいると聞けば、海賊船に体当たりして乗り込み

北の島国にイケメンがいると聞けば、難破したふりをして救助されてみたりして


気がつけば、誰よりもイケメンについてはくわしくなっていた。


だからこそ、気がついてしまった。


オリヴィエが、ウィルフレッドの双子の片割れであることに。


そして、鎌をかけたら、大人二人が反応した。


シッキムとエディンは、正体を知った上でかくまっているのだ。


そして、これは、結構な、やばい秘密だった。


『ねぇ、ミネ』


『なんだ。』


『ミネはオリヴィエのこと知ってるの?』


『知らんよ。人違いだった。』


シッキムのように、空間を閉ざすような魔法を使えるならともかく、

不用意にしていい話ではなかった。


『そっか。オリヴィエはさ、夜にすごく泣くんだ。なんでかな。』


『さあ。子供は夜泣きするもんなんじゃないのか?よくしらないけどな。』


『そういうのなのかな。』


『さあな。』


『ミネはさ、いいの?』


『何がだ?』


『エドワード王子との結婚。』


『他人事みたいだな。あなたがエドワード王子だろう』


『そうなんだけどさ。』


『願ったり叶ったりだよ。海の上もちょっと飽きたからな。』


『おれはさ、よくわかんないんだ』


『そうか。まあ、初対面だしな。』


『ミネもドレス着たりするの?』


『必要があれば。…みたいか?』


『ううん。おれ、晩餐会とか、こわいから。』


『そうか。酒と食べ物はうまいけどな。』


『あそこにいるひとたち、怖いんだ。みんな、腕に胸とか押し付けてきてさ。

突然わざとよろめいて倒れかかってきたりするんだ。

よけるわけにいかないんだけど、とんがったアクセサリーとかつけてるし、怖いんだ。なんか、激しい匂いつけてるし、体をぴったりつけてきたり、あれ、嫌がらせなのかな。

毎回、ワインに変な汁いれて渡して来る人もいるんだ。

毒殺しようと思ってるのかな。』


『それ、飲んじゃだめだぞ。汁をいれる人のことは、報告した方がよいと思うが…。そうだな。いや、なんていうか…。』


『悪口とかさ、聞こえてくるだろう?あれも嫌なんだ。』


『ああ…あれは…そうだな。』


『遠くに、逃がしてやりたいんだ。ここじゃ、だめなんだ』


『わかった。』


『ミネは…』


『?』


『なんでもない。』


『そうか。ところで、エドワード王子はミネルバ姫との結婚は構わないのか?』


『わかんない。』


『そうか。』


『でも、ミネとは友達になれそうな気がする。』


『それは良かった。』


『あ、そういえば、ミネの部屋、じいちゃんたちが用意してたよ。荷物も運んであるって。案内しようか。お風呂もついてるいい部屋だよ。』


『それはありがたい。』


ミネは一着だけもってきたドレスの出番はどうやらなさそうだと苦笑した。







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