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第23話 風の館9
オリバーのまぶたがすっかり重くなってきた頃
精霊の老婦人は、
あら?
と顔を上げた。
遠くから、妖精達のざわめきが聞こえる。
『オウジサマ!!』
『キラキラシテルヨ!!』
『ハクバニノッタオウジサマダヨ!』
『マジイケメン!』
そこには真白い馬をひいた、エディンがいた。
まるで物語に出てくる王子様のような、美しいいでたちで。
『わー!!すげー久しぶりっ!』
妖精に囲まれながら、エディンは眩しそうに目をすがめた。
月の光か妖精自身の輝きか、
そこらじゅうが淡く光っていた。
『あらあらまあまあ、どうしましょう』
精霊の老婦人は、頬を染めてはにかんだ。
『まあまあ、随分かっこうよくお育ちになったわねぇ』
エディンはにっこり笑うと、精霊のまえにひざまついた。
みるみるとウィロウの真白い頬に赤味がさし、肌はつらつらと真珠のように輝きだした。
そして、いつのまにかエディンの前には、美しい花冠で、その艶やかな栗色の髪を飾った美しい乙女がいた。
『お久し振りです。ウィロウ様。』
その白くたおやかな手をとり、その甲にそっと口づけた。
『あらあら、まあまあ…』
ウィロウの周りに花吹雪が舞った。




