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VSエルフ

「ジークはヴァリスさんをサポートしながら、魔法で援護を!! 俺は突っ込む!!」

「ああ、わかった。だけど、無茶はするなよ!!」

「もちろん!!」



 無茶はするさ。魔法矢に関してはヴァリスさんとの特訓で慣れた。だけど、心の中の恐怖は無理やり抑えるしかない。

 だって、敵の中に突っ込んだ方が周りの被害はへるし、ジークならばそうするからだ。



「は、我らエルフの魔弓を前に正面から来るとは愚かな!!」



 敵のエルフは三人……そのうちの一人が俺に対してそれぞれの属性の矢を放つ。だけど……完全に軌道を見抜いた俺はそのまま剣ですべてを切り払う。

 


「なっ……馬鹿な? 全てを焼き払う我が灼熱の矢が!?」

「人間ごときが変幻自在の風の矢を?」

「はは、これが名高いエルフの魔弓なの? 子供のお遊戯だね!!」



 あえて、エルフのプライドが傷つくようなものをいいで挑発をしながらさらに接近すると、最後の一人から圧倒的なプレッシャーを感じる。



「人間ごときがなめるな!! 連続矢!!」



 全く同時に放たれる風の矢が左右から軌道を変えながら俺を襲う。こいつが一番の強敵のようだ。

 だけど……ヴァリスさんの方が弓の腕前は上だった。


「子供のお遊戯はきかないっていったはずだよ!!」


 俺は完全に軌道を見切って切り払うと、そのまま一番近いエルフを切り捨てる。そして、振り返ると、ジークの放った光の球と、ヴァリスさんの矢によって、残りのエルフは絶命していた。



「すごいわね……まさか、三体のエルフの矢をかいくぐって接近するなんて……」

「そりゃあ、元とはいえ勇者だからね。それよりも同族だけど大丈夫? きつかったらここさきは俺たちだけでいくけど」

「うふふ、あなたは本当に優しいのね。それとも私を口説いているのかしら?」

 


 こちらをからかうようにウインクしたあとに、彼らの死体の近くにある美しい枝でつくられた弓を拾い上げると冷たい目をしてへし折った。



「世界樹の庇護を受けておきながら、 魔族に魂をうるような連中は同族なんかじゃないわ」

「とりあえず死体は隠し通路に放り込んでおくか。こいつらがここを知っているってことはエルフの一部も裏切ったんだな。首謀者はどんなやつなんだ?」

「エルサールは私たちのいとこなの……昔はまじめな人だったんだけどね……」



 眉をひそめるヴァリスさんに俺たちは黙るしかない。俺はエルサールが裏切った理由をしっているがそれを今伝えても何の慰めにもならないだろう。



「とりあえず敵がきづかないうちに牢獄のエルフたちを助けにいこう」

「そうね、道はわかっているわ。私に任せて」

「いこうぜ、影の英雄のへの第一歩だ。まあ、影って言う割にはむちゃくちゃ目立っちゃいそうだけどな」


 ジークの軽口に頷きながら俺はついていく。




「なんだお前ら……ぎゃぁぁぁ!?」

「いや、すごっ!!」

「やっぱりエルフはやばいな……」



 牢獄の方へ向かった俺たちは目の前ではるか遠くの見張りの人間を射抜くのをみておもわず驚きの声を上げる。

 さすがはメインキャラクター……俺では三年修業しないと到達できないだろう。



「ふふん、エルフの魔弓は子供のお遊戯じゃないのよ」

「さっきのは敵を煽るためだって。本音じゃないよ」


 得意げに胸を張るヴァリスさんに苦笑する。少し根にもたれてしまった。


 そして、鉄でできた扉を蹴破ると、悪魔を模した石像の魔物……ガーゴイルと一人のエルフの青年がいた。

 そのエルフは弓をつがえておりその先端は鎖で縛られているエルフの少女に向いていた。

 いや、待って……なんでこいつがここにいるんだ?



「待っていたぞ、ヴァリスよ。やはり生きていたのだな」

「エルサール!! 人質を解放しなさい」

「おねえちゃん!!」


 ヴァリスに気づいた弓をもったエルサールと、くさりで拘束された主人公候補のアニスが声を上げる中俺は完全にぱにくっていた。


「抵抗してみろ。そうすればアニスを殺す。いくら天才とはいえ、この距離ではさけられまいよ」


 だって、エルサールは本来ならば砦の最上階にいるはずなのだ。なのになんで俺たちの行動がつつぬけであるかのように待ち伏せをされているんだ?

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