◆城から逃亡そして本来の俺
深夜二時
誰もが眠る丑三つ時、俺は装備を整えていた。手には左右それぞれ観賞用の盾を魔法で形を変えたナイフを逆手で握っている。
「さて行きますか」
そして部屋の扉を蹴破り、廊下に出る。そこに兵士が二人いたが即座に首にナイフを差し、抜くと血が吹き出し、返り血を浴びるが関係ない。すぐに俺は走りだし、裏口を目指す。
一つ目の曲がり角を曲がると大剣を振るう兵士がいたが身をかがんで避け、一気に懐に入り、頸動脈を切り裂く。そして大剣の兵士の後ろに結構な数の兵士がいた。
「《氷よ貫け(アイスジャベリン)》」
だが俺は慌てず、魔法で細長い八面体の氷を数十本作りだし、兵士を貫く。そしてまた俺は走りだす。
二つ目の曲がり角を曲がるとローブを着た男性がいた
「《火よ放て(ファイア)》」
相手は拳大の火を放つが俺は避けず、
「《水よ撃ちだせ《アクアバレット)》」
水の弾丸を撃ちだす。火と当たるが火は簡単に消え、ローブを着た男性の心臓付近に風穴を開けた。それをみた俺はまた走りだす。
最後の曲がり角を曲がると、今度は兵士ではなく斧を持った人型の岩人形通称ゴーレムが立っていた。ゴーレムは斧を振り下ろすが俺はサイドステップで避け、
「《氷よ貫け(アイスジャベリン)》」
細長い八面体の氷をゴーレムに放つ
ガキン
がゴーレムの体に弾かれる
「硬い………なら《火と風よ荒れ狂え(テンペスト)》」
そしてゴーレムの足元から火を纏った竜巻が起こり、ゴーレムを破壊していく。それをみて俺は残ったゴーレムの右腕を背負い裏口から走り抜け、森の中に消えて行ったのである。
☆☆☆☆数時間後☆☆☆
現在俺は森から走り抜け、ある湖にいる。さて
「ようやく一息つける」
だってさぁずっと追いかけてくるんだぜあいつら、バリバリ気配出して。
「しっかし血がべっとりついてるなぁ」
と俺が着ていた制服をみる。元々の黒かったのが真っ赤になっている。ちなみに今水浴び中だ。
さて体についた返り血を洗い流したし、姿を変えるか
「《水よ清めろ(クリア)》」
まずクリアで制服についた血と髪の染料を落とす。
「《土よ造りかえよ(クリエイト・改)》」
次にクリエイト・改で制服を黒のコート、黒のズボンに変える。ちなみにクリエイトは材料を使って一から物質を作り出す魔法だが術式や呪文を改良して物質を改造する魔法にした。こういう風に改良した魔法を改良魔法という。
そして俺は水浴びをやめ服を着ていく。そしてカラコンを外す。最後にポケットに入ってた急速髪成長剤(自分作)を飲み、髪を肩ぐらいに伸ばしゴムで後ろで纏める。
「さてとどんな感じかなぁ」
と湖に写った自分を見てみる。白い長髪に翡翠色の瞳に黒いコート。
「………うん。いつもの俺じゃねぇ」
だって見た目外人じゃん。しかもこの世界黒目黒髪ていないらしいし。これで城から手配書が出されても捕まらない!!
「後、武器だな」
そして俺は持ってきたゴーレムの右腕を見る。ぶっちゃけこいつを材料にするというだけで持ってきたのだ
「まずはどんな材料なんだ?《風よ調べの力を我が瞳に宿せ(サーチ・眼)」
サーチ・眼は周りの様子を調べる魔法、サーチを改良して見たものの詳細情報をサーチより詳しく調べるものだ。ちなみにこれを調べた結果は
――――――――――――名称 ゴーレムの右腕
材質 オリハルコン ミスチル
付加能力 なし
――――――――――――
………出た。オリハルコン、ミスチル。ゲームに出てくる代表的な材料だ。いい拾い物したな俺。
「さてとっとと造るか《土よ造りだせ(クリエイト)》」
そしてゴーレムの右腕は徐々に粒子になり、粒子が新たな形を作っていく。そして造り出したのは
「やっぱ日本刀でしょ」
薄い赤色の刀身、鍔は青の刀だった。ちなみに余った材料で赤色の鞘を造った。
「さて銘を何しようか………赤、あか、紅、紅歌。うん紅歌に決定だな」
さて後、魔方陣を地面に書いて紅歌と服に付加能力を付けるか
☆☆☆二時間後☆☆☆
さて服に防刃や防魔や防御力上昇など、刀には切れ味上昇、魔法吸収、耐久力上昇などを付加した俺は魚をとって焼き魚を食っていた
「はぐはぐ結構うまいなぁ」
さて食べ終わり、昼寝をしようとした矢先、
どごぉぉぉぉぉぉん!!
湖の向こうから何かが飛んできた。