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切り裂かれる狂想曲

とりあえず、気にするのはやめよう。

シトラスのおかげか、とめどない思考が切り替わる。


家に戻るか、買い物でもするか。

まあ、荷物あるし、とりあえず戻るか。


夕陽に照らされた「住宅展示場」の跡。

取り壊しが進み、今は完全に瓦礫の山だ。ひどい砂埃。


形あるものはいつか壊れる。本当にあっさりと。綺麗で新しい建築物も瓦礫となってしまえば、もう元の形には戻らない。


祇園精舎の鐘の声。


いろはにほへと ちりぬるを

わかよたれそ つねならむ

うゐのおくやま けふこえて

あさきゆめみし ゑひもせす


嫌な気分だ。終わった出来事。

必ずしもいいものばかりではない。


自宅に戻る。荷物を置く。

どうやってしまうかな。ガラスボトルはしまいにくい。


片付けながら、少しずつ相変わらずのネットサーフィン。

携帯って、便利だよね?昔なら、パソコンの前だったのが本当に片手間。


まずは、先程の「主人公」であるヴォーカリストから調べるか。今回の興味は「彼」かな。あの怪しげな美容師のおすすめ。高崎に行くかはまだしも、知りたい。ヴォーカリストのファンクラブは生きているようだ。


美容師の話を信じれば、「彼」が持つ美学上、ヴォーカリストは、もうライブをしないらしい。


いや、好きにさせてやれよ。やりたい時にやればいいだろ。心変わりなど普通にあるだろ。なんか期待し過ぎじゃない?そんなに自由がないの?なんなら、名前戻せばいいんじゃない?これ、この感じ。virtual reality、仮想現実感。さっきからの話につきまとっている「ブレ」。「顔」が見えない。


だが、まあ、せっかくだし情報収集代わりにファンクラブに入ってみるか。過去の後悔をなぞりたくないしな。このリアル感の無さの「正体」。これが「カリスマ性」なのか?


丁度、サイト委託の移行期間らしく登録サイトがいくつか跨っている。入会手続きが面倒だが仕方ない。


結構、悪戦苦闘。なんとか、入会する。手間取った。

そして、何故か登録サイトからおすすめされたのはギタリストの追加公演。おい。さっきの美容師の話だと、それはかなり「敵対関係」だろ。大体、過去の記憶からもギタリストにはやはり興味が湧かない。


7月のコンサートだった。時期的には既に次の会社か。


ヴォーカリストのファンクラブのHPではないから、ギタリストのコンサートを平然とおすすめしてくる。まあ、そりゃそうか。確かに「関係性はある」。


しかし、ツアー名がまた。

まだ夢を見る、なのか、まだ夢を見ているのか。


携帯が映し出す「無機質」な夢への「招待状」

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