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何もしなかったら、何も起こらない

誰よりも、今の職種として俺はこの会社で開発部の「仲間達」に恵まれたといえる。


だから、ずっと、そして夢を、星を探しに一緒に行きたかった。今の仕事が本当に楽しかった。そう思えたのは「仲間達」がいたから。


だが、一度しかない人生において報われない努力をする理由はない。


揺れる、天秤。

だからなのからか、な。


かの執行猶予付きとはいえ重い懲役判決くらった音楽家の経歴が酷く恐ろしかった。

充実した仕事を幸せを汚されたというか、否定された気がした。


転がり落ちるように。


かの「音楽家」が、実際に薬に手を出した時、どんな気持ちだったかは判例やら本やら読んでも、結局は本人にしかわからないだろう。


しかし、俺には薬という逃げ道がない代わりに、家族、家系、仲間、イメージという足枷とも心の拠り所ともいえる何かはなかった。だから、逃げれる。守るものはない。


俺はずっと根無草であり、どうにも根無草なことが嫌で仕方がない。何処にも居場所がない。ここにもなかった。


ただ、それだけ。だけど、また居場所がなくなる恐怖。


認められなかったことへの反発心。努力が無駄になったことの喪失感。軋む心。仲間への未練。上司達への復讐心、殺意。


いつだって、戻らない時間。


そして、戯曲は更に「お、俺にも何がなんだかわからないんだ、本当に、な、なんだってー!?」と、終幕へ進んでいく。


知ってる?

バレエでの機械人形のラストシーンはいくつかある。


バレエ版の原作では、ばらばらに破壊されてゴミ捨て場。

フランツは広場で幸せな結婚式である。


更なる原作本だと、眼をくり抜かれた機械人形はバラバラに破壊されて、青年は気が狂ったまま転落死亡である。不気味かつ救いは一切ない。完全にR18指定な本である。古典扱いでOKな理由がわからない。


まあ、その「後付け」されたいくつかの結末の中には機械人形は魂を貰えて、作成者であるコッペリウスと愛し合うが、最期は無残にもばらばらに壊されてしまう結末もある。


「何もできない無力な人形」。

「何も語らない」。

「何を考えていたのか、一切わからない」。


果たして、どのエンディングでも救いのない機械人形、Coppéliaは幸せだったと思いますか?

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