笑顔で尻尾ブンブン
すこーしだけ長めです。
「コータ見て、美味しそうな果物がいっぱいだにゃ。甘くていい匂い」と目を閉じてフンフン鼻をならす。
「確かに甘くていい匂いだな」と店の品々を見る。見たことのない物もいっぱいあるがどれもツヤツヤして美味しそうだ。
「よし、新鮮な果物を買えるのも今しかないかもしれない。いっぱい買っておこう」と言うと、両手を広げて大喜びのラング。
「ラング、そこまでにしとけよ。またキラキラーってなるぞ」と声をかけると、「そうだったにゃ」と我に返り手を下ろす。
「で、お前はどれがいいんだ?見たことのない物もいっぱいあるから、僕にはよくわかんないよ」と言うと、
「おいらはこの赤くて丸いやつと、黄色くて長いやつ、橙色の丸いのがいいにゃ。あっでも紫の粒々も美味しいにゃ・・・」と考え込む。
「この赤いのと、黄色いの、それと橙色のと紫のを10個ずつください」と店のおじさんに言う。
「そんなに買ってくれるにゃ?」
「美味しいんだろ?ココもリューもきっと気に入るさ。『お代り』って言われたときに足りないと困るだろ」と言うと
「コータ、ありがとにゃー」と大喜びのラング。
「はいよ。これでいいかい?」とおじさん。
「えーっと、あんまり見たことのない物もあるんですが、甘みが強くて美味しいのって他にどんなのがありますか?」と聞いてみる。
「そうだなぁ、と並んだ果物を見ながら考えるおじさん。痛みにくいのがいいとか、日持ちがするのがいいとかあるかい?」と聞かれたので、
(マジックバックがあるとは言えないから)「直ぐに食べるので大丈夫です」と答える。
「こんなにたくさんをかい?」と驚いたように言う。
「えーっと、従魔たちが大食いなんで」(危ない危ない・・・)
「そうか、それならこういうのはどうだい?」といくつか並べてくれる。
「こいつは『ナシ』って言って一口かじると口の中に果汁がいっぱいに広がる。水分が欲しい時にいいだろうよ。次は『イチゴ』だ今の季節なかなか手に入らないからちょっと値が張るが、一口で食べられて手軽さがいい。甘みと酸味が味わえる。後は『モモ』だな。もう季節が終わりになるので買うなら今だ。痛みやすいので早めに食べないといけないが甘みと香りがいい」と教えてくれた。
「どうする?」とラングを振り返ると両手を合わせて満面の笑顔。尻尾もブンブン回っていた。
「じゃあ、それ下さい。『イチゴ』ってどれくらいしますか?」(値が張るって言ってたから一応確認)
「そうだな、この籠一盛で銀貨1枚だ。高くてすまんがこれでも安くしてるんだ」とおじさん。
(なかなかいい値段だなぁ。でも皆で食べるのに一盛じゃ足りないよなぁ・・・)
「うーん、ちょっと高いですが美味しそうなので二盛り下さい。『ナシ』と「モモ」は10個ずつ下さい」
「あいよ。たくさん買ってくれてありがとな。ちょっと傷みが出てきてて売り物にならん物があるんだが、良かったら持っていくかい?」と聞かれる。
見せてくれたのは、黄色と言うか茶色と言うか寸胴で少しとげがあり、てっぺんに固そうな葉っぱが付いているものだった。
「こいつは『パイナップル』ってんだ。頭を切り落として横に切り、真ん中の固いところを切り落としたら食べられる。ちょっと酸っぱいかもしれんが充分熟れてるから美味いぞ」とおじさん。
ラングに「知ってる?」と聞いてみると「知らないにゃ」と食いしん坊のラングでも知らないらしい。
「ありがとうございます。食べてみます」とありがたくいただく。
「こいつらが持ってくれるので大丈夫です」(マジックバックの事は言えないからな)
結局果物屋でリンゴ・バナナ・オレンジ・ブドウ・ナシ・モモ・イチゴを買う。支払いの合計は銀貨8枚と銅貨9枚。おじさんに支払って店を後にする。
「よし、買い物はこれくらいかな。宿に戻って荷物をまとめよう」と3人に声をかける。
いろいろあってラング連れ去りをすっかり忘れているコータ。宿に帰ってちょっとした騒ぎ?に。
そんなことも知らず、良い買い物をしたとホクホク顔で宿に戻ります。
☆☆☆☆☆に
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