炙って食べよう燻製肉
「さぁ、あいつらを探さなきゃな。いったいどこに行ったんだ」と店を出て左右を見回す。少し先に人だかりが見えた。(多分あそこだよな・・・はぁ)と歩いていく。
その店はドドーンと大きな肉を吊るして売っている店だった。で、やっぱりいた。
「ココ、リュー、ここにいたのか。肉はさっきいっぱい買ったよ」と声をかけると、ブンブンと首を振る2人。
「この店は燻製肉の店じゃ。お主が買ったのは普通の肉じゃろ」とココ。
「えっ、普通の肉っちゃあ肉だけど、いろいろ買ったよ」
「ここのは香りが違う。お主も食べてみろ」
「食べてみろって・・・・」と話をしていると、僕たちのやり取りを見て店主のおばさんが、
「あんた、この従魔たちの主さんかい?あんまりじっと見てるもんで試食用のを出してあげたら、えらく喜んでねぇ。ここで待ってたら主が来るから買ってもらうんだって言って待ってたんだよ」
「すみません。お邪魔じゃなかったですか」と謝ると、
「いやいや、試食用で少しだったんだけど美味しそうに食べてくれてねぇ。その子たちの美味しそうな顔を見て買ってってくれた客もいるんだ。こっちとしても助かったよ」とおばさん。
「お勧めは何になりますか?長旅に出るところなんでいろいろ買いだめしようと思ってて」と聞いてみる。
「どこまで行くんだい?」
「スロームを出て隣のワルムンドに行こうと思ってます」
「そりゃ、長旅だねぇ。よし、ちょっと待ってな。同じものばかりだと飽きるだろうから、いろんな燻製をちょっとづつ切ってあげよう」と腕まくりをするおばさん。
吊るしてある大きな肉を小分けに切ったり、カウンターのケースの中の肉を取ってくれたりと、いくつかの包みを出してくれた。
「こっちが一角ウサギの肉。一つずつが小ぶりで燻製も控えめ、サラダなんかに入れたりサンドイッチにしてもいい。次はバイソンの肉だ。赤身の所で強めの薫香が付いている。ちょっと炙って食べると美味いよ。野宿ではろくに料理もできないだろうから、簡単で美味いのがいいだろ?後はオーク肉のベーコンと腸詰だ。焼いて美味しいのはもちろん、スープに入れてもおいしい。肉からうまみが出るから味付けは無くても十分まんぞくできるだろう」
「ありがとうございます。とっても美味しそうなので、食べるのが楽しみです」と礼を言う。
「やったー、コータ、いっぱい作ってね」「炙って食べるのが楽しみじゃのぉ」と今にも涎を垂らしそうな2人
「そうかい、そう言ってもらえると私も嬉しいねぇ」とおばさん。
ここでもおまけをしてもらい、金貨1枚と銀貨8枚を払う。
「気をつけていくんだよ」と声をかけてくれるおばさんに手を振って、ラングを探しに行く。
「甘いものって言ってたからなぁ・・・・・。でもお菓子は買ったし・・・・・」とキョロキョロ探していると、リューが「あっちにいるー」とパタパタ飛んでいく。
後を付いて行くと「そっかぁ、これも甘いものだね」とラングがいたのは果物屋さんだった。
「ラング、探したよ」と声をかけるとキラキラした目で僕を振り返った。
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