東の国の逸品
「早く買い物をしないと遅くなっちゃうよ」慌てたように言う僕に、
「おぉそうか、次は何がいいかのぉ」「えーとねー、あっちからいい匂いがするー」「まだまだ欲しいにゃ」など言いたい放題の3人。
「欲しいものは早く決めてね。もうこれ以上の騒ぎは勘弁してくれよ」と嘆き半分お願い半分で言う。
「あい分かった」「オッケー」「わかったにゃ」とそれぞれ返事をしてやっぱり散り散りにいなくなる。
(はぁ、またか・・・・)ため息をつく。本当はそのまま探しに行かなきゃならないのだろうが、そうしていると自分の買い物ができなくなる。
(どうかもめごとになりませんように・・・)と心の中でお願いごとをして手を合わせて雑貨屋に行く。
鍋や皿、大きめのスプーンに始まり石鹸や下着など何でも揃えられる雑貨屋。鍋などの食器と石鹸、下着を何セットか買う。
次は素材屋。ポーションなどに使う素材を見てみたが品質の良いのがなかなか見つからず、ハーブなど料理に使えるものをいくつか買う。
最後は食材屋。ここは腰を据えて考えなければならない。なんせ、食欲旺盛のメンバーだ。お腹が満たされないと、自分たちで狩に行きろくでもないことになるのは目に見えている。
ココと約束していたコケッコの肉とオークの肉を買う。生憎と安い部位は「この時間だと売り切れるんだ」となかったため、ちょっと奮発していい肉を買う羽目になってしまった。
高い肉しか残ってないことにため息をついていると、「坊主、切り落としや、すじ肉でよければ残ってるぞ」と肉屋の店主。
「ありがとうございます。仲間がみんな凄く良く食べるんで助かります」と追加で安い部位をあるだけ買う。
店主も売れ残り品が無くなり「こんなに買ってくれてありがとよ。商品は売れちまったからおまけはできないが、値段をまけてやる」とたくさん買って金貨3枚の所を金貨2枚と銀貨5枚に負けてくれた。
「ありがとうございます」と店主に礼を言い、次に何を買うか周りを見回す。すると一軒の店に目が留まった。
『東の国の逸品』何と書いてあるのかよくわからないが『東の』という所はなんとなくわかった。
(じいちゃんが好きな所だ)と店に並んだ品々を見る。
食べ物や服、籠などの雑貨までいろいろ揃えられそうな店だった。
(へー)と思って見ていると、「お前さん好きなのかい?」と優しそうなおばあちゃんに声をかけられた
「すみません。この辺りじゃあまり見ないなと思って。僕のおじいちゃんが好きだったんです」と返事をする。
「ほぉ、お前さんのおじいさんが・・。何かの縁かねぇ。好きなだけ見て行っておくれ」とおばあちゃん。
「はい、これから旅に出るのでいろいろ見てみます」と僕。
なんとなくおじいちゃんの雰囲気を感じる店を見ていると、『醤油』『味噌』というのが目に入った。
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頑張って書きます!




