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チャレンジメニュー

甘くてちょっと香ばしい香りがする。焼きあがったものを見てみると、コロンとした丸いものがたくさんあった。

(味しそうだなー)と見ていると、よっぽど長い時間居座っていたのか「そこの従魔はお前さんの連れかい?」と店のおじさんに聞かれた。


「そうです。何がご迷惑をおかけしていましたか?」と不安になって聞く。

「いや、そうじゃねぇ。そいつがずぅっと物欲しそうに見てやがってよ。あんまり見てるもんで味見で分けてやってもいいんだが、他の奴に示しがつかないからどうしたもんかと思ってたんだ」


「それはすみません。ちゃんと買います。『ラング、どれくらい食べたい?』」と隣のラングに聞く。

ラングは僕の方を見ることもせず、焼きあがった丸いものを見ながら「この袋10個くらい欲しいにゃ」と言う。

「そんなに食べるのかい?」と意外に多かった事に驚いて聞くと、

「いいや、あんまり美味しそうなんでココにも買っていくにゃ」と返事。


「そっか、そうだね。ココも喜ぶよ。じゃぁ10個買おう」と店主に注文をする。

やり取りを聞いていた店主は「何とも優しい従魔じゃねえか。よし、おまけして12個だ。王都自慢の『ベビーカステラ』いっぱい食いねぇ」と嬉しそうに追加で焼いて、ホカホカの出来立てを入れてくれた。


「ありがとうございます」と10袋の代金銀貨2枚を渡す。「はい、ラング」とホカホカの一袋を渡す。

「熱いから気をつけろよ」と声をかけると「ありがとうにゃ」と嬉しそうに受け取る。


一つつまんで口に入れ『ハフハフ』と熱さに口をパクパクさせながら食べる。「甘くておいしいにゃ」と目じりが下がって頬がゆるゆるになっている。

あんまり美味しそうに食べているので、「僕も一つ食べてみようかな」と口に入れる。


ほんのり甘くて香ばしい香りが口に広がる。しっとりしていていくらでも食べられそうだった。

「リューもー」とリューも僕の袋の中からつまんでパクッと食べる。「あまーい。おいしー」と満足の様子。

「温かいうちにココにも食べてもらおう。あいつはどこに行ったんだ」と周りを探す。


少し離れたところでザワザワと人だかりができている店があった。(まさかね・・・)と足を向けると、得意顔で店の前に立っている美少女がいた。


「童はまだまだ食べられるぞ」と顔の前に塔のように皿を積み上げてしゃっべっているココ。

「何やってるんだ?」と人込みをかき分けて声をかけると、

「おぉ、コータではないか。いや、ただでいくらでも食べて良いという話を聞いての、それなら童にもできそうだと思いやってみたのじゃ。こいつは旨いぞ」と深皿に入った麺をつかむ。

「東の国の『うどん』というものらしい。そう言えばずいぶん昔に食べたことがあるような気がするのぉ」とズルズルっとすする。


(どんだけ食べたんだよ・・・・)と積みあがった皿の数を見て呆れる。


ココと話をしているのを見て、店主らしき人が「お前さんの知り合いかい?よかった。『10杯食べたら無料』っていうのをやってるって言ったら、『食べる』っていうんでやってみたんだが、こいつぁ底無しだ。そろそろ勘弁してくれ」と嘆く。


「すみせん、すみません」と謝りながら、ココを連れ出す。

「何じゃ。まだ食べられるぞ」と不満げなココに「ラングがいいものを見つけたからそれを食べよう」と誘う。


「本当か!それなら仕方がない。店主、ここの『うどん』とやらはとても旨かったぞ」と困り果てている店主をよそに店から出てくる。


「本当にすみませんでした」と謝る僕に、「まぁ、こんだけ食べられちゃ今日は店じまいだが、見ていて気持ちよかったぞ。今度は普通に客として来てくれや」と声をかけてくれる店主。


もう一度「ありがとうございました」と礼を言って店を後にする。

(はぁ、買い物が進まない・・・・」


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