じいちゃんの手がかり
受け取ったビンをじっと見つめるギルティス。魔力の揺れが感じられるのでおそらく鑑定しているのだろう。
「こいつはすごいな。大金貨どころか白金貨を出してでも欲しがる貴族はいるだろう。見なかったことにしたいくらいだ」
「そんなにですか!?・・・じゃあこれはバックの奥にしまっておきます」と手にした物の価値に驚く。
「それが賢明だな。そのバックはもし盗まれたとしてもお前にしか取り出せないんだよな?」
「そうみたいです。じいちゃんがどうやって作ったのかは分かりませんが、僕しか出し入れできないようです」
「それを聞いて安心した。こんな恐ろしいものが世の中に出回ったら、この国どころか世界が大きく変わっちまうかもしれんからな」
「・・・・それは怖いですね・・・。でも、ワイバーンの変異種を倒したら誰でも手に入れることができますよね?それはどうなるんですか?」とふと思った事を聞いてみる。
「それはそうなんだが、考えてもみろワイバーンの変異種なんかそうそう見ることが無い。その変異種を倒し、素材を持ち帰れるほどの冒険者となるとさらに数が少ない。まして、肉に含まれている毒を分離するなんて錬金術でもかなりの難易度だろう。なので、その点について心配はないと思っている」
「それなら良かったです。あっという間に倒してしまったリューとココはやっぱり凄いんですね」と改めて2人の能力の凄さに驚く。当の本人たちは『スピスピ』と陽だまりでお昼寝中だ。
そんな2人を見ながら「あれはもう規格外だからな」とややうんざりしたような顔で言い、幸せそうな顔で寝ているのを僕も一緒に見つめる。
のんびりしたムードになりかけたところで、「そうだ、残りの素材は買い取ってもらえますか?」と思い出したように聞く。(忘れるところだった)
「それはかまわんが、せっかくの変異種の素材だ。自分では使わんのか?」と聞かれ、『そう言われれば』と自分の装備を改めて見る。
村を出る時に貰った服や装備もずいぶん汚れて、傷もついていた。
「そうですね。考えてなかったのですが、防具と武器を新しくしてもいいかもしれません。でも、どこでお願いしたらいいでしょうか?」
「希少な変異種の素材だからな」と腕組みをして考えるギルティス。「ちょっと偏屈で厄介なやつを知ってるが、どうかなぁ。腕は確かなんだが・・・・」
「もしよかったら、教えてください。行ってみます」と答える。
「そいつはドワーフなんだ。そういえばお前が持ってるその剣もそいつが打った剣だと思うぞ」
「えっ!そうなんですか?」
「あぁ、あいつ腕だけは一流だからな。そこに文様が入ってるだろ。それは会心の出来の物に付けている文様のはずだ。お前のじいちゃんの事を知ってるかもしれんな」
思わぬタイミングでじいちゃんの情報を得る。
「リューに『じいちゃんに会いに行こう』って約束したのにどうしよう・・って思ってたんです。じいちゃんの手がかりがあるなら行ってみます」と次の目的地が決まった。
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