一人1個
「何だ。何か問題でもあったのか?」と僕の驚いた声に反応するココ。
(えーっと、さっきからいろいろ驚いてますよ。はい・・・)
「え、いや、問題と言うか、ワイバーンの肉が食べられるみたいで・・・」と話し出す僕にかぶせるように、
「なに!そんなことができるのか!いえ、まさか・・・・。童でも食したことが無いものを・・・ごにょごにょ」と尻すぼみになる。
「このじいちゃんに貰ったマジックバックが解毒して食用にしたものを出してくれるようです」と肩に下げているカバンを見せる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
「「そんなものがあるわけないじゃろ(ないにゃん)」」と突っ込む2人。
(うん。僕もそう思うよ・・・・)
「まぁ、あのじいちゃんに貰ったマジックバックなので『今更何が起きても』って感じですね」
「ふむ、お主の祖父に興味がわいてきたわい。早く会ってみたいものじゃ」
「俺もー」とそこだけ便乗するリュー。
「僕も早く会っていろいろ聞きたいですよ」
「おいらも会ってみたいにゃん。いろいろ美味しいものを知ってそうだにゃ」(いや、そうじゃなくて)
天狐も食べたことが無いというワイバーンの肉に、僕もちょっと興味がわいてきた。
「どんな味かちょっと食べてみるか?」と言うと
「「「賛成―!」」」と全員一致の返事。
「コショウの実と塩でとりあえず焼いてみるか」という事で、マジックバックに手を入れ、ワイバーンの肉をイメージする。
出てきたのはハンバーグの様になった肉の塊が4っつだった。
「一人1個だな」と言うと、「えー1個だけー」と不満げなリュー。
「まぁ、どんなものか味見って事だな。焼いてみようか」と久しぶりにキャンプセットを出して、簡単かまどにフライパンを乗せて焼く。
初めは強火で周りをカリッと焼いて少し弱めて中までじっくり焼く。こんがりジュワジュワ焼けるいい匂いがする。
「ほぅ、いい匂いではないか。お主、料理もできるとは良い婿になるぞ」とココが焼いているフライパンをにゅっと覗き込む。
「つまみ食いダメですよ。一人1個ですからね」と念を押すと、
「残念じゃが分かっとるわい。食い物の恨みは恐ろしいからのぉ。くわばらくわばら・・・」と向こうに行ってしまった。
ハンバーグだけだと味気ないので、マジックバックに入っていたパンと、いくつかのハーブをはさんでサンドイッチの様にしてみる。
「焼けたよー」と声をかけると、『待ってました!』と言わんばかりにササッと集まってくる。
☆☆☆☆☆に
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頑張って書きます!




