まずは腹ごしらえだ
ワイバーンの変異種でさらなる被害が心配ですが、お腹を満たすのが先になってしまいました。
次こそ討伐へ・・・の予定です。
「さて、それでは行こうかの」とココ。
「そうだね。ここも落ち着いたようだから、他に被害が出る前に急ごう」
「行くー」「やるにゃん」と僕たちが出ようとすると、
「本当にお前らだけで行くのか?」とギルティス。「天狐にドラゴン。回復もできるケットシーまでいて大丈夫だとは思うが、変異種の可能性が大きい。強さは計り知れんぞ」
「うーん。何とかなると思います。たぶん」と仲間を振り返りながら答える。後ろでは何の危機感もない3人が笑って話をしている。「心強い仲間たちですから」ともう一度答え、ギルドを出る。
「一緒に行けなくてすまんな。必ず帰って来いよ」と少し悔しそうな顔をして僕たちを送り出す。
「さぁ、ワイバーンは西の平原にいるらしい。なるべく早く行って討伐したいけど、まず腹ごしらえだ。ラングはギルドマスターの回復に魔力を使ったし、ココは捕まってたから碌なもの食べてないだろう?」と2人を心配して話していると、
「俺もー、お腹空いたー」とリュー。(お前は仕事してないだろう・・・・)
「よし、これから思いっきり戦えるようにしっかり食べてから行こう」と近くに立ち並ぶ食べ物屋を見回す。
昼食の混雑も落ち着いた頃だと思っていたが、意外に混んでいる店が多かった。いろいろ見ているとテラス席が空いている店があり、「ここなら従魔がいても外だから大丈夫かな?」と中に入って聞くと、『OK』という事だったので皆で座る。
「盗人たちを捕まえた賞金があるから、遠慮せず好きなものを言えよ。でも、時間がないから簡単なものになるけど」と店員を呼び、手早くできるメニューを聞く。
「「「肉―」」」という満場一致のリクエストで店員が勧める肉メニューを8人前頼む。
あまりの量なので、「お二人ですが、それでよろしいですか?」と聞かれてしまった。
「こいつらたくさん食べるんですよ」と苦笑いしながら答え、そのままお願いする。
ラングが攫われてからの皆でご飯。時間はそれ程経っていないが、すごくいろんなことがありすぎて何日も経った気がする。
「人間と共に食事を囲むなどいつぶりであろうかのぉ」とワクワクが隠し切れないココ。
「これから何回でも食べられますよ」と笑いながら声をかけると、今更ながら気づいた様子で「そうじゃったのぉ」と笑う。
これから変異種と思われるワイバーンとの戦いを控えてるとはとても思えないのんびりした時間を過ごしていた。
「お待たせしましたー。ご注文の品です」といい匂いと共に料理が運ばれて来た。
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