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童はお主たちの仲間ではないのか?

「もういい、好きにしろ」

「好きにさせてもらっとるわい」と言わなくてもいい一言を言う天狐。ギルティスも睨むが諦めた表情だ。


「盗人たちはギルドの牢に入れている。宰相殿に話ができ次第処分が下されるだろう」

「はぁ」

「なんだその気の抜けた返事は。従魔の売り先を聞き出し、可能な限り連れ戻す事ができるだろう。従魔を盗まれた者たちはお前に感謝してたぞ」


「僕は何にもしてないです。頑張ったのはラングと天狐ですから」

「頑張ったにゃん」と得意気なラング。よしよしと頭をなでてやる。なでられてゴロゴロと喉を鳴らして嬉しそうなラングを見つめる天狐。


(そう言えば、ラングを助けてもらったお礼を言ってなかったかな)

天狐の方を見て「ラングを助けてもらったお礼を言うのを忘れていました。遅くなってすみません。ありがとうございました」と頭を下げる。


突然お礼を言う僕の方を見てびっくりしたような表情の天狐。一瞬固まって嬉しそうに笑う。ギルティスに向き直って話を続けようとすると、服の裾が引っ張られた。


『?』と服を見ると天狐が『ギュッ』と握っていた。


「何か変でしたか?お礼が遅くなってすみません」

「そうではない。童にもしてよいのじゃぞ」とやや俯きながら恥ずかしそうな天狐。

「えっ?」と訳が分からない顔をしていると、突然ギルティスが笑い出した。


「国を亡ぼす力のある『社の天狐が』なぁ」と笑いをこらえきれずに言う。

「え?」と全く分かっていない僕に「ラングと同じことをしてやれ」と声をかける。

「ラングと?え?」ラングと天狐を交互に見る。


僕の戸惑いをよそにラングは「天狐もなでなでしてほしいにゃん?」と聞く。

ラングの言葉に耳まで赤くする天狐。

「そんなこと?」と僕。

「童はお主たちの仲間ではないのか?」と寂しそうな天狐。上目遣いに僕を見る。


「えっ。いや、そうじゃなくて・・・え?」

「お前はずいぶん気にいられたようだな。天狐が味方に居るなんざ向かう敵なしだ。ガハハハ」と今度は豪快に笑うギルティス。


恐る恐る天狐の頭に手を乗せなでる。意外にフワフワしている髪だった。フワフワが気持ちよくてなで続けていると、「もうよい」と顔中真っ赤にした天狐が離れていった。


そんな僕たちの様子を見て「ガハハハ」と再び笑うギルティスだった。


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