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褒めてなどおらぬわ

本日2話目です。

僕の声に『はた』と立ち止まる天狐。ぎこちなく後ろを振り返る。

「えーっと・・・どこじゃろぅ・・・」


「しょうがない。こっちですよ」と速足で追いつき横を歩く。

「むふふ、そうかそうか」とヒョコヒョコ付いてくる天狐。

「せっかちだにゃ」「ねー」とリューにまで突っ込まれている。

「なんだお主たちまで・・」と文句を言いながらもやっぱり楽しそうな天狐。


「嬉しそうですね」と声をかけると、

「こんな風に誰かと語り合うのは数百年ぶりじゃ。いがみ合うのではなく、語り合うというのはなんと心地よいものじゃのぅ」と穏やかに笑いながら話す。


(僕たちにとってはいつもの会話。それが楽しいなんて・・・・)と横を歩く天狐の顔を見る。


見ていることに気づいた天狐が「なんじゃ、童の顔に何か付いとるかのぉ?」と聞いてくる。

「いえ、何でもないです。お昼ご飯を食べ損ねているので、何を食べようかなと思って」とごまかす。


「何!飯じゃと!よし、早くギルドに行って用を終わらせて飯じゃ!」と走り出さんばかりの勢いになる。

『飯』に反応してリューまで「やったー。ごはんー。お腹空いたー」と便乗してくる。


「わかった、わかった。ギルドに行って話が終わったら、何か食べに行きましょう」と苦笑いしながら、少しだけ速足でギルドまで歩く。


ギルドの扉を開けて入ると、ギルティスが話をしていたようで直ぐに奥に案内される。ギルドマスターの部屋の扉を叩くと「入れ」と声。中に入ると「待ってたぞ」とギルティス。


僕たちの隣にいる少女を見て「誰だお前」と聞かれた。

(まぁ、そうだよね)

「何じゃお主。姿が変わっただけで童の事が分からぬのか」と『フン』と鼻息を荒くする天狐。


「何だと・・・・まさか社の天狐か!」

「そうじゃ、この者たちについて行くのにあの姿では厄介だと言われてのぉ」


「ついて行く?こいつらにか?」

「そうじゃ。なかなかに面白そうな奴らを見つけたわい」

(今後がどうなるのか見守ってやりたいというのが本音じゃが。今はまだ、そこまで言う必要はなかろうて)

天狐の思惑を見抜こうとじっと見るギルティス。そんなギルティスの視線を素知らぬ顔で受け止める天狐。


「・・・・・・はぁ。お前には何を言っても無駄だろうからな」

「よく分かっておるではないか。そんなに褒めなくても良いぞ」

「褒めてなどおらぬわ!」と怒るギルティスにコロコロと笑う天狐。

(何か凄い絵面だ。それぞれの背後に何か揺らめくものが見える気がする・・・・・)


☆☆☆☆☆に

ポイントしてもらえると嬉しいです。

頑張って書きます!

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