ワクワク・キラキラ輝く目
今日は2話投稿になります。
「何じゃその顔は。これならお主も文句はなかろう」と姿は少女、話し方は天狐という何とも奇妙な感じ。
「いや、そのぉ、文句と言うか人間になれるのに驚いたというか・・・・」
「千年を生きる童にとって人間の姿に変化するなどたやすい事ぞ。もう少し妙齢の女子の方が良かったかのぉ」と横目でチラリと見てくる。
「いえ、そこはこのままで・・・大丈夫です」とんでもないと両手を振り「本当に一緒に来るんですか?」と聞いてみる。
「そう言うておる。童の知識と力があれば怖いものなしじゃぞ。昔から『童の力を手に入れた者は国を手にする』と言われておる。お主もどうじゃ?」
「・・・・いや、そんな事思ったこともないですよ。じいちゃんに会いに行くのに旅に出たんですから」と慌てて答えると、「すまん。お主を見るとつい言うてしまいたくなる」と悪びれもせずコロコロと笑う。
(まったく・・・・・。勘弁してくれ・・・・)
「はぁ」とため息がもれる。
「なんじゃその気合いの入らぬ返事は。ええい、もうよい、この話は終いじゃ。行くぞ」
「行くってどこへですか?」
「冒険者ギルドに決まっておろう。さっきの盗人どもは賞金首らしいではないか。賞金をもらい童の冒険者登録をするのじゃ」
「えぇっ!冒険者登録?するんですか?あなたが?えぇ?」
「辺境に住む童に向かってくる冒険者は、皆生き生きしておった。童もそんな楽しい冒険がしてみたいのじゃ」
「楽しい・・・ですか?」
「そうじゃ。いろんな魔物と戦い、隠された宝を見つけ、美味しい飯と良い風呂に入るのじゃ!」と斜め上を見ながら語る。
(飯と風呂がメインだな、こりゃ)
じとっとした目で見ていると、ばつが悪かったのか『ゴホン』と咳払いをして「ほれ行くぞ」と階段を上がって行く。
(しょうがないなぁ。でも、楽しい冒険がしたいのは僕も一緒だ)
「待ってくださいよー」と少し遅れて階段を上る。
後からついていく僕をワクワク・キラキラ輝く目が振り返る。
「そんなに先に行って、ギルドの場所は分かるんですか?」
☆☆☆☆☆に
ポイントしてもらえると嬉しいです。
頑張って書きます!




