少女が立っていた
「え?行くってどこに?」と聞く僕に
「お主らの事が気に入った。ちょっと一緒に付いていこうと思っての」と天狐。
「!?」思いもよらない展開になった。
「ちょっと待ってください。僕たちはおじいちゃんに会いに行く旅をしているんです。一緒にって・・・・」
「よいではないか。辺境の地でただ居るのも飽きた。千年を生きる童にとって人の一生は短いものじゃ。たまには楽しんでみようかと思うての」
僕の戸惑いをよそに
「天狐が一緒に旅をするの?やったぁ」と素直に喜ぶラング。
「天狐―。一緒に行くー」と分かってるのかどうか怪しいリューの返事。
「はぁ、しょうがないか。ダメって言っても無理ですよね・・・」
「何だと!天狐の童を拒むのか・・・・」とショックを受けたような様子の天狐。
「いえ、いえ、とんでも無いです。ぜひ一緒に行きましょう」と慌てて返事をしてしまった。
(しまった・・・・)
(ふふふ、こ奴の優しさはケットシーから聞いておる。上手くいったわい)
「じゃあ決まりじゃの」と直ぐに顔を上げる天狐を見て、
「えー――!」と突っ込む僕。天狐にしてやられた感じである。
「ドラゴンにケットシーに天狐・・・。何だかすごい仲間になっちゃった。これで街を歩いてたら目立っちゃうよね」と言う僕に
「そんな事を気にするのか、目立っても良いではないか。お主にそれだけの技量があると言うものよ」と天狐。
「そうは言っても、変に目立つと厄介事に巻き込まれるんですよ」ギルドカウンターでの周りの反応を思い出して項垂れる。
「ふむ。童の勝手で付いていくのにそなたに迷惑をかけるのは申し訳ないな。そうじゃこれならどうじゃ」と目を閉じ何かを考えている天狐。
(自分の勝手って分かってるんだ・・・・)
目を閉じた天狐を見ていると妖力の波が体を包み込んでいく。
しばらくして波が消えると、そこには少女が立っていた。
「えー――――――っ!」
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