妖気の波
切りがいいので短めの話になっています。
「お前たちの悪事はもう分かっている。後でしかるべき処置をするから覚悟して待ってるんだな。俺たちはこの下に用があるんだ」と子分たちを全く相手にしないギルティス。
「下に?!」「下になんか何もねえぞ!」と焦る子分たち。焦りすぎて自分たちの視線が下に降りる階段を見つめている事にも気づいていない。
「そこに階段があるんだな。よし、行くぞ」とコータ達を振り返ってついて来いと促す。
ギルティスの後をついていく僕たちを見て、「あっ」と声を上げる子分たち。
「おめぇは!」「やっぱりケットシーだったんだな!」と縛られているのに飛び掛からんばかりの勢いで迫ってきた。
「その辺にしとけ」とどこから出したのか分からない早業で、子分たちの喉元に剣先が光る。
「ひぃっ」とひきつった声を上げる。
そんな子分たちの姿を見て「ふん」と剣をしまうギルティス。(すごいや。さすがギルドマスター。全然見えなかった)
「おい。早く行くぞ」と言い。階段に向かう。
慌てて僕も階段を下りていく。
頭たちを閉じ込めている檻は階段を下りた先にある。階段を下りていくと、妖気の波が濃くなってきた。
「こいつは確かにあいつの妖気だな。何でこんなとこに居やがるんだ」とギルティス。横顔を見ると、緊張しているかのように額には汗が浮かび、歯をギリリと噛んでいた。
奥に向かって歩いていく。妖気はどんどん濃くなり、大波の様に押し寄せてくる。
妖気が噴き出ている元にいたのは銀色の毛並みが輝く『社の天狐』。
尻尾をパサリとはためかせながら「久しぶりだのぉ」とニヤリ笑っていた。
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頑張って書きます!




