早く来て、マスター
ギルドに着いた。入口の扉を開ける。昼前という時間の為かそれほど人は多くなかったが、相変わらず騒がしい。
カウンターに行くとサクラはおらず、違うお姉さんだった。
「あら、いらっしゃい。今日は何かしら?」とお姉さん。
「えっと、ギルドマスターに会うことはできますか?」と聞いてみる。
「ギルドマスターに?何かあったのかしら?」
「あまり詳しくは言えないんですど、『呼んできて欲しい』と言われて・・・・」
「誰に?」
「えーっと・・・。社の天狐に・・・・」
「社の天狐!!!!!」とあまりの驚きで声が出ないかと思いきや、ことのほか大声で驚くお姉さん。
カウンターの騒ぎに一瞬ギルド内が静かになる。
「そういうことなんで、お願いできますか?急ぎなんです」と言うと、『ハッ』と我に返るお姉さん。
「わかったわ、すぐ呼んで来るから待ってて」と慌てて奥に走って行った。
カウンターにポツンと残る僕への周りの視線が痛い・・・・。
「なんだ、あのガキ。ドラゴン連れてやがるぜ」
「『天狐』って言ったか?」
「まさか、あんな小僧が・・・。ホラ吹いてんじゃねえのか」
とヒソヒソ聞こえてくる。
(まぁ、こんな子どもだしね。・・・はぁ。早く来てマスター)とカウンターの奥を見つめる。
少したって、ドタドタと奥から歩いてくる音が聞こえた。姿を見せたのはギルドマスターのギルティス。
「ローズ、俺を呼びに来るくらいだったら、こいつを連れて来い!おい、確かコータだったな。こっちに入ってこい」とギルティスに顎で奥を指され、一緒に入っていく。
奥に入っていく僕の背中に他の冒険者からの視線がさらに刺さる。
(・・・・・・・・・・)
案内されたのはギルティスの部屋だった。僕を先に部屋に入れると廊下を確認して、誰もいないことを見て扉を閉める。
「で、何だ。『困ったときに来い』とは言ったが『問題を起こすなよ』とも言ったつもりだったがな」と説教オーラをまとったギルティスが「まず座れ。話はそれからだ」と椅子にドカッと座った。
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