ガロンダに到着
(僕の頭の上?あっそうか、リュー)
「(小さいが間違いない)お前の頭の上の生き物はドラゴンか!」
「はいっ!すみません。えっと、ドラゴンです」衛兵の勢いと僕の焦りが伝わって、
「コータ 困ってる。この人焼く?」と物騒な発言をしながら『ぼうっ』と火を吐こうとするリュー。
「おいっ!このドラゴンやるきだぞ!応援を呼べ! お前は何者だ!」
騒然となる門の周辺。衛兵の殺気に出入りする人たちも右往左往の大騒ぎとなった。
騒然とした中「おい、なにごとだ。何を騒いでいる」と騒ぎの中でも響き渡る大声がした。
「ギルド長!」衛兵の一人が声をかけた。現れたのは、ガロンダの冒険者ギルド長ガダンだった。
「この者がドラゴンを町に入れようとしたんです」
「何?ドラゴンだと。ドラゴンなどここ数十年報告されていない。見間違いではないのか」
「見てください。こいつの頭の上を」と衛兵が指さす方を見ると、目がらんらんと輝いた小さなドラゴンがいた。
「なっ、おまえどこでそれを手に入れた。ホントにドラゴンか」と目を見開いて驚くガダン。
「えーと、僕のじいちゃんがくれました」と正直に言ったのに「そんなことあるか!」と一蹴されてしまった。
「とりあえず、ここでは話ができん。ギルドまで一緒に来い」と言われ、何とか町には入れたものの怪しい雲行きとなってしまった。
「まぁ、とりあえず座れ。お前、名前は?どこから来た?」とギルドの奥にあるギルド長の部屋で話をする。
「コータです。ハイネから来ました。このリューと一緒にじいちゃんに会いに行くところです」
「さっきも言ってたな、おまえのじいちゃんは何者だ?」
「えーっと、『ちょっと変わってるけどとっても強かった』って母さんは言ってました。僕にはとっても優しいじいちゃんです。こんな便利なカバンもくれたし(しまった「便利」はよけいだったかな)」
「カバンだと。ちょっと見せてみろ」じろっと睨みながら言われ、思わずカバンを差し出してしまった。
「・・・・・・・おいっ。お前のじいちゃんはリュータローっていうんじゃねえのか」
「知ってるんですか?ぼくのじいちゃんの名前は確かに龍太郎です」
「なんてこった、あいつの孫じゃドラゴンもありか・・・・」
「おい、ドラゴンの出どころはわかった。今後もめたくなければ、そいつと従魔登録しとけ」
「従魔登録?」
「そんな事もしらねぇのか。お前の従魔として登録することで、野生ではなく管理されている魔物として町に入れるようになる。暴れないようにしつけることが前提だがな」
「リューは暴れたりしません。僕を守ってくれる友だちです」
「そんなの見ただけではわからんだろう。従魔になると鑑札を付けることになるので、見た目にもわかりやすい。お前もむだな言いがかりは困るだろう」
ということで、冒険者登録とリューの従魔登録をすることになった。
リューの鑑札はドラゴンの特別製となるため、後日手に入り次第連絡をくれるそうだ。
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頑張って書きます!