表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/195

淡く照らす月 ラング視点 その4

話の区切りが良かったので、今日は短めの話になっています。

歌声が小さくなり、やがて止まった。ラングの体の光も収まった。

「ふぅ、どうかにゃ。さすがのおいらも疲れたにゃ」と背中を丸めて座り込むラング。


「さすがケットシーだのぉ。童の傷がすっかり癒えてしもうた。封じられていた妖力も戻ったわい」とスクッと立ち上がる天狐。痛みもなく動く手足を見つめる。


シュッとした足にフサフサの銀の毛皮。ピンと立った耳に鋭い眼差し。天狐の証である幾重にも分かれた尻尾。ゆらゆらと立ち上る妖力に魅入られたかのように見つめるラング。


「綺麗だにゃ・・・・・・」とつぶやくように言葉が出る。


「貴様のおかげで、ほれこの通りじゃ。感謝するぞい」と嬉しそうな天狐。


「元気になってよかったにゃ。捕まったのがおいらで良かったんだにゃ」とホッとしたように答えるが魔力の使い過ぎで今にも倒れそうなラング。

「童のためにすまぬな。少し休むがよい」と天狐が少し心配したように声をかける。


「そうするにゃ。もう起きてられないにゃ」と蹲るように丸くなるラング。

そんなラングを見て、すまなさそうに目を細めながら傍らに寝そべり、幾重もの尻尾で優しくラングを包み込む。


「礼を言うぞ。今はゆっくり休むとよい」そういうと、天狐も目を閉じ眠りに落ちていった。

傷ついた上に妖力を封じられ、天狐もずいぶん弱ってしまっていたのだ。


檻の隙間から差し込む淡い月の光が2人をねぎらうかのように照らしている。


ふと目を覚ますと、なんだかフワフワ温かい。

(何にゃ?)と顔をあげると目の前にはフサフサの尻尾があった。視線を動かすと、穏やかな顔で寝ている天狐。


(元気になって本当に良かったにゃ。久しぶりに仲間と寝ているようでフサフサが温かいにゃ)ともう一度眠りに落ちていくラングだった。


☆☆☆☆☆に

ポイントしてもらえると嬉しいです。

頑張って書きます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ