誰かいるにゃん ラング視点その2
盗賊たちが何やら話をしてるにゃん。
「俺は見ても分からねえが、ケットシーってのは服を着てるそうだ。こいつは着てねえなぁ」とお頭。
「へぇ、風呂から出てきたんで脱いでたんじゃ」と部下その1。
「普通のネコと違って2本の足で歩くって話だ」と思い出しながら言うお頭。
「うーん、確か走ってるところを捕まえたんですが、4本足で走ってたような・・・・」と部下その2
「はっきりしねぇ奴だな」とお頭。
「おい、お前ら、何でこいつが『ケットシーだ』って思ったんだ」ともっともな質問をするお頭。
「へぇ、廊下でこいつがガキと話してるのを見たんでさぁ」と部下その1。
「確かに見たのか」
「ガキとこいつとドラゴンが楽しそうに歩いてて、確かにしゃべってたんですよ」
「・・・・何だと!ドラゴンがいたのか!なんでそっちを捕まえてこない!」と顔を真っ赤にするお頭。
「すんません。あっしたちもドラゴンを待ってたんですが、先にこいつが出てきたもんで・・・・」
「もういい!ケットシーだったら儲けもんだが、よくわからん。明日あの方に鑑定してもらおう。地下に入れとけ」とお頭に言われ、「へい」と返事をする部下たち。
・・・盗賊たちの話は終わったらしいにゃ。どうやら頭と部下2人がここにいて、明日ににゃったら、もう一人くるらしいにゃ。今のところおいらのネコっぷりがよかったらしく、まだ気づかれてないにゃん。
話が終わって部下が来たにゃ。首根っこをつかまれ袋に入れられたおいら。(ネコだと思って首をつかむ人が多いにゃんが、大人のネコで重たくなると痛いにゃんよ!)とジタバタ暴れる。もう一つおまけに「フーッ」と毛を逆立てて威嚇してみる。(どうにゃ、ネコっぽいにゃ)
「ホントにこいつただのネコなんじゃぁ」と部下その1。(そうそう、おいらはネコにゃ)
「薄汚れた色をしてやがるし、俺達には見分けがつかん」と部下その2。(薄汚れたはよけいにゃ)
「ただのネコだったら、お頭にこっぴどく怒られるんだろうな・・・」「そうだなぁ・・・」とため息の2人。
(そもそも、従魔を捕まえてるのが悪いにゃ。おもいっきり怒られたらいいにゃ)
階段を下りていくような足音がしたと思ったら止まった。
「ここに入れるか。朝になったら餌になっていなくなってるかもしれねえけどな」と何やら不穏な会話。
(にゃんだ。餌ってにゃんだ?)
袋から出され、「ほらよ」と檻の中に放りこまれた。
それ程広くなさそうな部屋。檻の入口から入ってくる薄明かりしかなく、ぼうっとしか見えない。
『なんだ、誰か来たのか』と奥の方でのそりと動く気配がした。
「誰かいるにゃん?」と思わず喋ってしまった。
(奥にいるのは人間の気配じゃないにゃん。ここに人間はいないにゃん。でもちょっとヤバそうな匂いがするにゃん。コータ、おいら絶体絶命のピンチにゃん!)
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