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うん・・・

カウンターに行くと、ヒナタは他の客の応対をしていた。少し待って、声をかける。


「すみません。うちのケットシー。えっと、『ラング』来ませんでしたか?」

「あら、コータさん。ケットシーって事はネコさんよね。見てないわ。何かあったの?」

「実はリューが風呂で酔っぱらってしまって、僕一人じゃ心配だったんで『ヒナタさんを呼んできて』って頼んだんですけど、いつになっても戻って来なくて」

「ちょっと前の話よね・・・。さっきのお客さん以外誰も来なかったわ」


「おかしいなぁ、どこにいったんだろ。風呂上がりに濡れたまま走って行ってしまって・・・・」と周りにいないかキョロキョロしていると、「そういえば・・・・・」とヒナタ。


「そういえば、コータさんが戻ってくる少し前に、男の人二人が袋を抱えて宿から出ていくのは見たわ。『あんなお客さんいたかしら?』と思ったのよね」

「どんな人でした?」

「そうねぇ、帽子を深くかぶってたから顔は良く見えなかったけど、チラッとこっちを見た時の目が怖かった。本当は『うちにお泊りでしたか?』って聞かないといけないんだけど、声もかけられないような雰囲気だったの。ごめんなさい」


「ヒナタさんが謝ることじゃないですよ。でも何か怪しいですねその二人。『王都で従魔が攫われてるから気をつけろよ』ってギルティスに言われてたのに油断した僕が悪かったんだ。ちょっと探してきます」

ヒナタにそう言って宿を出ようとしたが、洗濯した服を持ったままなことに気づき一度部屋に戻る。


「リュー、ラングが大変なことになったかもしれない。ラングがどこにいるか探せないかな?」とリューを見ると、目もうつろのリュー。


「お前、大丈夫か?」

「うーん、大丈夫―?大丈夫じゃないー?・・・・」と床に寝そべってそのまま寝てしまった。


「まったく・・・ラングの一大事だってのに・・・・。しかたがない、僕だけで行くか。明日の朝になったら、リューもすっきりしてるだろ。そうなったらラングの魔力か匂いをたどって探せるはずだ」


ラングがどこかで困ってる姿を思い浮かべ、居ても立っても居られず宿を出てあてもなく探す。

「仲間になってそんなに経ってないけど、にぎやかなお前がいないとなんだか淋しいよ・・・」と天を仰いでつぶやく。どこをどう探して良いのか分からず、出会う人に「こんな色のネコを見ませんでしたか?」と声をかけていく(ケットシーっていうのはあんまり言わない方が良いからな)

宿の近くは酒場も多く「なんだ、坊主。こんな時間にネコ探しか、まぁ頑張れ」と取り合ってくれなかったり、「坊主、金は持ってないか」と危ない目にあったりとラングにつながるような情報は何も分からなかった。


歩き疲れ、途方にくれて宿に戻る。肩を落としてしょんぼり帰ってきた僕を心配して、

「明日になったらきっと戻ってくるわ」とヒナタ。

「うん・・・・・」としか答えられず、自分の部屋に戻りベッドに倒れこむ。


☆☆☆☆☆に

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