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フンフフーン

ちょっぴりしゅんとして戻ってきたラング。さすがに可哀そうになってきて、

「ラング、生姜焼きが美味しかったんだろ。まだ残ってるのを食べるかい?」と聞くと

「いいのかにゃ」と耳がピコピコ揺れる。(分かりやすいやつだな・・・)


大皿に残っていた生姜焼きをよそってやると、「やったにゃー」と嬉しそうに食べる。

「やっぱりこれはおいしいにゃん!」とご機嫌。モグモグ食べながら『フンフフーン』と鼻歌が。

すると・・・・


僕も含め周りで食べていた人たちがぼんやり光りだした。


「なんだこれ!」「何事だ!」「やだ、光ってる!」と周りが騒ぎ出した。

(やばい!ラングだ)

当の本人は食べるのに夢中で周りの騒ぎに気付いていない。

(どうしよう、これで僕がラングに何か言うとラングの仕業って言うのがばれちゃう)と一人で焦っていると、

離れた席から「やっぱりうずまき亭の飯は旨いなぁ。食べたら何か疲れが取れるし、やっぱり大将の腕がいいからかなぁ」という声が。


声の主を見ると、かなり年配の男の人だった。

周りで騒いでいた人はその男の人を見て「ギルディスさんが言うなら、これがあの大将が作った料理の効果かぁ。さすがだなぁ」など納得の声が広がった。


僕たちの事を気にする人もなく騒ぎが収まったことにホッと安心していると、遠くから視線を感じた。


視線の先をたどると、相手は先ほどの男の人、『ギルティス』と呼ばれていた人だった。目が合ってしまったので、なんとなく会釈をして食事を続ける。ラングも『しまった』と思った様子で、鼻歌がそれ以上出ることはなかった。

(この雰囲気を感じずに食べ続けられるリューって・・・・)胃が縮む思いをしながら食べることになった恨みのとばっちり視線をリューに向けつつ食事を終える。

とても美味しかったことを女の子に伝え、食堂を後にする。


そのまま風呂に行きたいところだったが、ドッと疲れたのでちょっと休んでからにしようか考えながら階段を上っていると、

「おい、そこの坊主」と下から呼び止められた。


振り返ると『ギルティス』と呼ばれていた男が立っていた。

「僕の事ですか?」

「お前の他に誰がいる。ちょっと話があるんだがいいか」

「何でしょう?」

「あまり聞かれたくない話だな。坊主の部屋は2階か?」

(なんだこの人。何か雰囲気怖いし、話って何だろう・・・)と不審な顔をしていると、


「ガハハハッ、そう警戒するな。名乗るのが遅くなってしまったが、俺はこの王都の冒険者ギルドのギルドマスター『ギルティス』だ。なんなら、宿屋のカウンターにいるヒナタに確認してもらってもいいぞ」

(あのお姉さんは『ヒナタ』って言うのか。うーん、食堂でもこの人は一目置かれてたみたいだったし、大丈夫かなぁ)


「いえ、大丈夫です。僕の部屋は、階段上がって直ぐの所です」

「よし、込み入った話になりそうだから部屋で話した方がいいだろうな」


リューとラングと僕はギルティスと一緒に部屋に戻ることになった。


☆☆☆☆☆に

ポイントしてもらえると嬉しいです。

頑張って書きます!

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