うずまき亭
教えてもらった宿は『うずまき亭』と言うらしい。ギルドから街の中心部とは反対側に3ブロックほど行った所にあり、渦巻き模様の看板が目印という事だった。
キョロキョロしながら歩いていくと、白と青が交差する渦巻き模様の看板を見つけ中に入る。
入口に鉢植えの植物があったり、壁に何か文字が書いてある額があったりと(なんかじいちゃんの部屋に似てる)落ち着いた雰囲気の宿だった。
カウンターにはおっとりとした雰囲気のお姉さん。
「いらっしゃいませ。お泊りですか?」と声をかけられた。
「はい、冒険者ギルドのサクラさんに従魔と泊まれる宿を聞いて、教えてもらいました」
「まぁ、サクラからの紹介なのね。あの子しっかりお仕事してたかしら?」
「とてもお世話になりました。えっと、従魔と一緒に泊まれますか?」
「あらあら、ごめんなさいね。お客さんをお待たせしてしまって。大きい従魔の部屋は満室なんだけど、どうかしら」
「僕の従魔は、こいつとこいつです」と2人を指さす。
「ドラゴン!!・・・・」と口をあんぐり開けて固まるお姉さん。
「・・・大丈夫ですか?」
「『ハッ』ごめんなさいね。ドラゴンなんて初めて見たものだから・・・・。本当にいたのね、従魔になるドラゴンって・・・。こっちの従魔は?」とラングを見て首をかしげる。
「ケットシーのラングです」
「モフモフしてて可愛いわね」とラングをなでるお姉さん。ラングも美人のお姉さんになでられてまんざらでもなさそうだ。「従魔はどちらもスモールサイズなので、空いてるお部屋に案内できます。従魔2人との部屋で一泊銀貨8枚になりますが大丈夫ですか?」
(さすが王都ガロンダより高いな・・。でもちょっと懐も温かいし、いいよな・・・)
「よかったー。『ここでダメだったらどうしようかな』って思ってたんです。とりあえず1週間でお願いします」と金貨5枚と銀貨6枚を渡す。こんな子どもが大金を持っていることに驚きつつも、受け取るお姉さん。
「こんなに可愛い従魔が泊ってくれるなんて・・・。お部屋は2階になります。階段上がって正面の部屋ね。1階の食堂はそろそろ休憩時間が終わるので、ゆっくり降りて来てもらえたらお食事ができます」
「分かりました。部屋で少し休んで食堂に行ってみます。こいつらが『お腹空いた』ってさっきから煩くて」と苦笑いしながら言うと、『クスッ』と笑うお姉さん。
(のんびりいい感じの宿でよかった。そうだお風呂ってあるのかな)
「すみません。お風呂ってありますか?」
「宿自慢の檜風呂があります」
「檜風呂?」
「以前はお風呂が無かったのですが、お泊りになられた方が『どうしても入りたい』とおっしゃって・・・。うちではご用意が難しいことをお伝えすると、『じゃあ作っていいか?』ということでできたお風呂になります。とても好評でしたので、男性用・女性用・従魔用と増築いたしまして、今では当宿の名物となっております。ゆったりのんびり疲れを癒すのにお勧めです」
「すごい人がいたんですね。でも従魔と入れると聞いて安心しました。後でゆっくり入りたいと思います」
☆☆☆☆☆に
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頑張って書きます!




