ラングの従魔登録
恐る恐る入ってきた僕に視線が集まる。(もうちょっと思い切って入ったらよかった・・・)
「なんだ坊主、ここに何の用だ。子どもが遊びで来るところじゃねえぞ」と早速屈強な男につかまった。
「えっと、素材の買取をしてもらおうと思って・・・」
「小遣い稼ぎか。自分で稼ごうっていうのはいい心構えだな。買取カウンターはこっちだ」
(何だ見かけより優しいじゃないか。王都はこういう人が多いのかなぁ。いろいろ身構えてすみません)
屈強な男の後をついていくと、優しそうなお姉さんがいるカウンターに着いた。
「じゃあな」と男は役目は終わったとばかりに背を向ける。
「ありがとうございます。僕コータっていいます」
「俺は『ジダン』だ。まぁ、せいぜい頑張るんだな」と片手をあげて行ってしまった。
カウンターに残された僕に、お姉さんが話しかけてくる。
「僕、何の用かな?」
「コータって言います。素材を採取してきたので、買い取ってもらおうと思ってきました。後、こいつの従魔登録もお願いします」とラングを指さす。
「あら珍しい、ケットシーかしら。可愛いわね。あなた冒険者ギルドのカードは持ってる?」
「はい、これです」とFランクと書かれたカードを渡す。
「・・・確かに。この従魔の欄に『ドラゴン』って書いてあるけど・・・」
「こいつです。『リュー』って言います」と足もとにいたリューがパタパタと飛ぶと
「まぁ!」と目があんぐり開いたまま固まるお姉さん。
「大丈夫ですか?」と聞くと「ごめんなさいね。ドラゴンを従魔にしたなんて聞いたことが無くて、びっくりしたわ。よく王都の門を入れたわね」
「リューはとってもおとなしいんです。だから『大丈夫だろう』って入れてくれました」
「そう、それなら大丈夫ね。従魔が何か問題を起こすと主人も罰せられるから気をつけるのよ。後、珍しい従魔の連れ去りも増えてるから気をつけてね」
「はい、南の門の隊長ムアコムさんにも言われました。気をつけます」
「そう、知ってるなら良かった。じゃあ、登録するからちょっと待ってて。鑑札もケットシーのサイズならすぐに用意できるから、どこに付けるか決めておいてね」
お姉さんはカウンターの奥に行ってしまった。
お姉さんを待つ間、ギルドの中をうろうろしてみる。今いるのが買取カウンターで、依頼を受けるのは隣のカウンター。依頼ボードに貼られている依頼を確認してカウンターに持っていくらしい。後は、食事ができる食堂と酒場のようなスペース、ポーションなどを売っている素材屋、武器・防具の修理屋がある。さすが王都のギルド、カウンターの数や対応している職員、出入りしている冒険者の人数がすごい。
いろいろな冒険者の装備を見ているだけでも面白い。あまり見たことのない色の防具や、とても大きな剣を背負っている人など、ハイネやガロンダでは見かけないような人が多かった。(僕もあんな防具が欲しいな)
冒険者に見とれているとお姉さんが戻ってきて名前を呼ばれた。
☆☆☆☆☆に
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頑張って書きます!




