ドゴーン
トラくらいの大きさになったラングの背中に乗ってみる。
「大丈夫?重くない?」
「大丈夫にゃん。おいらは『キングオブキャット』だにゃん。思いっきり飛ばすからしっかりつかまってるにゃんよ。リューの兄貴、行くにゃん!」
「リューも本気出せば速いよー」とリューもやる気満々。(嫌な予感しかしない・・・・)
「ひゃっほー」と走り出し、次第にスピードが上がる。
「うわー、落ちるー」と悲鳴のような声を出しても「まだまだ行けるにゃん」と速度が落ちる気配は全くない。
体を起こしているとガックンガックン揺れて舌を噛みそうになるので、ラングの背中にぺったりうつ伏せになってしがみつく。
(思ったよりフカフカしてる)と考えられるくらい余裕がでてきた時、スピードが徐々に落ちてきた。
「どうしたの?」
「かなり走ったからそろそろ休憩にゃん。お腹空いたにゃん」とラング。木陰がありそうな大きな木の根元で止まった。
僕が降りると『シュー』とトラサイズから元の大きさに戻った。
「大きくなるとパワーは出るけど、お腹が空くのが早いんだにゃん」と、へなへな座り込んでしまった。
「乗ってるだけだけど、僕も疲れたよ。リューはいつもと変わらないみたいだけどね」
コータとラングが木陰で休んでいると、地面に写る木の影がワサワサと動いた。
(何だろう?)と見上げると、茶色っぽい何かが物凄い勢いで僕めがけて飛んできた。あまりの勢いに思わずよけると『ドゴーン!』という音を響かせて地面にめり込む茶色の物体。
(何だろう・・・・?)とじっと見ていると、
『ピコーン』
《ナッツツリーの実。食用。食べるといろいろな効果があり、食通に言わせると効果によって味が少しずつ違うそうです。射程範囲に入ってきた相手に実を投げつけてくる厄介な木。高速で飛んでくるため『弾丸ナッツ』とも呼ばれており、当たると命の危険もあるので気をつけてください。毎年知らずに近づいて命を落とす人がいます。採取が難しいのでかなり高値で売れますよ》
「おぉ、食べられるんだって。しかも売ったら高いらしい」
「ほんとー?」
「美味しいにゃんか?」と食い意地がはった2人が僕の話にかぶせるように食いついてくる。
「でも、近づかなきゃ実が取れないし『命の危険がある』ってどうやって採取したらいいんだろう・・・」
「いろいろやってみるにゃん!」
前向きなのか無謀なのか分からないけど、とりあえずいろいろやってみることにした。
その結果。
「痛いー」と体をさするリュー。
「近寄れない・・・・」と僕。
・・・・・・・・・・・「どうするかなぁ」
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頑張って書きます!




