何とかならないの?
今日は余裕があったので、本日2話目です。
お腹がいっぱいになり、満足したリューと一緒にまた歩き出す。
肉をゲットして味をしめたリューがあっちこっちと飛び回るので、ついていく方は大変。
蜜々草の花畑を見つけたときは大いに褒めてやった。(これで効果の高いポーションが作れるな)
採取した後は、相変わらずベッタベタになるので、『クリーン』の魔法をかけてやる。
(僕の一番得意な魔法になりそうだよ・・・)
そんなこんなで寄り道をしながら歩いていると、前方に馬車が何台か見えてきた。
近づいていくと、人も何人か見える。
(何かあったのかな?)
「ねぇ、早く何とかならないの?」
「すんません、車輪が壊れてしまっていて、これではどうにもならんですわ」
「こまったわねぇ・・。早く王都まで戻らないといけないのに・・・。こうなったら歩ける人は馬車から降りて歩いてもらうしかないわね。積み荷を無事な馬車に急いで積み替えてちょうだい」
商人らしき人が、使用人たちに指示を飛ばしていた。
「どうされたんですか?」と使用人の一人に尋ねる。
「昨日の土砂降りであちこちにぬかるみができてるだろ。運悪く深いとこにはまっちまって、馬車の車軸が折れちまったんだ。その衝撃で車輪も歪んじまって、どうにもならなくてなぁ。 荷物の移動をしなきゃなんねえから、すまんな。 はぁ、ここから歩くのかぁ・・・・」と先を思ってか疲れた様子の使用人。
馬車を見ると、数台ある内の一台が大きく傾いていた。
(これは大変だろうなぁ)と馬車をじぃっと見ていると
『ピコーン』
《車軸は固い木、車輪は鉄鉱石などがあればちょちょいと錬金で直せますよ》
「はいっ?」
突然大きな声を出した僕に視線が集まる。が、「何だ子どもか」とそれ以上注目されることはなかった。
(えっと、木とか石とか僕は持ってないけど、商人さんだから持ってたりするのかなぁ)
使用人たちに指示を飛ばして忙しそうな商人の近くに行って、「すみません・・・」と声をかける。
「何かしら?今は見ての通り忙しいの。子どもの相手はできないわよ」とピリピリした返事が返ってきた。
「固い木とか鉄鉱石って荷物に積んでたりしますか?」
「突然何を言うの?これだけ馬車があるから、もちろんそういう物も載ってるわ」
「僕、物の修理とか得意なんです。もし良かったらお手伝いさせてもらえませんか?」
「・・・椅子や棚が壊れたのとはわけが違うのよ。得意だからって言っても無理よ」
「替わりの馬車に積むのが決まってるんだったら、もし上手くいかなくても状況に変わりはないですよね。だったらやらせてください。上手くいかなかったときには材料費を弁償しますから」
そこまで言うのだったらと、材料を出してくれる商人。
「従魔にも手伝ってもらうので、ちょっと離れててくださいね」と近寄らないように声をかける。
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ポイントしてもらえると嬉しいです。
頑張って書きます!