龍太郎特製 ハーブ塩
「コータ 疲れたー お肉食べたいー」とリュー。
(あれだけの魔力を使ったんだ。そうなるよな)「リューが頑張って倒した魔物。美味しいみたいだよ」
「やったー いっぱい食べるー♪」
『ジャイアント』と言うだけあって一頭が大きく、数も多い。とりあえず、片っ端からマジックバックに入れてこんがり状態で保存する。丸ごと入れた後「お肉をちょっと出して」とつぶやきながら便利なバックに手を入れる。
入れた手にずしッと重みが感じられると肉を取り出す。
《まずはあっさり赤身です。まわりはこんがり中はレアに焼けています。追加でお好みの焼き加減にしてくださいね》と鑑定さん。
「教えてくれるのはありがたいけどね・・・」と思わず苦笑いになる。
「リュー、ちょっとだけ焼いてるのと、しっかり焼いてるのどっちがいい?」
「うーんとね ちょっとだけ焼いてるのがいい」というので、追加で焼かずにそのままスライスして少し塩を振りお皿に乗せる。チャレンジメニューのように山盛りだ。
「わーい いっぱーい。いただきまーす」とご機嫌で食べ始めるリュー。
「おいしー」とあっという間に食べてしまい、「次はー?」とキラキラした目で見てくる。
「もう食べたのか、ちょっと待ってろ」と再びバックに手を入れる。
次に出てきたのは
《さしが程よく入っています。塩も美味しいですが、そこにハーブを混ぜると絶品ですよ》という部位だった。
「ハーブ塩かぁ。食材屋で探せば良かったなぁ」とつぶやくとぼうっと光るマジックバック。
(もしかして)と手を入れると
《薬草などブレンドしたハーブ塩。龍太郎も愛用していました》
(もう何でもありだな・・・)「まぁ手に入ったのは嬉しいけど、はぁ・・・」
「リュー、今度のはハーブ塩が美味しいらしい。かけてもいいか?じいちゃん愛用の塩らしい」
「リュータローの味! かけてー」と言うので、ハーブが香る程度にかけてやる。
「美味しー 何だか懐かしい味― 龍太郎も料理が上手だったー」とリュー。
「へぇ、じいちゃんの味かぁ。僕はおにぎりくらいしか覚えてないな」とちょっとやきもちを焼いてしまった。
あんまりリューが美味しそうに食べるので、僕もハーブ塩をふって一切れ食べてみる。
「旨い!」お肉の油がとろけてうまい具合にハーブの香りがからまっていく。これならもうちょっとこんがり焼いて余分な脂を落としたらいくらでも食べられそうだ。
「じいちゃんってすごいな」と何だか追いつけそうもない背中を思ってつぶやくと、
隣で「龍太郎はすごいよー 早く会いたいよー」と素直に会いたいと言うリュー。
隣で笑いながら話すリューを見て
「そうだね。早く会いたいね」とちょっと吹っ切れたように僕も答えるのだった。
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