ミラクル発動
「ソニアさん、こんな時間にすまない。うちの子が熱を出しちまって、薬草か何か余ってないか!」
息せき切って入ってきたのは近所に住む男だった。
「タタンじゃないか、アイーシャがどうかしたのかい?」
「突然の雨で体が冷えちまったのか、様子がおかしいと思ったら高い熱でウンウン苦しそうなんだ・・・」
「カルシンド先生は?」
「医院に行ったら『王都の学会に行ってる』って言われてよ。家にあった薬草は、この間アイーシャが怪我をした時に使っちまって・・・。ソニアさんの所にはあるかい?」
「家にあるのはあるけど、少し古くなっているかもしれないねぇ」とソニアが棚の中をゴソゴソ探す。
「あのぉ、僕、薬草持ってます。初級のですけどポーションもあります。良かったら使ってください」とカバンからポーションを取り出し、渡す。
「ポーションなんていいのか?」
「いいんです。困ってる人に使ってもらった方がいいですから」
「ありがてぇ」とポーションを受け取り家に戻るタタン。
タタンを見送り「いいのかい?高かっただろう」と心配そうに僕を見るソニア。
「よし、美味しいごはんでも食べよう。たぁんとお食べ」
『ごはん』『食べよう』の言葉に「食べるー」と飛んでくるリュー。
(・・・ちゃんとおとなしく待てるじゃないか)
ソニアの美味しいごはんをお腹いっぱい食べた後「昔、息子が使ってた部屋だけど」と案内してもらう。
こじんまりした部屋に机とベッドがあった。
今日もいろいろあって直ぐに寝てしまいたいとベッドに寝転がったが、薬草が少なくてポーションも無い、医者が不在というのを思い出し、役に立てるならとポーションを作ってみることにした。
とは言うものの、錬金スキルは覚えたけどどうやって使えばいいのかは分からなかった。
(雑貨屋さんが使ってた鍋やフラスコは持ってないし、買っておけば良かったなぁ。とりあえず材料を出してどうにかできないか考えてみよう)
とベッドの上で起き上がり、マジックバックを手に取る。
『ピコーン』
《錬金スキルを発動しますか》
「錬金スキル? 発動?」
《龍太郎のマジックバックとのコラボ錬金。作りたい物、使いたい物を思いながら手を入れるとミラクルが起きます》
「!?」
(よくわかんないけど、何が欲しいかを考えればいいのかな?)
「初級ポーション」と言いながらマジックバックに手を入れると、袋がボウッと淡く光り始めた。
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