表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/195

見かけない顔だね

タマネギーラの汁まみれになったリューにとりあえず『クリーン』をかける。

食べておいしいタマネギーラをどうやって倒したらいいのかいろいろ試した結果、少し離れたところから『エアカッター』の魔法で、頭から出ている葉っぱを根元から切るといいという事が分かった。

いろいろ試している途中で僕も『エアカッター』を習得し、2人で嬉しくなって周りのタマネギーラを狩りつくしてしまった。


マジックバックに収納してまた街道を歩いていく。僕の狩りの練習もあり、一角ウサギやフォレストスライムがいたらリューに教えてもらって倒していく。フォレストスライムのゼリーは役に立つことが分かったので、必ず拾っていくことにした。


しばらく歩いていると、雲行きが怪しくなってきた。

「リュー、雨が降りそうだ。どこか雨宿りができそうな場所を探しておこう」と周りを見ていると、ポツポツと雨粒が落ちてきた。「降ってきたぞ」と言っているうちに、どしゃ降りになってしまった。あまりの勢いに慌てて近くの大きな木の幹に体を寄せる。

雨で視界が悪い中、目を凝らしてみると遠くの方に家が見える気がした。

「リュー、あの辺に家が見えるような気がするんだけど、ちょっと見てきてくれる」

リューが木の上の方まで飛んでから戻ってきた。


「あっちの方に家がいくつか見えたよー」

「そっか、ありがとう。雨が小降りになったら行ってみよう」


どしゃ降りが小降りになるまではそんなに時間はかからなかった。

「今のうちだ。急ごう」とぬかるんだ道に足を取られないように気を付けながら、小走りに急ぐ。

しばらく走っていると家々が見えてきた。

「村かな?入口に誰もいないけど入ってもいいのかな?」ガロンダの町では門でひと悶着あったので、少し不安になりながらも雨がまた強くなってきたので、村に入る。


雨に降られながら歩いていると「あんた、見かけない顔だね」と近くの倉庫にいたおばさんに声をかけられた。

「すみません、王都まで行こうと思っていたのですがこの雨で、どこか休めるところはないかと探しに来ました。この村に宿はありますか?」

「あいにく、こんな小さな村に宿は無いねぇ。ここで会ったのも何かの縁だ。狭いけど家でよかったら泊まるかい? あたしゃソニアって言うんだ」


「僕はコータ。ありがとうございます! こっちは従魔のリュー、えっと従魔も一緒なんですけどいいですか?」

「たまげた、こりゃードラゴンかい?初めて見たよ。見たところおとなしそうだしいいよ、一緒に来な」

「ありがとうございます。助かりました」

「リュー そのままおとなしくしてるんだよ」「はーい」


雨の中倉庫で何やら片づけをしているソニア。

「何かお手伝いしましょうか?」

「あんまり雨がひどいもんだから、ここの干し草を上に上げようと思ってね。でも量が多いから難儀だなぁと考えていたところさ」と中2階のスペースを見上げる。

「お安い御用です。リュー 手伝ってくれ」

僕がはしごで上に上がり、リューにパタパタと草を持ってきてもらう。持ってきた草は重なりすぎないように置いていき、たくさんあった干し草が片付いていく。


「飛べるっていいねぇ」と感心しているソニア。褒められてリューはご機嫌だ。

少し時間はかかったけれども大量の干し草の非難も終わり、倉庫の横にあるソニアの家に行く。


「狭いけどゆっくりしておくれ、今夕飯をこしらえるからね」

慣れない働きに心地よい疲れで、自分の家でもないのにまったりしてしまう。


「誰かと一緒に夕飯なんて何年ぶりだろうねぇ」

「そうだこれ、途中で取ってきたんです。たくさん取れたので、よかったら使ってください」とタマネギーラを渡す。

「タマネギーラじゃないか、さすが王都まで旅してるっていう冒険者だ。小さいのに頑張るねぇ。ありがたくいただくよ、これで何を作ろうかねぇ」

嬉しそうに料理をしているソニアを見て、母さんを思い出してしまった。


そんなほっこりした時が流れていた時、ソニアの家の扉が『バタン』と開き、慌てた様子の男が入ってきた。


☆☆☆☆☆に

ポイントしてもらえると嬉しいです。

頑張って書きます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ