素材屋で何かが
次に来たのは薬草やポーションを扱っている素材屋。デカントの森で採取した薬草などの使い方が分かればと思って来てみた。
店の中に入ると鼻の奥まで迫ってくるような強い匂いが立ち込めていた。
「うー くさい むりー」とリューは店の入り口から入れずにいた。
「ちょっと見てくるから、外で待ってて」と声をかける。(鑑札も付けてもらったし大丈夫かな)
長旅になるし、何かあった時には自分で対処しなければならない。と思い回復系の物や解毒、状態異常解除の物を見ていく。棚に置いてある薬草類はデカントの森で手に入れたものがいくつかあり、(これを使っているなら自分でも作れたらいいな)と思っていると、奥から店主らしき人影が出てきた。
「お客さんかい?」としわがれた声がして、やや腰の曲がったおばあさんが出てきた・・・と思ったのに近づいてきたのは妙齢のお姉さんだった。(あれっ、僕の見間違いかなぁ・・・)
ポカーンとしている僕を見て「ウフフ」と笑うお姉さん。
「何かお探し?」
「どんな薬草が役に立つのか見たいなと思って。後、旅に出るのでポーションを買おうと思っています」
「そうねぇ、値段にもよるけど簡単な傷を治すならこの初級ポーション。深い傷を治すなら中級ポーションや上級ポーション。ここにはないけど命の危険がある時は特級ポーションかしら。材料は秘密よ」
説明してもらいながらそれぞれの品をじっとみていると『ピコーン』久しぶりの音が鳴った。
《初級ポーション=薬草+蜜々草の蜜》
《中級ポーション=上薬草+蜜々草の蜜》
久しぶりの『ピコーン』に
「へぇ、薬草とか上薬草と蜜々草の蜜で初級と中級のポーションが作れちゃうんですね」とつぶやいてしまった。
「なんでそれを!・・・・あんた鑑定持ちね!」と店主。
(しまった。勝手に鑑定して怒られる)と焦る僕を見て
「問い詰めるつもりはないの。そう、鑑定持ちなのね。あんたみたいな子どもがそんな分かりやすい顔して鑑定してるといつか危ない目に会うだろうから気をつけるんだよ」
「・・・・ありがとうございます。気をつけるようにします。お手軽なポーションはこの2種類ですか?」
「そうねぇ、前にフォレストスライムから取れるスライムゼリーを入れた回復効果+の『プラスポーション』もあったんだけど、鮮度のいいゼリーが手に入らなくてねぇ。今手に入りやすいのはこの2種類かしら」
「フォレストスライムですか?僕ゼリーをいくつか持ってますよ。鮮度がどうかは分からないけど、たぶん大丈夫だと思います」
「本当かい?ちょっと見せておくれ」突然のお姉さんの剣幕にびっくりしながら、机の上にゼリーを出していく。
「まぁ、こんな品質のいいフォレストスライムのゼリーは見たことがない。お金は払うから譲ってくれないか?」
(鑑定持ちを内緒にしてくれそうだし)「いいですよ、効果もわからず採取したものですので、有効に使ってください」
「ありがたい!」お姉さんはそういうとゼリーを持って奥の方へ行ってしまった。
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