報酬の上乗せ
その後は魔物が出てくることもなく無事リケサの門をくぐる。街までの護衛という事で商人と別れるリーダーたち。
(そう言えば名前とか聞かなかったな・・・)と思ってると向こうから話を振ってきた。
「名乗りが遅れたが俺たちは『緑青の盾』っていう名前でパーティーを組んでる。後衛職が多いのと頼りになるタンク役がいるんでこんな名前だ。俺はリーダーの『ガッシュ』ってんだ。さっきは本当に世話になった。俺たちはこれからギルドに報告に行かなきゃなんねぇんだが、飯はその後でもいいか?」とココたちを見て確認するように言う。
「僕もギルドに行こうと思っていたのでご一緒します」と返事をして一緒にギルドに行く。
あまり大きくない町の大きさに比例してこじんまりと落ち着く雰囲気のギルドだった。
入ってきたガッシュを見て「おかえりなさい」と声をかける男性職員。
のんびりした雰囲気の職員に「おい、この護衛依頼でフォレストヴァイパーが出るなんて聞いてないぞ!」と噛みつくように言うガッシュ。
「え!フォレストヴァイパー!」と驚く男性職員。「皆さんご無事ですか!?」と慌てて聞いてくる。
「あぁ、こいつらが助太刀してくれたおかげで被害は無しだ。だが、報酬の上乗せを要求する」と強気で訴える。
ガッシュの勢いに押されて「す、す、すみません!ちょっと待ってください」と言い残して奥に消えていく職員。
しばらくすると小太りのドワーフがやってきた。
「よぉガッシュ。何か言いてえ事があるそうじゃねぇか」と髭をワサワサ弄りながら話しかけてきた。
「マスターのタルパか。何かじゃねぇよ、フォレストヴァイパーだぜ。勘弁してくれよ。こっちに被害がなかったのが奇跡なくらいだ」
「ふん。お前はそういうがフォレストヴァイパーが出て被害が無いなんてありえん。大方ちょっと育ったそこらのヴァイパーを見間違えたんだろう。報酬の上乗せは無しだな」とバカにしたように鼻を鳴らすタルパ。
「そりゃないぜ。依頼主の商人にもさんざん言われたんだ。俺のせいじゃないってのによぉ。助けてくれたこいつらに礼もしたい、上乗せは要求するぞ」と一歩も引かないガッシュ。
「そんなに言うなら討伐した証拠を出せってんだ」と腕組みをするダルパ。
あんまりの反応に腹が立ってきた様子のガッシュが僕の方を見る。
(あんまり目立つのはいやなんだけどな・・・・)と思いながら、
「えーっと、たくさんあるのでここじゃない方がいいですよね?」とガッシュに目配せをしながら言う。
マジックバッグに入れた量を思い出した様子で「そ、そうだな。ダルパ、奥の倉庫に行こう」とダルパに声をかけるガッシュ。
突然話始めた僕とガッシュを訝しそうに見るダルパ。(まぁそうだよね・・・)
「そこまで言うなら行こうじゃないか」とズンズン歩いて行く。
その背中を心配そうに見ているとガッシュに肩を叩かれた。
「心配するな。あの山のようなヴァイパーを見ると驚くだろうさ」と言い、ダルパの後を追う。
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